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愚かな私と至福のハムちゃん

文科省の遥か雲の上で、就職したての末端の私の力になってくれた先生の、追悼パーティに出席してきた。
わずかに知っているその先生の教授時代は、元気でかわいらしくて、楽しそうに研究してらした。
 
実力を認められ、女だてら(←当時)に要職に就かれたその先生に対し、
ちょいとやっかみ混じりの発言をする人達がいるのは、なんとなく感じていた。
                      でも、どうせ、そんなこと気になさらなかったろうな、と、思っていた。
 
ご家族が、あまり先生の仕事を理解して下さらなかったことも、お亡くなりになった時に知った。
 
先生のお弟子さんから、先生がどれほど影で苦労なさっていたか、
日本の科学技術と大学教育をどれほど憂いでいたかを伺った。
 
原発の事故の後、退院できるまずもない末期癌の病床で、
何か今、自分が出来ることがあるのではないか、と悩んでらしたそうだ。
 
 
働く女性のロールモデルということなら、身の回りに、弁護士さんや女医さんがいた。
彼女らをかっこいいな、と思っていた。でも、忙しそうで、大変そうだった。ちょっと怖いとも思った。
大学教授の先生が、楽しそうで気楽そうだったから、
絵描きやデザイナーになる夢をやめて研究者を目指した。
先生の苦境や、先生の大変さは、自分が研究者になって何年もたつのに、知らないでいた。
先生が笑っていれば、憂いなどないと、思っていた。
 
 
大学時代の私を知る人が、落ち込んだ私を優しく笑う。
「昔からそうだったよ、貴女は。 研究やレポートでは複雑なことを悩むのに、人間の奥はあまり考えない」
それでも友人たちや、先生方は、私に好意を持って接してくれていたと思う。
他の人に比べて、自分がひいきされてたのは、ちゃんと知ってるよ。
 
でも………それに甘えて、他人の複雑な苦しみは、考えないで過ごしてきちゃったのかな。
 
 
 
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家に戻って、ハムスターをいじりながら考える。
餌箱に降ろしてみたら、彼は至福の時だ。
(動物たちは必死で生きているのだろうとは思うものの)
なあんにも、考えていないように見える。
 
隣に来たお抹茶BOYに言う。
 「ハムちゃん、餌箱の中だと顔色、変わってるよね」
 「頬袋、膨らんでるからね」
         ………顔色と、頬袋は違うのだが。
 
算数や恐竜などの謎解きが好きなくせに、
時折シンプルなお抹茶は、私に似ているのかもしれない。