自転車の罪悪感の話

かっこいいセリフとか、なんとなく覚えてしまっているフレーズとか、
ネガティブスパイラルの話で引用した、一台目の放置自転車の話もそうなのだけど、
その辺の風景を見ていて、ふっと、昔読んだ小説の一節を思い出すときがある。

つい先ごろ、記事にした１台目の放置自転車の話は、
歌鳥さんの書かれた　『自転車と罪』　でした。
引用許可が出ましたので、URLを貼ります♪

　　　　http://members.jcom.home.ne.jp/songbird-x/material/bike.htm

なお、このお話に関しては、私の記事で、すでにネタばらしをしてしまっていますが、
これは連作でして、いずれもこんなさりげない疑問と解明が取り上げられています。
目次に戻った中の　『デイバッグの法則』　以降が同じシリーズのものです。
当時は時事ネタが多くて、文体の柔らかさとのギャップに　「お～」　と思ったものでした。
暗いわけではないし、セリフが多くて軽い感じの小説に、
ハッとする毒（？）が含めてある気がするんですよね。

一行小説の中にも、私のお気に入りがたくさんあって、

【オレンジジュース】 ９９％の果汁と、１％の毒。

なんていう『悪魔の辞典　（ビアス）』　風なものから

【母の涙】 お嫁に行くわけじゃない、成人式で振り袖着ただけなのに。

という、そのまま成人式の呉服屋さんのコピーになりそうなもの、それに加えて、

【星に願いを】 一生懸命願ったのに、人工衛星だったなんて…

など、思いだしたときの気分で感じ方が変わりそうなものなど、選り取り見取りで楽しいのです。

ほのぼのブラックとでもいうのでしょうか？
警戒しないで記憶にとどめたまま、
レズニックやハンターのセリフなんかと同じレベルで、ひょい、と蘇ってしまうのでした。

さあ、この毒をあなたにも。　　
　　　　　　　　　　お勧めです。