子ども心
剣士な娘は、さかんにハムスターの夢を見るようだ。
夢の中のハムスターは元気で、ホワホワとやわらかくて、楽しい夢が多いそうだ。
人間に生まれ変わらないかな、と言っているから、
「今生まれたら16歳差だよ」
「ん~、じゃあ、今、生きている誰かに乗り移ったら、そいつと結婚する」
ハムスター入りならOK、って、こんなところで、彼氏無しが判明
出会って一目ぼれして、「あなたは私の飼っていたハムスターの生まれ変わりではっ」
って言ったら、びみょ~ というより嫌われると思うんだが、その辺彼女は大丈夫なんだろうか?
世間一般の女子高生のイメージと、目の前で転がってるカピバラもどきが一致しない……
お抹茶BOYは今日、バスケットの試合だった。
ミニバスケットは、5年生と6年生がメインだけれど、
中学入試対策の塾や模試があるので6年生は抜けがちになり、だから、4年生も参加するようになる。
プチバスケットから上がったばかりの彼らは、今回が初試合だ。
元々、彼のチームはひとりを除いて小柄な子が多く、そのかわりに6年生はとても素早い。
荒っぽいぶつかりあいは無く、相手の隙を突く速攻や、3ポイントのロングシュートなどで点を稼いでいる。
先輩たちはそうやって勝ち進んでいたけれど、
まだ技術のない彼らは、身長の差がそのまま点差になってしまう。
リバウンドをとれない、ぶつかったら跳ね飛ばされる。
6年生メインが出場して優勢だった第1クオータの得点を守りきれなくて、
結局、今日は二試合とも同じパターンで負けた。
今日が最後の試合だった6年生もいたのに、せっかくリードしていてくれたのに、
ディフェンスがたくさんいると、そっちに攻めて行けなくて、逃げて、
後半になったら誰もかれもがシュートミスをして…………
よほど情けなかったのだろう、家に帰ってきてから、泣いていた。
「メンタル 弱っ」
「……昔から、のチームはぶつかりあうと負けちゃってたらしいよ」
「じゃ、コーチがいけないんじゃん」
「でも同じコーチで、女子チームは強い」
「剣道もそうだけど、女子と男子の教え方は、同じじゃダメなんだよ」
↑道場の手伝いをしてるから偉そうに言ってる。
「……あんた、男子校で合同練習やるようになって強くなったんだよね」
「……………」
お抹茶BOYもたぶん、きっと、いや、そのうち、、、、 少しずつは強くなってくれるといいなあ………
バスケチームの子供達の顔はぼかしたけれど、一応、内緒記事で。