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研究者として生きるために その1 (コミュニケーションと研究費を稼ぐ力と)

応用物理学会で、学会における人材育成のシンポジウムに参加してきた。
心を打つキーワードがたくさんあったので、自分のメモ代わりに記しておく。

 #研究者じゃない人や、就職活動をしていない人には無関係な記事です。

 #自分のコメントや感想は極力 
 # ←のようなしるしをつけて差別化しておきますが、
 #(キーワードはご講演から拾っているものの) それぞれの方の発表を
 #きちんとトレースしているわけではないので、
 #文責はゼブラにあることに、ご留意ください。

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まずは企業からのご講演、
Sonyの方のお話は、就職活動をする研究者に必要な力の一つとして、
     『異文化コミュニケーションのノウハウ』

①大切なものその1は 『質問力』
異分野の方との会話では、問い質す、尋問するという厳しいイメージがある日本語の“質問”ではなく、
探究する、あるいは一緒に考えるという意味合いの Quest や Questuion であるべきである。

Questionでは、ゴールを明確にする、問題点、解決策、行動を引き出す......
                        最終的な行動を引き出すことが大事。

   占いで、宝くじが当たります、と言われても、宝くじを購入しなくては当たらない。
   大学に合格します、と言われても、受験しなければ受かるわけがない。
                        #確かに(笑)

わかったつもり、知っているつもりをなくそう。
自問自答も有効。自分を鍛えると、他人への質問力もあがるので、コミュニケーションをとることによって、
最終的には、相手から、(自分にとって) プラスの行動を引き出すところまで到達したいものである。

  「自分を動かし、他者(他社)を動かす質問力」 
             #なんとなく五七五ですな(笑)

②それから次に、『心活力』
体は使わないとなまるが、心も使わないとなまる。そして腐る。
心を砕く、心を配る、心を込める、心に響く、心を打つ、心を動かす。
忙しいという漢字は心を亡くすと書くし、心付け(チップ)なんていう粋な言葉もある。
..... 日本語は心を使う言葉が多いが、英語では別にheartを使っているわけではない。
心を使って、研究をしてください。

③次は『体感力』
五感を鍛えることで、第六感が働き出す。
      閃き、インスピレーション、シンクロニシティ......など。

たとえば装置のスイッチを入れたときの音を毎回ちゃんと聞いていると、
調子が悪い時になんとなくわかることがある。
これがこうだから、というはっきりした言い方ができなくても、聞いたり見たり、触ったりして、
それぞれに何となく違和感があったとき、第六感的に危険が分かるのだと思う。
 
  #これを第六感というのかどうかわからないが、五感を鍛えるのが大事だと言うのは
  #これまでの研究生活でも、私も実感している。

④『体験力』
場の共有体験、場を提供する、暗黙知、体験を伴う知恵……… など、経験はお金では買えない。
いろんな学会あとの打ち上げや、懇親会、いろんなコミュニティに参加していくことも大切。
コミュニケーション能力にも関係することだが、若手に限ったことでもなく
たとえば上司が部下になにか雑用を頼むとき、雑用の背景を説明しておくと、場への参加意識が上がり、
部下の体験力が上がるそうです。
  #やってみよう。

⑤『感動力』
頭で考えた知性を超えた…… ? 
  #疲れてきたらしく、ちゃんとメモしてませんでした。ごめんなさい。

プロフェショナルの条件は、自分がエキスパートなだけではなくて、他人を動かせるものだとお考えだそうです。
  
質疑応答の時間に ...
  採用面接時間の、短い間で、ソニーの面接官側が留意していることはなんだと言う質問に対して、
  現代だと、インターネットで手に入れるレベルの情報で、質問にうまく答えてしまう人が多いが、
  面接官の方も、多少は対策を練って、そのへんの区別はつくようになっている。
  自分で考えた結果であることをちゃんと面接官にわからせることが必要とのこと。

  また、自分の研究テーマを、教授や上司に言われたから、研究室がこれをやっているから、と答えたら、
  その一言で(少なくともソニーの研究者の応募に対するものだったら)アウト。
  実際、テーマは研究室などの意向なんだから、とか、嘘はつきたくないと言う人は、
  そういう意志を通すことに対する自信と責任を持って、採用されなくても甘んじてください。

   #厳しいねえ.....
   #これをきちんと言ってくれるから、企業研究者って好きさ♪



次の講演者は、現在は大学教授であるものの、もともとは科学技術庁内閣府を経由した
筆頭外部資金ゲッターのお話。
    『これで通る! 説得力のある申請書、プロポーザルを書くために』

若手研究者というよりも、一定の年齢になって、自力で研究費を稼ぎたい人のための講演だったかもしれない。

①必要なことの筆頭は、まず 明確なビジョンを描く (いわゆる5W1H
  ・経済産業省系か? 文部科学省系か? というような資金源を考える。
  ・資金源が示すビジョンに、自分の求めている研究費があっているのかどうか。
  ・そのうえで、わかりやすく明確なビジョンを冒頭で示す。

②キーワードをつかむ
  ・イノベーション、成果還元などが最近のキーワード
      (新しいもの、閣議決定されたものをいち早くチェックしておくこと。
       今年だと、『イノベーション25』)
  ・ほかに、多様な人生、生涯健康、安全安心、長期的、
  ・とくに、閣議決定の後は、プラン > 行動 > チェック というプロセスを踏む。
       たとえば政策誘導型のものだとしたら、「プラン重視」なので、
       第3期科学技術基本計画(18年度-22年度)などを、必ずチェックして
       キーワードを拾うことが、成功につながる。
  ・システム改みたいなことをやりたがっているようなので、狙い目かな......
 
③ターゲットを定める(どの省庁のお金を狙うか)
  ・競争的研究資金 4千800億円 <文部科学省がほとんど(3千788億)で、農水、経産、環境省.....なども
  どこに? いつ? いつから? を考えて、応募すること。
  内閣府のHPをクリックして、こんなにお金があるんだと言うことに気付いてほしい。
  そのうえで、自分の研究がどの政策に近いか、
  公募型プロジェクトのうちどれが自分にフィットするかを考えて、参加する研究プロジェクトを決める。
  
④よく調べる、温故知新(審査員と、採択された前例)
   何年間か、採択率はどうなっているのか、HP には書かれているので、よく見て考える。
   期待値を考えて応募するのも大事で、それが戦略というのかもしれない......
   科研費だと、25%くらい? 基盤研究A~の方が、方が研究よりも採択率が高い。
   前年度を調べることが大事なのだが、だいたい毎年同じ傾向でしかない。
   合議審査などもあるので、審査委員会の構成を意識して、重要性、普及性、妥当性を考える。
   経験者にポイント、ノウハウを聞くのも手である。
   
   たとえば
   チーム型クレストタイプ (10パーセント採択 政策誘導型・研究総括の分析が必要ww)
   個人型さきがけタイプ (3000万から4000万で使い勝手がいいが、競争率が高い)
   独創的シーズ展開事業 (特許を持ってると強い 5年間なので結構いろいろ出来る
   振興調整費 (政策誘導型で大学のシステム改革、若手研究者、女性研究者など 機関が応募するタイプ)
    大学の先生方、ぜひ....  地域型というのもある。
        #....この辺は結構狙いどころかとひそかにチェック(振興調整費の後の加速用)?

   若手研究者の自立的...... キャリアパス 環境整備費(研究支援の事務方というのもOK) 
                審査基準も明確にされているので、キーワードも見つけやすい。
   地域再生人材創出

⑤自由な発想で、クリエイティブにイノベーション 新しい価値の創造できるか?
   クリエイティブ志向のスキル、 専門知識………

     #この辺になってくると、ちょっとお役所の都合みたいな気がしないでもない。

<質疑応答で>
  Q 研究者ばかり頑張っても、事務方との連携をどうするんだ? (#そんな質問、どーするんだよ.....orz)
     A 事務体制の整備に使える予算枠もある。
       (若手支援で、研究支援部門の確立、ポジティブサイクル、コンサルティングなどを
        要求していけるグラントがある)

  Q 研究がいまいちでも、キーワードさえよければ騙せると言うように聞こえるが? それでいいのか?
              (#だから、どうして、そういう質問をするんだよ...... orz)
     A それを避けるために、キーワードなどのテクニックに比重を置いて説明している。
       ちゃんとした研究をしている人が、テクニックが原因で研究費が取れないことがあってほしくない。

          #怒らないで、よく答えてるなあ…… 
           私はいろんな面でこの人に感謝してるし、楽しい話相手でもあるのだが、
           そういうのを抜きにしても、脱帽です。

          #この人も、このセッションに来ているコーディネータの人も、
           会話をすることで、元気をもらっているような気がする。
       

          ## しっぽがないショックから....立ち直れるとよいのだが.....<<謎