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駅前留学に行ってみた

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私は帰国子女である。バイリンガルではない。

3歳くらいから小学校の中ごろまでをシドニーで過ごした。
地元の公立校に行っていたせいで、
中学くらいまでは、日本語が不自由だった。


日本人は語学(たとえば英語)を学ぶにつれて、
日本語で知っている単語を、英語でも言えるようになる。
習っている言語で言い表せる単語が増え、
つまりは図の斜線の重なりが広くなっていく。



語学の得意な人ならば、重なり部分がどんどん増えて、
やがてほとんどが重なって、
バイリンガル 【bilingual】状態になる。

が。

私は語学が苦手だったので、
英語で言い表せる単語は日本語を覚えず、
日本語で覚えた単語は、英語側を忘れた。

つまり、一番下の、ハーフ&ハーフのみたいな状態になった。
(こういう奴は翻訳や通訳ができない)

この状態の子供の喋る言葉は、
英語ユーザーには日本語部分が通じないし、
日本語ユーザーには英語部分が通じない。

バイユーザーな人のみが話を理解できるが、そんな人間が子供の身近にいることも少ないから、
そういう帰国子女は、ちょっと世の中を拗ねてしまったりする。         ……うん、語学音痴は辛い。



その後何年も過ぎて、私は普段の仕事で英語と日本語を併用するようになった。
外国人と同じオフィスにいれば、雑談もするから、
仕事の話も雑談も、英語でも日本語でもOKになり、
バイリンガルとはいえないまでも、子供のころよりも語学の重なりが大きくなった、と、思っていた。


昨年、自然科学系ではない国際会議に参加した。
ジェンダーがどうとかとか、社会のシステムがどうだとか、
欧米の休暇のシステムと社会保障がどうだとか。


………ぜんっぜん、わかんねえ


オスカーワイルドの 『社会主義下における人間の魂』 とか言う作品(←ん?Communismだったかな)が、
英語でも読んでも日本語で読んでも、まったく分からなかった、あの暗い過去がよみがえった。

会議の席で、外務省出身者や文科省の偉い人たちが、さくさく議論しているのにも、敗北感があった。
発音が悪くても、彼らはちゃんと内容が分かって、話が通じていた……
いや、外務省の人は、発音もパーフェクトだった

ダメじゃん、私。
相変わらず、英語も日本語も、つまり語学は苦手なんじゃん。


というわけで、チャンスがあったら英語を学びそうと思っていたのだ。
身の回りに大量にいる外国人研究者たちも、それぞれにネイティブではないし、
いい加減に話しても大体通じるし、
何よりもいい加減に話すのに慣れてしまっているから役に立たない。

家の近所の駅前留学でも行ってみるか―――


というわけで、某N○VAに行って来た。
先月、一回、体験授業を受けてみて、なかなか役に立ちそうではあったんだけど、
レベルテストとやらを受け、クラスを決めなければならないらしい。

    「お仕事は? とか自己紹介とか、興味のある話題とか そんな会話ですからお気軽に」

こっちから仕事内容を話すのなら楽だが、それではレベルチェックにならんだろう、と、
適当に山を張って、帰宅途中の電車の中で、タックスヘイブンだの経済系の話を英語で読んでおく。
同僚たちと株の話をするから、経済系の話あたりなら、まあ、ちょうど良いかな。

でもって、いざレベルテスト。

 「最近の若者のファッションについて、どう思いますか?」

 「’&%#?* ……ちょっと待て

 「大阪の人のジョークは楽しいですか? ひとつ言ってみてください」

 「……な、なぜ大阪

後で聞いたところによると、まずはいろんな話をしてみて、苦手そうな話題をふってみるんだそうだ。
ファッション話題はともかく、
あっという間に地理音痴を見抜かれたのか、お笑い嫌いを見抜かれたのか、なんとも複雑である。


それでも、その後の授業では単語の使い方を直して貰ったり、
シチュエーションを決めて意見を言う練習をしたり、
テキストも予防接種による伝染病の拡散防止と、国による違いなんていうところだったから、
話題に入りやすく、意見も言いやすかった。
(「では、反対の意見を言ってみてください」的なことがあったから、ディベート練習でもあるのかも)

かつてのN○VAは、海外旅行に行ったときに役に立つように、お友達感覚で英会話……なんてのをやってた。

一度経営破たんした後は、反動でビジネス英語に振れたようだ。
大学生が語学を学ぶにはN○VAは向かない、と聞いていたのだが、私には役に立ちそうだ。


夜遅くまでやっているようだし、
しばらくは通う時間を編み出そうっと。