ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

(北九州) ハズレがないなあ~

帰りの飛行機までに時間があったので、小倉周辺を、駆け足観光。

まずは、会議場に置いてあったパンフレットを手に、森鴎外の住居跡を見に行く。

イメージ 1

誰もいない。
観光客はおろか、管理している(見張っている)人もいない。

    門も扉も障子も全開。

    ご自由にお入りください。
    この先は靴を脱いでください。

          その程度の立て看板が立っているだけ。

屋敷自体は、コンパクトにまとまっていて、過不足ない感じがする。
華美ではない。贅沢でもない。文筆家ならではの気配というものも見つからない。

経歴を読んで、森鴎外って医学部出身で、軍医だったんだ~ と、
(作品をほんの少し知っているだけで)経歴などは気にしていなかったことに気付く。
猫が一匹うろうろしていたのが、のんびり感を誘った。


次は、モノレールをくぐって、紫川を渡って、小倉城小倉城庭園。
小倉城、何事かと思うようなモダンな形をしている。
下層階より、上層階が大きい。屋根の飾りも、なんとなくウェディングケーキ風だ。

しかし~ 中に入ってみてちょっと驚き。
そういう展示法を良しとするかどうかは、個人の好みに由るだろうが、
たいていの城跡が、昔の甲冑や武器の展示と(その説明だけ)なのに対し、
小倉城は内部を今も現役で使っている。

からくり人形を使って、当時の様子を説明するシアターに、
地元の工作品の展示会をするフロアがあったり、お茶会ができるような部屋があったり。
動く籠(大名籠)に乗れるようになっていたり(遊園地にある子どもの乗り物風だ)

イメージ 2

ちょうど紅葉が美しいことも相まって、かなり好印象を持った。

小倉城庭園もとても綺麗だ。
小倉城庭園の武家書院は、埋まっていたり崩れていた遺跡を掘り出したらしく、
当時の梁の場所から復元したらしい。
説明の女性のしゃべりが面白かったせいもあるが、小笠原礼法の説明なども飽きずに聞けた。


見学がセットだったので、ついでに入ってみたのが、松本清張記念館

ここもとても贅沢な作りで、中で、彼が原作の映画を見られたりする。
こんなにたくさん作品のある人だったんだ~
社会派の小説が知られているので、そのイメージで敬遠していたが、
記念館の説明では人気の推理小説家、と言った印象でもある。

  #正確に言うと、社会派の小説ということで敬遠していたのではなく、
  #(現代の社会問題を扱っているわけではない)過去の社会派小説は、
  #当時の背景を知っているか、習ってからでないと、その醍醐味を味わえない。
  #こういう時代で、こういう前提があって、こういう問題があったから、
  #この人の行動はこうなるのが自然であって、それを云々.... 
  #と小説のストーリーに関係ない解説がないとわからないし、
  #解説過多になると、感動するより、なるほど、と納得するだけになってしまう。
  #「これが、当時この小説がヒットした理由です」とわかっても、面白くない。

  #当然、似たような社会問題が現在も残っている事象もあるし、
  #過去で学ぶということもあるかもしれない。

  #ただ、私の印象としては、感動や面白さにいたるのが遠回りなのだ。

 

推理小説と、社会派といわれる小説と、古代まで遡る歴史小説と……
清張氏の出版物が並んでいるだけではなく、
記念館には清張氏の仕事部屋が再現(運んできている)されていて、
彼が集め持っていた膨大な資料を、その保存庫ごと眺めることができる。

彼の小説は、多岐にわたっている…………
その多岐にわたった小説を書く上で必要な知識基盤を、彼の大量の蔵書が裏打ちしているのだ。


我々科学者は、ときとして、専門バカであることを恥じない。
専門を深く掘り下げていれば、他は知らなくても構わないという甘えと、
専門バカくらいの方が、専門に対しては玄人なことが多いんだよ、という間違ったプロモーションのせいで、
広い範囲の知識を求めようとしない。

松本清張の博識ぶりとそのバックアップである蔵書を見て、
専門バカを気取ること (自分がどうこうばかりでなく、そういう大学や研究所の風潮全般) を
少し恥ずかしいと思った。

私は、清張氏の小説を、一冊も読んだことがない。
というわけで、ミュージアムショップで一冊、文庫本を購入した。
気に入るかどうかわからないが、読んでみようと思う。



日暮れの少し前に、清張の記念館を出た。
ホントに、神社、多いなあ.....

イメージ 3


と.... これは何 (写真の右端)?  建物の屋上にも、鳥居? 神社?
 
 ..........お墓を潰して、ビルを建てたから、上に祀ったって..... 
 マジですか?? 
   (工学部教授のおっしゃることだから、だまされたのかもしれない)



*後日追記。

 神様は横方向に移動させるとお怒りになるけど、縦方向に関しては寛容なので
 神社などをビルの上に持っていくのは良くあること、だそうな。
 やっぱり天から地表における座標(緯度経度)を定めて降りてくるのだから、
 緯度と経度はずらしちゃいけないけど、標高はかまわん、と。

 案外ロジスティックだったんだな。