誰だって、相手を見る
東京都のカテゴリーを選ぶの、初めてじゃなかろうか?
ご近所に越してきた、顔を知っている程度のお年寄り(女性)がいる。
雪国出身だそうで、詳細は知らないが、息子さんか娘さんの家に越して来たようだ。
新年に雪が降った時、雪掻きなどで活躍してくれたのはいいが、
「都会もんはこういうこともできない」、「雪用の靴を持っていないなんて……」、と
周りの人たちに不快な言葉を吐き続けていたので、
彼女が雪掻きをしている道からはなんとなく人がいなくなった。
今朝、バス停で捕まってしまった。
「この辺の子供は挨拶をしない、年寄りをバカにしている、元住んでいたところはこんなんじゃなかった」
「……あの角の家にも、おばあさんがいらっしゃるんですが、
. 小さい頃に遊んでもらったり助けてもらっているから、みんな挨拶するようですよ」
「東京もんは無愛想なんだよ、〇〇にいた頃は……」
「〇〇にはお知り合いが多かったんですね。
. 東京は人の出入りが多くて、田舎ほど閉鎖的ではないので、転居してきてからの人間関係を作れますよ」
真意は伝わらなかったと思うけど。
近所に、ボケていて、大声を出すお爺さんがいるのだが、
まわりに住む大人たちは、そのおじいさんが若いころから知っていて、遊んでもらったりしていて、
心配こそすれ、迷惑がりはしない。
後から転居してきた我々に、
後から転居してきた我々に、
「怖がることはないよ。とてもいい人だったんだ。……年寄りだから許してやってね」
同じマンションに車いすのお婆さんがいるのだが、
「お孫さん?」 と聞いた私に、
「小学校のころ、鍵をなくして困ってたら電話を貸してくれて、一緒にいてくれた」、と、道で車いすを押していた運動部っぽい高校生が笑った。
久しぶりに会ったそうで、お婆さんは(少年のことは知っていても)鍵の件を覚えていないようだ。
触らせてもらっていたネコがいなくなってしまった、と、
お爺さんと一緒に遅い時間までネコ探しをしている子供を見たこともあるし、
お抹茶BOYは、ミドリン(ミシシッピアカミミガメの大きい奴)を探してくれた人たちに、今も感謝している。
「今の、誰?」
「ミドリンが逃げた時、たくさんポスター貼ってくれた人」 ←迷子ガメのポスター
老人だから大事にしてるんじゃなくて、
昔、優しくしてもらった人だから、恩になった人だから、恩返ししてるんだよな、と
当たり前のことを、思う。
見ず知らずの老人に敬意を表することもなくはないと思うけど、扱いは違うよ……
転居してきた老人が、そのことに気づいてくれるといいのだけど。