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両極端の中をいかに泳ぐか

私の職場である研究所は、その成り立ちからか、
どれだけ論文書いて、どれだけ特許書いて、どれだけプレス発表して、どれだけ研究所運営に貢献したか
という成績評価でボーナスが決まる、研究者に対する徹底した成果主義と、
なんだかんだ言っても、最後は年功序列だよね、という、事務官たちのお役所的な考え方が混在している。

研究者の職場環境としてはサバけててとても過ごしやすいのだが、
いわゆるキャリアと、ノンキャリが、ぐっちゃぐちゃに混ざり(←研究者は肩書きを気にしない)
公用語が英語で、英語翻訳版のない書類は皆無でも日本語翻訳版がない事は多々、という状況だから、
中央省庁から出向してきた事務官がノイローゼになって帰っていく、なんてこともたまに(?)ある。

昨日は、たたき上げという名の年功序列型高齢事務官(以下)と一緒に仕事をする羽目になって、
…………その仕事のできなさに呆然とした。

は一枚紙の書類にいろいろ書き込んで某大学に送らなければならないはずなのだが、
書類のスペースを埋められない。
前任者に協力していたことのある私や、関連する部署に何度も泣きついてくる。

金曜日の5時過ぎに、打ち合わせ開始。

 「あれ? これ、この間の打ち合わせで、決めませんでしたか?」
 「あれだけ話したのに、議事録をとってなかったんですか?」
 「昨日また「手が付けられない」っておっしゃってたから、うちのアシスタントが、議事メモを送りましたよね?」
 「いやいや、あれはメモだったので、文字数なども書類の書式とはちがってて……」 
 「書き込むことは決めたし、内容決まってるんだから自分で書いたらいいじゃないですか」

 「金曜日締切だから、実際な月曜日だと思うんですよね、(だから僕はもう帰りたい)」
 「ん? 週末に作業をするから、それまでに送ってほしい、ってメールが来たんじゃないですか?」
 「いや、事務方は、時間外の仕事はしないことが多いので……・」  (←そんなことはない
 「じゃあ、事務方の人が出したなら、締切りは金曜日の5時までだったんじゃないですか?」
 「……………」

 「今、話し合って決めなおしてますが、メモを取ってますか?」
 「いや、何を書いてよいかわからなくてね…………」 
 「………・さん、悪いけど書類もらって、この場で書き込んでくれる? 我々がやっちゃおう」

信じられないのは、我々がノートパソコンに打ち込みながら議論を続けると、
初めからそうすりゃよかったのに、という風で、が他人面しはじめたことだ。

 。o O *1
 。o O *2

1時間で書類をやっつけてから、
 「ごめんなあ、さん研究者なのに、事務方の仕事手伝わせて。
.       こうやって手伝っちゃうから、がいつまでも自分でやらないのかも知らんけど」
 「まあ、昔出向してた(5年前)せいで、私経由で話が来たんでしょうから。 
.   いいかげん、後任が自分で仕事してくれないと困りますけどね。私ら(出向研究員)より偉いんだから

でも、本来の仕事をすべき人が、その仕事をできないときに、
指導や注意をすると、「そんなの教えてもらってない!」 って、キレたり病んだりしちゃうんだよな。
教えてもらってない、あるいは教えてもできるようにならない人を、
そのスペックが要求される職位につけちゃいけないと思うんだけど、
そのあたりは事務方には年功序列が残っているから、仕方ないんだそうだ。

でも、一方で、自分の仕事の片手間に、それをフォローしちゃうさんみたいな人もいるわけで。
極端と、極端なんだよな~
そもそも、理学系研究者の仕事の仕方と、お役所の仕事の仕方って、正反対だしね。

うちの職場の、中途半端にお役所の体質、どうにかしてくれ



指導や注意をすると、キレたり病んだり、という話では、
知り合いから、大学の研究室などのすさまじい話を聞く。

教授が、研究室に出てこない子に、数回注意しても来なかったので、
「出席率が70パーセントくらいないと、卒業単位が出ないよ」 と告げて(間を数週間おいて2度ほど注意)、
それでも出席しないなら、単位を出さなければいいだけだろう、と、放置。
教授はああいうけれど、「このままではあの子は卒業できない」、と、見かねた学生思いの助教さんが、
盛んにメールやら電話をかけたら、
そのせいで息子が鬱になった、と、彼の両親は、助教さんを” 加害者として訴えた……・という

当初、教授はドライすぎないか? と思ってもいたのだが、
ひとたびこういう学生がいると、それ以降は考えちゃうんだよな、と、思う。

一度注意してから、しばらく待ち(職種によって期間が違う)、
再び注意をしても改善されなければ、解雇手続きをとってもいい、というのは、
公務員法かに批准して、留年手続きを考えたのではないかと思う。


幸い、私のいる研究室に来ていた大学院生たちは、
博士課程のどこかで、あるいは博士取得後の職場を選ぶときに
アメリカやヨーロッパに行くことがほとんど(←いや、すべてか)なので、
スタッフが手を差し伸べる部分と、学生が自分で処理する部分の基準を、そこ(海外)で身につけたようだが
(情に篤い部分はあって、震災直後の東北大に出張先の関西から車で駆け戻ったりしてたが)
それでも、鬱病を患ったり、アスペルガー気味の学生の扱いには頭を抱えている。

そんな話を聞くにつけ、研究所は気楽だな、と、思う。
外研(大学の外の共同研究先で卒業研究や大学院の研究を行う)の学生は、
大学院への進学組がほとんどだし、少なくとも、モティベーションの高い子が来てくれるから。

学生さんたちも、個人と個人で、両極端に振れてるんだよね……
同じ大学スタッフで対応するのは大変だし、
学生によって対応を変えると、差別だって、また騒ぐ連中がいるし……大変ですな。



昨日、最後はブチ切れながらやっつけ仕事で書類を仕上げ、
季節外れの新人歓迎会に向かった。
中途採用が多いうえ、日本人ばかりを採用するわけでもない私の職場は、
新人が来る時期もばらばらだからだ。

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遅れた乾杯の後、英語と日本語とまぜこぜに、研究の話や、家族の話をする。

.   「保育園が終わる時間が早いから、残業できなくて困るよね」
.   「それより、学会出張の時に、子供たちをどうしていいかわかんな~い」

まあ、そういうのはメーリングリストに投げると、すぐに回答がもらえるよ
学会託児所も多いしね。

研究者ばかりのフラットな構造は、居心地いいな、と、思いつつ………


.            そんなわけで、結局、昨日は予稿を書き上げられなかった



*1:お前が担当の書類だろ~

*2:叩き上げ系で課長っていうけど、叩かれてない(叩かれてもできるようになってない)、こいつ