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無意識

大学院の修士課程にいるとき、
一足先に学会デビューした同級生が一番初めに発表した会場が、
福島県は二本松の日本大学だった。

たしか最終日の午後イチの発表で、
午前中、遊びに行った我々は阿武隈洞で時間を使いすぎ、
あわてて戻る途中にスピードを出しすぎて春の交通安全週間で張っていた地元警察につかまり
お目こぼしで学会デビューのクラスメートだけほかの車に乗せて会場に送り込み……
―――そんなわけで、教授(←一緒に遊びに行かなかった)に大目玉を食った。

福島には、阿武隈洞があり、千恵子抄安達太良山があり、そして空がある。



私は社会が、特に地理が苦手だ。
脳に障害でもあるんじゃないかと思うくらい、地名を覚えられない。
だから、出張の前に、地理の好きな子供たちに、

何があるところ? 特産は何? お土産何がいい? と、聞く。


夕べ、お抹茶BOYに聞いてみた。

 「福島はね、特産とか何かより、原発の話しか習わなかったんだよ」

……東日本の震災と、福島原発の事故は、彼が小学1年生のときのことだ。
小学校の社会の時間、いろんな県の、県庁所在地や特産品を習っていたはずだが、
福島県原発の話で終わった、という。

震災前、福島の特産品はなんだったんだろう。
懐かしんだり嘆いたりする知識すら持ちあわせない自分が悲しい。


どっちかというとデータ提供の側だから、放射線やその影響には厳しい方だ。
その上で、ほかの国々の自然放射線量と比較して、安全や危険を認識する。
今の日本は安全なものしか販売許可は出ず、安全な場所にしか住めないことを知っている。

でも、そんな研究所にいても福島への出張を嫌る人もいる。
自分でどうこう思うわけではないが、家族が嫌がるんだそうだ。
その人たちに説明したり、説得したりするのが面倒なんだそうだ。

「科学者のミッションのひとつだと思うぞ」と、言おうかと思ったけど、
たぶん、理屈じゃないんだろう、と思ってやめた。
「科学やデータを信じられなかったら、スペースシャトルには乗れない」、って言ったのは、誰だっけ?


そういうわけで、今日は福島に出張です。




無意識の先入観や偏見をチェックするアンコンシャスバイアス(Unconscious bias)テストというのがあるようだ。
弁護士といったら男を思い浮かべるか女を思い浮かべるか、とか、
アフリカ系名前のアメリカ人と、白人系名前のアメリカ人のどちらを信用するか、
みたいな、シンプルな質問をつみあげて、
個人の中に何パーセントくらい偏見が含まれているかをチェックする。
ハーバード大のやつが有名なので、リンクしてみる。(日本語版があるといいのですが)

https://implicit.harvard.edu/implicit/takeatest.html

なかなか面白い。

でも、たとえば福島や放射線に対してのバイアスチェックをしてみたいと言ったら、
ブラックジョークと思われるか、非難ごうごうなんだろうな。