叩け~ 叩け~ 叩け~ って、明日のジョーだっけ?
ドラムの向こうの端っこを叩いた時と、手前の端っこを叩いた時で、音が違う。
と、コニーさんが書いてらした。
真ん中と、端っこで音が変わるのは当然である。でも、向こう側とこっち側でも違う?
そういうのってあるかな? 音が変わる理由を考えてみた。
……って、初歩の物理学(高校レベル)の範囲で考えているので、ツッコミのある方はどうぞ。
ドラムや太鼓は円筒の上下に、皮を張った構造をしている。
いい画像がなかったので太鼓の断面写真を貰ってきた。
①皮をピンと固く張れば高い音が出て、
ゆるく張れば低い音が出る。
②直径が大きな太鼓(大太鼓)は低い音が出て、
直径が小さな太鼓(つづみ)は高い音が出る。
③皮が厚ければ低い音が出て、
皮が薄ければ高い音が出る。
④重いバチで叩けば重い音、軽いバチで弾けば軽い音。
まあ、計算式もあるけれど、
①,②,③,④は直感的にもイメージできるだろう。
直感的にわかると言えば、太鼓の真ん中を押すのと、端っこを押すのでは、
真ん中を押す方が、弱い力で押し下げられる―――も、経験的に知っているだろうと思う。
太鼓やドラムの皮の打面は外周の部分で固定されていて、
固定された場所のすぐ横で、皮をぎゅっと急角度に曲げおろすのは力がいるからだ。
下の図だと、右端の部分に大きな力をかけている。(大きな力をかけなければならない)
それから、指の向きは、太鼓面に対して垂直に押す方が強く押せるのも、経験的にわかっているだろう。
次に、太鼓の撥や、ドラムのスティックの動きを考える。
ドラムと太鼓で、肘で打つとか手首で打つとか、違うのかもしれないが
私は細かい事は知らないので、単純なモデルを考える。
スティックの軸部分よりも先端の方が動きが大きいのは確かだろうから、
右図のような動きをしていると仮定する。
軸の根元が動かず、先端が弧を描いて動き、
そのせいで、先端の動きの方向が変わり、力の向きも変わる。
バチの振り下ろす角度で、
同じ真ん中を叩いても、叩く力が変わり、音の大きさが変わる。
力の分解をすると、60度の角度だと、打面が受ける力は半分になる。
単純な三角関数だよっ
さて、ようやく、ドラムの端っこを叩く話だ。
太鼓のバチやドラムのスティックが打面に触って押している時間(接触時間)は1000分の1~10秒程度だ。
軽いスティックなら接触時間が短く、重いバチなら接触時間が長い。
この、バチやスティックが触っているほんの短い時間の、打面の動きを考える。
打面に対して垂直に押すのがうまく力を伝える向きなので、思いっきり極端に描くと、下のようになる。
打面に触れてから、力を無駄にせずに打面を押し下げ、打面の傾きに合わせて力の向きも変える。
力を無駄にしないようにドラム面の右端を押すときの指の向き(下図左側)と
同じ力をかけるようなバチの向きを書いてみた。
右側からバチで叩くことで、大体まねることができる。
逆に、太鼓の右側から左端を叩く場合には、下の図のようになる。
右側から、バチを振って、
左の端を叩くとバチの動きは
力を大きく伝えるのとは逆に働く。
バチの力を点線、それを分解して打点を
押し下げる成分の力を赤矢印で書いた。
振り下ろしている力は点線矢印だけあるのに、
実際に面を押すのに使うのは赤矢印分だけだ。
ドラム面が押し下がほど、無駄な力が増えてしまう。
なので、
打面に触れて押し下げていた力が、
急激に力が消える(弱くなる)ことになり、
打面に力が加わっている時間が、
極端に短い事になってしまう。
(絵が悪くて、バチが斜面を押しているように見えてしまっているが、
バチが押し下げているのは、打面の曲がった部分である)
人間の腕で打つことを考えると、水平方向の角度も違うかな。上から見た図も描いてみよう。
人間がドラムの手前を叩くとき、バチがドラム面に接している時間が長く、力を伝えやすい。
それから、細かいことを考え出すと、ドラム面や太鼓面の皮を叩いても、
打点の部分が上に書いた図みたいに外周から打点に向けてV字型に凹むわけではなくて、
そこだけ皮が伸びて引っ込むかんじになるとか、
皮の変形が周囲に広がっていくのに時間がかかるとか、
皮全体の上下振動ではなく、皮の中を横方向にの振動が枠に反射して戻ってくるとか―――
皮の張りを同じにして、同じ高さの音を出すように調整制てても、皮の状態に部屋の湿度が関係するとか――
まあ、高校物理範囲のモデルで考えたのでは、音質など説明しきれるもんではない
だからこそ、音質の良し悪しは計算じゃなくて職人技だとか、
それら全部がコミコミで演者のテクニックになっちゃうんだけどな。
……ピアノ用の図も作ってみたんだけど、書き切れるかなあ。
いったん誤字脱字を直したので、公開範囲を変えます。
と、コニーさんが書いてらした。
真ん中と、端っこで音が変わるのは当然である。でも、向こう側とこっち側でも違う?
そういうのってあるかな? 音が変わる理由を考えてみた。
……って、初歩の物理学(高校レベル)の範囲で考えているので、ツッコミのある方はどうぞ。
ドラムや太鼓は円筒の上下に、皮を張った構造をしている。
いい画像がなかったので太鼓の断面写真を貰ってきた。
①皮をピンと固く張れば高い音が出て、
ゆるく張れば低い音が出る。
②直径が大きな太鼓(大太鼓)は低い音が出て、
直径が小さな太鼓(つづみ)は高い音が出る。
③皮が厚ければ低い音が出て、
皮が薄ければ高い音が出る。
④重いバチで叩けば重い音、軽いバチで弾けば軽い音。
まあ、計算式もあるけれど、
①,②,③,④は直感的にもイメージできるだろう。
直感的にわかると言えば、太鼓の真ん中を押すのと、端っこを押すのでは、
真ん中を押す方が、弱い力で押し下げられる―――も、経験的に知っているだろうと思う。
太鼓やドラムの皮の打面は外周の部分で固定されていて、
固定された場所のすぐ横で、皮をぎゅっと急角度に曲げおろすのは力がいるからだ。
下の図だと、右端の部分に大きな力をかけている。(大きな力をかけなければならない)
それから、指の向きは、太鼓面に対して垂直に押す方が強く押せるのも、経験的にわかっているだろう。
次に、太鼓の撥や、ドラムのスティックの動きを考える。
ドラムと太鼓で、肘で打つとか手首で打つとか、違うのかもしれないが
私は細かい事は知らないので、単純なモデルを考える。
スティックの軸部分よりも先端の方が動きが大きいのは確かだろうから、
右図のような動きをしていると仮定する。
軸の根元が動かず、先端が弧を描いて動き、
そのせいで、先端の動きの方向が変わり、力の向きも変わる。
バチの振り下ろす角度で、
同じ真ん中を叩いても、叩く力が変わり、音の大きさが変わる。
力の分解をすると、60度の角度だと、打面が受ける力は半分になる。
単純な三角関数だよっ
さて、ようやく、ドラムの端っこを叩く話だ。
太鼓のバチやドラムのスティックが打面に触って押している時間(接触時間)は1000分の1~10秒程度だ。
軽いスティックなら接触時間が短く、重いバチなら接触時間が長い。
この、バチやスティックが触っているほんの短い時間の、打面の動きを考える。
打面に対して垂直に押すのがうまく力を伝える向きなので、思いっきり極端に描くと、下のようになる。
打面に触れてから、力を無駄にせずに打面を押し下げ、打面の傾きに合わせて力の向きも変える。
力を無駄にしないようにドラム面の右端を押すときの指の向き(下図左側)と
同じ力をかけるようなバチの向きを書いてみた。
右側からバチで叩くことで、大体まねることができる。
逆に、太鼓の右側から左端を叩く場合には、下の図のようになる。
右側から、バチを振って、
左の端を叩くとバチの動きは
力を大きく伝えるのとは逆に働く。
バチの力を点線、それを分解して打点を
押し下げる成分の力を赤矢印で書いた。
振り下ろしている力は点線矢印だけあるのに、
実際に面を押すのに使うのは赤矢印分だけだ。
ドラム面が押し下がほど、無駄な力が増えてしまう。
なので、
打面に触れて押し下げていた力が、
急激に力が消える(弱くなる)ことになり、
打面に力が加わっている時間が、
極端に短い事になってしまう。
(絵が悪くて、バチが斜面を押しているように見えてしまっているが、
バチが押し下げているのは、打面の曲がった部分である)
人間の腕で打つことを考えると、水平方向の角度も違うかな。上から見た図も描いてみよう。
人間がドラムの手前を叩くとき、バチがドラム面に接している時間が長く、力を伝えやすい。
人間が、ドラムの遠く皮を叩くとき、バチがドラム面に接している時間が短く、力が弱い。
人間が打ち下ろしていることで、バチの動きに方向性ができ、
そのせいで実質的な接触時間が変わるため、音質が変わる。
でも。
たとえば、バチを上からぶら下げて、重力に任せて落して音を出すなら、
つまりはバチの動きが、打面に垂直なパターンだけなら、同心円的に同じ音の出る場所ができて、
中心からの距離で音質の分類ができると思うな。
そのせいで実質的な接触時間が変わるため、音質が変わる。
でも。
たとえば、バチを上からぶら下げて、重力に任せて落して音を出すなら、
つまりはバチの動きが、打面に垂直なパターンだけなら、同心円的に同じ音の出る場所ができて、
中心からの距離で音質の分類ができると思うな。
それから、細かいことを考え出すと、ドラム面や太鼓面の皮を叩いても、
打点の部分が上に書いた図みたいに外周から打点に向けてV字型に凹むわけではなくて、
そこだけ皮が伸びて引っ込むかんじになるとか、
皮の変形が周囲に広がっていくのに時間がかかるとか、
皮全体の上下振動ではなく、皮の中を横方向にの振動が枠に反射して戻ってくるとか―――
皮の張りを同じにして、同じ高さの音を出すように調整制てても、皮の状態に部屋の湿度が関係するとか――
まあ、高校物理範囲のモデルで考えたのでは、音質など説明しきれるもんではない
だからこそ、音質の良し悪しは計算じゃなくて職人技だとか、
それら全部がコミコミで演者のテクニックになっちゃうんだけどな。
……ピアノ用の図も作ってみたんだけど、書き切れるかなあ。
いったん誤字脱字を直したので、公開範囲を変えます。