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世知辛いのぉ(裏)

仕事で現職総理に会っても、公務員的に広義の上司だとしか思わないのに、
この人の名前を見るだけで、「ネタになる」 と思ってしまうのは何故だろう?

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フェイク・カンファレンスや、フェイク・ジャーナル(ハゲタカ出版) について書いた

フェイク・カンファレンスに大挙して押しかけてしまう日本の大学教員は、
去年あたりから文部科学省の中でも問題視されはじめた。


いけ好かない上司の行動

現在、わが研究所のトップは、学部長にすらなったことがないくせに、
現政権の相談役だというだけで研究所所長に収まったという、“いけ好かない奴” だが、
そんなわけで、M省の言うことは即座に聞く。過剰に従う。

   元ボスが、米国大卒で米国大教授後に帰国、大学学長を経て研究所トップになったのと対照的である。
   元ボスは研究者&研究内容しか考えず、M省を軽視した報復処置で研究経費を減らされ、
   それはそれで問題だったのだが、我々研究者は、元ボス大好きだった。
   彼はいち早くフェイク・カンフェレンスに気づいていたが、「有利になると思ったら出席しなさい」、だった。

いけ好かないトップ” は自分の言うことを聞く兵隊として、当時の助手達を職員にして連れてきたのだが、
そいつらが、フェイク・カンファレンスに引っかかった。  
……ざまあみろ、と思った人は大勢いただろうが、問題はそこではない。
それだけ見分けにくいパターンがある、ということだ。

いけ好かないトップ” はいけ好かない奴ではあるけれど、そういうわけで危機管理能力は高い。

危機管理能力の高いと、言質をとられたくないあまり何を言いたいか不明な場合があるが、
それに対し「要は何を言いたいのだ?」 と、聞き返せるのが、外国人の多い研究所の良い所だ。
危機管理能力は高いがいけ好かない奴は、そんな我々をコントロールしなければならず、
だから具体的に、
「フェイク・カンファレンスに参加しないよう、主催者と参加費用を精査すること」 と、お触れを出した。 
「必要に応じて、過去の参加者からコメントなどをもらうこと」 うん、これも判断基準として悪くない。


尻馬に乗る奴

いけ好かないトップは、自分の助手も縁故採用的に職員につれてきたが、
M省におべっかを使うことも忘れない。 M省の役人を一人、経営陣に受け入れた。
キャリア官僚であるその女性は、無能ではないのかもしれないが、
M省命令、トップ命令に過剰に反応し、しかも理系の研究・情報に疎い。
わかりもしないのに、トップが(自分と対抗分野の研究として)文句をつけた研究を、いっしょになって罵る。
仮に、尻馬さん、と呼ぶことにしよう。
そういうわけで、あまり好かれてはいない。

その尻馬さんがフェイク・カンファレンス問題を担当したのはいいが、
本人には国際会議の主催者の精査基準がないから、いちいち参加にケチをつける。

来週から部下が国際会議に出席するのだが、その書類に今になって文句をつけてきた。
いわく、説明できないなら、自費で行け、的な。

1500人の研究者が、人にもよるが、年平均で4件の国際会議に出席する。
少なく見積もっても6000件になる。
その一件一件のバックデータや有識者コメントを、事務方(担当は2人)に集めさせようとしている。 
                                             無理じゃね?

代理戦争

昨日私は、新規出版事業の打ち合わせで、研究所の外部にいたのだが、そこに事務方からのメールで
「フェイク・カンファレンスの疑いがあり、過去の参加者コメントをもらいたい」、と指示が出ている旨を聞く。

部下が参加する国際会議は、米国大手学術団体が主催で、日本の学術団体も協賛をしている。
「何でやん」、と思いつつ、打ち合わせで忙しいので、
過去の会議出席者で、偉くてM省にもかかわりのありそうな教授を何人か選んで、
「国際会議出席に必要な書類があって~」 と、コメント依頼のメールを送った。

一方、事務方は事務方で、尻馬さんにも直接交渉しに行ってくれた―――らしい。
以下、事務方さんからの経緯報告を抜粋すると、

事務方さんが交渉に行くと、尻馬さんは他のお偉いさん(←酔うと正義漢の例の人)と話(雑談)をしていた。
事務方さんはその場で、国際会議の話をした。
なお、過去の出席者でこそないが、“隠れ正義漢”は同じ分野の研究者上がりで、
該当国際会議の日本協賛団体の責任者だから、私の 「コメントお願いメール」 のあて先の一人だ。

その前で「わけのわからない国際会議」 「信用の置ける推薦がなくては駄目」 と言い切る尻馬さん。

正義漢参戦、「これはきちんとした国際会議ですよ」 (←意味:俺らの国際会議を貶すんじゃねえ)
      
尻馬応酬 「国費を使って出張するのだから、内容を精査して当然でしょう!!」

正義漢 「フェイクか否かが判断できず、外部に問い合わせるなど、研究所の恥さらしだっ

偉い人同士の戦いになってしまった、と、事務方はビビッていたが、
“隠れ正義漢”も大学の先生たちも、私は研究者としての仲間だから、
「ちゃんと謝っておくし、気にすることないですよ」、と、打ち合わせの合間にちょろっと返しておいた。

CCが送られていた(出張予定の)部下は、もっとビビッていたのは言うまでもない。 ごめんよ。


努力の限界

「君たちのための研究環境を作る」という元ボスと、
「難されない様、研究費が減らないよう、よい研究をします」 という研究者の関係が成立していたあとに、
「M省からの研究費を倍増しなくてはならない」、というミッションを抱えてやってきた新しいトップは、
どんな人がきても、さぞ、やりにくいだろう、と思う。

いけ好かない奴” とはいえ、役員を受け入れ過剰反応することで、研究費を増やした手腕は立派だ。
“尻馬さん”も、トップの言うことをすべて真に受け、遂行しているだけで、悪いことをする意識はない。

いけ好かないトップ” は研究者あがりだから、
いくら政権に腰巾着していても、研究者への話し方などは心得ている。
フェイク・カンファレンスの見極め方も、自分の分野に関しては心得ている。
それでも引っかかる場合がある、ということも、ちゃんとわかっている。
でも、“尻馬さん” が今更どんなに勉強しても、すべての分野について、見極めることはできない。
どれを照会しなきゃならず、どれなら即決で良いか、判断はできない。(たぶん、誰にもできない)
結局、個々の研究者が各分野で少し警戒心を持って、「有利だと思ったら出席する」 しかないのだが。


“隠れ正義漢” は、「旅費は勝ち取ったよ、いい発表してきてね」 というお気楽なメールを送ってきたが、
“尻馬さん” は、そんな研究者のネットワークがお好きではないらしい。 (ま、気持ちはわかる

“尻馬さん” に嫌われたかも―――



勉強しても、勉強しても追いつかない。 職位は高いが、孤独感も半端ないだろう。

やっても無駄かもしれないけど、“尻馬さん” には、何か恩を売るネタを探しておこう。
自分のためだけではなく、彼女の心が、少しだけ安らかになるように。