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研究者として生きるために その2 (論文執筆関連)

応用物理学会で、学会における人材育成のシンポジウムに参加してきた。
論文の書き方に関する講演 & 英語論文ブラッシュアップ講座を聞く.....
主に自分のためのメモ、その2です。  


まずは学術雑誌の編集をなさる東京大学の先生から、良い論文の条件とは、
そして、良いジャーナルにするためにはどうすればいいか、という講演。

#あまりに綺麗にまとまっていたので、そのままパクらせてもらってもいいかな、という気になる。
#さすが、良い論文を書くためにはというプレゼンをする先生である。

良い論文を書くには
 ・良い素材を産み育てること (これは他人にはどうすることもできません 各自頑張ってください)
 ・いざ料理(論文書き)に取り掛かる
         料理の仕方が悪いと、素材を生かすも殺すも変わってしまう
         英語のクオリティも重要(応用物理学会では今後も継続的に支援します) 
         JJAPフレンドシップミーティングをキーワードに、調べてみてください
 ・一番乗りであること(先駆性)、 
 ・自信を持って自分の言葉で(主体性の重視)
     説得力を増すために、○○と言われてると言い方をする論文があるが、実際にはそういうのはダメ。 
     他人の合意は、その論文だけのオリジナルでないとの判断のもとに、ネガティブになってしまう。
 ・多くの人にその価値が分かるように(普遍性)
 ・タネは惜しみなくあかす(公益性)
 ・なぜという疑問に答えるように(科学的)
 ・他人の成果を正しく評価し引用する(公正)

   “ APEX に投稿しましょう♪ ”



次のご講演は 英語教育でも有名なマーク=ピーターセン明治大学教授の『英語論文ブラッシュアップ講座』
この位有名なら、まあ、実名を曝してもいいでしょう。
   http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=4004300185

自分のためのメモだったので、キーワード的な記録になってしまうが、
ところどころ分けていただいた例文を書き込んでおく。

●読み手を意識したタイトルを付ける。当たり前のことはアブストラクトに書く必要はない。
  #でも、まあ、自然科学系ではちょっと違うこともあるかも。
 
●受動的、能動的...... 能動体の方が読みやすいと気が多い。
  ・日本語の構成と、英語の構成を違いを考えること  
    「温度は……(数行にわたり略)………計算された」と、主語と述語が離れているより、
    「我々は……  」とした方が分かりやすい。
  ・日本の昔の英語論文教育では、Weを使うなと言う方針だったが、実はそんなことはない。
                  少なくとも論文は、わかりやすさを優先すべき。
  ・また、英語としては誤解を招かれやすい、日本語で習慣的に使っている表現もある。
    「一般的に○○認識されていた」と言う場合、英語では自分は含まれないない印象を与える。
    「我々はこう信じていた」と書くべき
  ・受動態、能動体の選び間違いと、「~で」や「~によって」を、全部 “by” にしてしまうと
   不条理な文章になってしまう場合もある(笑)
   そんなとき “by” を “by meens of”  に書き換えると、それだけで問題がなくなる時が多い。

●日本語にない、冠詞に対する注意など 
   (話としては、中学や高校で教えられていること(らしい<英語の授業中眠ってたので))
  ・英語はあいまいにしようとしてもできないので、
     あいまいな文章は存在せず、文法的に誤ったものになるだけである。
  ・可算名詞(countable)か、不可算名詞(uncountable)か...と言うのがあるが、
   書き上げた論文を見て、単数形で冠詞のないものをきちんとチェックすると、かなりマトモになる。 
   数えられるか、られないか、決まったものか決まっていないものか、単数か複数か。
  ・冠詞をつけないことによって countable と uncountable では意味の違う単語などもあるので、
   変なことになる。 

   例文 I saw a horse.   一匹の馬を見た
   I saw horses.  何頭かの馬を見た
   I saw horse.  馬肉を見た  uncoutable な horse は、馬肉の意味。

●論理的関係
  ・何でもかんでも so で繋ぐのはやめよう。
    therefore, since, because, as, for, accordingly, consequently, so, then,
    thus, as a result, hence など
  ・「~による」 「~によって」 「~により」は according to, depending on, due to などだが、
   使い方によって意味が変わるので注意。there for はとても重い因果関係、軽いなら a coading to, and

   #山ほどあった例文の中で一つ拾ってみると
Accorgding to a case, the results varied. あるケース(の話)によるとその結果は変わった。
                          (あるケースが結論を変える原因になってる) 
Resurts varied depending on individual circumstance. 結果はケースによって変わった。
                               (ケースによって結果が違う)
  ・漢字を考えると区別がつくものもある。
   ~に依る(depends on)、~に拠る (based on)、~に由る (according to)、~に因る (caused by)。

・会話では、becauseでコミュニケーションをとるが、論文では (子供っぽいので) 使わない方が無難。


●関係代名詞   岩波新書 日本人の英語に詳しいので参照とのこと
   限定と非限定 (#日本語の文法書にある、「制限用法」などの言葉は間違いだと言うご主張でした)

●仮定法
  ・日本語論文では、仮定法がほとんどないが、 
   事実と反することを書く場合(自分でやる気がない時)は、仮定法を使う。

●時制

●前置詞
  ・英語では、日本語にあるような万能の「の(=of)」はない 
 
●その他
  ・間違いではないが、for example, of course, however, などは、文章の中に埋めた方が上質な英語。
   Of course, that is not necessarily always the case. (もちろん、必ずしもそうとは限らない)
   That is not necessarily, of course, always the case.     :同じ意味だがこっちの方が◎

  ・may be =かもしれない (たぶん、という肯定的な意味合いは少ない)
  ・expect=予期する (期待するという意味合いはない)
  ・challenge=挑発する、試練を受けさせる (挑戦するというポジティブな意味はあまりない)
  ・by the way=ちなみに、ついでながら (ところで、という単なる話題転換には使わない)
  ・apparently=見たところでは どうも~らしい (見るからに、明らかにという意味ではない)
  ・information、 performance、 work は uncountable であって、
            workをcountableとするときは、仕事ではなく、作品という意味で使うとき。
  ・最近、英語でも変わったものとしては、behaviour が countable になった☆
  ・e-mailは、e-mail message の message を略して e-mail としてしまったので、countable になった。

  ・英文校閲は絶対に面談添削が良い。直してもらうのではなく、納得するまで考えること。
     
    #論文内容など本人に聞かないとわからないので、勝手に添削してくるようなサービスは
     詐欺みたいなもんだとおっしゃってました。