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(米) 経済とマナーを考える

鍵記事にしようか、どうか考え中。

    米国は、贅沢で、新しくて、汚れている。
    EUは、質素で、古くて、それでも細かな手でほそぼそと清掃されている。


国や人種別に括って論じるのは、本来私は好きではない。
自分がそうやって括って論じられて、これまでロクなことがなかったからだ。
だから、他人に対しても、そういう括りは極力避けようと意識する。

それでも、それでも、と、思ってしまう。
米国や日本と、ヨーロッパ......おもにドイツやイギリスとの違い。
どちらが居心地がいいかというと、米国は、悪くはない。
米国では、現代東京の日本人である、自分にとって当たり前のマナーを恥じないで済む。
建物や、サービスの不便さも感じないで済む。

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米国で、ごみ箱があふれて入らなかったら、自分のごみは隣の床に積まれた他のごみの上に置いていく。
レジの長い列があって、新しいレジが開いたら、真っ先にそこに向かう。
床に放置された誰かのコーヒーを蹴飛ばしてしまったら、嫌だなあ、と思って踏むのを避ける。
すぐに大きな清掃車が入る。自分で拭くことはない。
24時間の店が多い。便利なことに夜中でもジャンクフードが買える。
夜中は清掃が入らないけれど、ほんの半日待てばいい。朝になればまた、清掃車がやってくる。
古くて汚れた建物は、徹底的にクリーニングをかけられて、インフラが時代に合わなくなれば建て替えられる。

ドイツの人は、ごみ箱に入れられなければ自分で持ち続ける。
後ろから、新しいレジに並ぶと、順番が違うと店員が文句を言う。イギリス人なら睨みつける。
自分のコーヒーでなくても、こぼせば紙を持ってきて拭く。
誰かがふいていれば、紙を渡す。自分の手を貸す。
素人が拭くから、そんなには綺麗にならない。シミの残るところもある。
でも、次の人は同じテーブルを使う。素人のふいた床の上を歩く。
少しづつ、だんだんに汚れていく。

ドイツの大方の店は5時で閉まる。週末も閉まっている。不便この上ない。
不便だけど、週末は街に出るとやることがないので、家にいる。
あるいは、人の手を必要としない公園に出かける。
家で調理したパンを持って。
だからドイツは、経済が発展しない。サラリーが低い。


東京も、ワシントンも24時間起きていて、24時間経済活動があって、次々新しい建物が建って、
便利を求める人と、便利を供給する人がいて、24時間お金が回る。
バブルはバブル、不況は不況で経済活動は止まらない。
それが、経済が発展していく理由なのだろう。

富を集めることと、富むことは違う。
金貨を山ほど貯め込んでいても、パンを買わなければ (パンが売られてなければ?) 餓えるしかない。
金が速く動けば、人々は富んだ暮らしができる。

日々壊していく環境の保護を声高に叫び、
税金を投入して保護システムを作り、印刷物と放送で啓蒙活動を行う。
お節介で、人懐っこくて、親切で、でも、スリや強盗、ギャングもいる 
                    (東京は親切ではないし、ギャングも少ないが)。
スリや強盗、ギャングの被害者への保険も、補償もしっかり準備されている 
                    (これも、東京はイマイチだね)。

大量に作って、大量に使って、大量に壊して、大量に立て直す。
大量に傷つけて、大量に癒やす。保護する。
発展していく (転がっていく?) 街。

景気いいよね(苦笑)


どちらが良くて、どちらが悪いのかは、私にはわからない。
青年の主張ならどっちを選ぶか想像つくが、
答えが一見、自明なようで自明でないことも、大人の私は知っている。

日本が、どっちに向かっているのかも漠然と想像がつく。


それでも、日本は狭い。風土的にはヨーロッパに近い。
だから、ヨーロッパの街で、郷に入っては郷に従え風に、街の習慣に溶け込むことができる。
米国人のように、不便だからと言って叫ばず、大人しく対応することを知っている。
便利な環境は好きだけど、無理なものは無理。ダメなものはダメ。そう考えることもできる。
ヨーロッパ人と同じように........

今なら....歯止めが利くだろうか?


空のコーヒーカップウェンディーズの紙袋を置いたまま、私は考える。
並びの椅子には、誰かが置き去りにした空袋が転がっている。
それに、ごみ箱までは遠い。
そのまま立ち上がりかけて、やっぱり紙袋を取り上げる。

自分で持ち運んで捨てることは、掃除夫の仕事を取り上げることになるのだ、
                        という論理も、一度ならず聞いている。
どうしようか? どうするべきか。
この場合はどちらが正しいのか。
 
ああ。そうか。
マナーを決めるのは、人ではないんだ。
きっとマナーを決めているのは、街と、ステージなんだね。