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(名古屋)常夏の名古屋で終身雇用について考える (8月27日)

昨日の涼しさとは打って変わって 
    (東京は熱かったそうだが、名古屋はさわやかだったのだ)
今日はピーカン。
木々の緑とも相まって、中部大学は真夏日です。

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そういうわけで、昨日は出向先である事務部門の関係で、
本来の研究セッションでなく、エグジビションで大学院生やポスドク相手の公演 (&展示会) を行ったのだが、

いくつか露わになった問題が........

 ①学生が就職活動を始めて、(企業等の)就職先を見つけるのは、主に最終学年前年の秋~春
 ②大学や研究所などいわゆるアカデミックポジションが、期限付き(1~5年の期間限定採用)なのに対し、
  企業は基本的には期限なしの正式採用。
 ③日本の社会は、期限付きの立場を不安定と感じる人が多い。

さて、大学や研究所の新人採用は、学位 (博士号) を持っていることが、応募条件になっていることが多い。
で、学位論文が通りそうかどうか (学位取得見込み、とか....) がわかるのは、最終学年の夏あたりである。
つまり、企業系に比べて半年の遅れがあることになる。

何があってもアカデミックポジションを目指すならともかく、
早く就職を決めて、卒研なり、学位論文に専念したいのが心情だろう。
研究所や大学が人を探すのは、遅すぎるのだ。
これはっ と思う学生は、すでに就職を決めてしまっている場合が多いようだ。
内定を蹴って、期限付きの立場である大学にこい、とはとても言えないし.......

おまけに、期限付き採用ということについても、かなりの問題がある。

日本の社会は、終身雇用伝説が消えつつあるとはいえ、
採用されたらよほど (企業人になったことがないので、実感としては不明) のことがない限り、
解雇されないという風潮がある (と、信じられている)。

ドイツでは、5年くらいの期限付きの採用が多く、そこで更新していくような形式のようだ。
私がよく滞在する研究所でも、100人のグループの中で、期限なしの職員は2,3人である。
つまり、ある期間一つのところに勤務したら、移動するなり契約内容を変えるのが当たり前なのだ。
(「そうしないと収入が増えない」.. のセリフは、終身雇用&定期昇給がないのが当たり前の彼らならではだ)

研究者は動いてなんぼ、、、という考え方もなくはない。
そういう姿勢の大学教授も多いし、一部の学生は大学院から海外の研究機関に出ていっているから 
                                  (私もその促進派です)
期限付き採用にアレルギーを示さない人もいる。

しかし........
学生たちの心配もわからないわけではない。
大学院を卒業すると、20代後半になっているのだ。

で、カノジョがいたりなんかすると、そろそろ結婚適齢期だったりして、
本人は期限付きのポスドクでいいと思っていて、カノジョのことも説得できたとして、
自分の親とカノジョの親が...................ぅぅぅ

日本では、上を目指して職場を変えるという考え方は、まだまだ普及していないのだ。
日本社会が、中途採用の場を十分に持っていないと言うこともあるし......

企業の経営状況が悪かったころは、彼らが基礎研究をやる余地はなかったから
大学や研究所への応募者が多かった。
期限付きとはいえ、企業よりも、安定していると考えられたからだ。

しかし、今は、違う。
優秀な人材が欲しいなら、完成 (学位取得) を待っていてはいけないのかもしれない。

考えさせられます......