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正義ってなんだろう

昨日は早稲田の会議の最終日だったので、
セッションの合間に、久しぶりの友人とお茶 (ただし学内) したり、議論したり。

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この会議の研究分野 (物理とか工学という大枠でなくて、細分野) は比較的新しいこともあり、
年功序列の習慣が、完璧にと言っていいくらい“ない”。
その昔、有名な大教授のもとで、「自分の方が新しくて正しいのだ」 と言わんばかりに突っ張っていた、
やんちゃなな若手研究者たちが立ち上げた学会だから、
誰が発言しようと正しいものは正しい、間違っているものは間違っていると、
年齢によらず正々堂々と反対意見を言える風土がある。

もともと、文科系の学問に比べて、自然科学はそういうところがはっきりしているが、
私の分野は、特にそれが強く、
今となっては大御所な “かつての” やんちゃな若手研究者も、相手の意見を真面目に聞くからこそ、
相手をいなしたり、冷笑したりせずに、互角の言いあいをする。

異分野には、ここの若者を無礼だという人もいる。
    大御所のくせに、若手と一緒になって議論するのは大人げないと見なす人もいる。
でも、我々はこの風土で育ってきたし、この風土が好きだ。

しかし、研究所機関には、違う習慣が幅を利かせている世界もある。
正しい正しくないにかかわらず、歴史のある研究者の意見をひとまず尊重するとか、
反対意見があったとしても、それを直接いうのではなく、事前に仲介者を通じて話しておくとか、
まるで国会の代表質問みたいな手続きの必要な分野に、巻き込まれざるを得ない場合もある。

会議に参加していた我々、所属学会と専門はいっしょだが、それぞれ勤務先は違う。
国立研究所、企業、私立大学、国立大学。
それぞれの勤務先には、違う専門分野の研究者や教授がいる、違う風土を引きずっている人たちがいる。

そういう風土での戦い方もある。自分の意見を、誰の口を通して言ってもらうかがとても重要だから、
事前調整して、言いたいことを誰かに告げておくのだ。

それぞれの文化や風土だから、どちらがいいとか悪いとかは言えないのだが
            
でも、まあ......そういうわけで我々の悩み事は共通であることが多い。
我等の雑談は、夢ある自然科学と並行して、職場のボヤキ合戦だったりする。




しかし~ 昨日はちょっとボヤキでは済みそうもないような話題になってしまった。........

つい先ごろ、週刊誌をにぎわしたセクハラ事件 (傷害事件?) の大学に所属する友人に、
うんざりする話題を聞かされた。

   概略はこうだ。
   とある教授が大学1年生相手にディープなセクハラ&傷害事件を起こし (真相かどうかは審議中)、
   仲間の教授とともにもみ消し行動を行ったのちに (これは言い逃れできないだろう)、
   週刊誌に知られたのだ (リークしたのも同じ大学内からという噂)。

   その後、私の友人である准教授たちが、対策に追われている。
   自殺しないよう、やけを起こさないよう、女性職員である彼女が、24時間学生につきっきり。


怒りのまま、叫んでしまいそうになったが、当人が耐えているのだから、
怒りを発散させてエネルギーを放つのではなく、そのエネルギーを燃料代わりに、良策を考えよう。

「そんな職場、辞めちゃえよ」 と、思う (←良策だろうか?)。 
        同じセリフを誰かが口に出す。
            ・・・・・・・・家族にそう言われた、と笑っていた。
その人は素晴らしい研究成果を持っているから、ほかの職場に移ることも可能だろう。
でも、一応事件が収集するまでは辞めないんだろうな。そういう人だ。

「講義、ひとコマ代講してやるよ....」  
   「いいのかな。それだけでも、すごく助かる」 と、
             関係者の一人が、その学校の非常勤になる話が進む。

     こういう時に、研究者があふれている国の研究所は便利だよねw
     大学同士だと、なかなか融通がきかない。

週刊誌ネタの裏には、いろんなことがある。正しい記事なんて、どこにもない。
真相は闇の中だから、教授に悪意があったのか、事故なのか、その辺のことも追及し始めたら不明だ。
だが、行き場を失った好奇心と、バッシングは、形を変えて一番弱い被害者の女子大生に集中してしまう。

被害者を守る立場に立って、、加害者である教授や、その一派と対立しても、
もみ消し工作もその後の騒動も、すべて大学のやったこととひとくくりにされる。
総長が大臣経験者であることも、興味本位のマスコミには...... 災いしてしまう。

有名大学には有名大学の、弱小(失礼)大学には弱小大学の問題がある。
いずれも同様に苦労すると思っていたが、
今回は明確な被害者が、被害者である特定の学生がいる点が明らかに違う。

その人はしばらく、学会や研究会の手伝いどころではないだろう。
研究だって、滞ってしまうだろう。


「そういうことなら、今年度はいいから、しばらくしたらまた手伝ってくれ」
   「この学会から逃げられるとは思うなよ」
      「求人情報、流すから、前向きに考えてね(笑)」

パン、と気分転換に手を一つたたき、その場をお開きにして学会のスタッフに戻る。

講師から助教授、教授になりたての世代。
学生の時は、教授陣が喫茶店でつるんで話し合っていたら、遠巻きにしてたけどね(笑)



.........気分的に復活しないので、今日は現実逃避。

CDのペーパー版が完成したとのことで、知人から送っていただいた「白鳥王伝説」を読み始める。
もちろん、BGMはワーグナー

というわけで、表の記事は、ワーグナーとルードヴィッヒあたりにしよう。