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それはちょっとね.....

学位論文を受け取ってもらえなくて、死んでしまった学生さんがいましたね。
http://www.asahi.com/national/update/0513/TKY200905130174.html

何度注意しても警告しても、学ぶ姿勢を見せず、留年させたら自殺しちゃった、
みたいな大学生も多々いる一方で、
庇う方向に流れがちな大学側の調査ですら、教授側に非があると判明するケースもあるのですね。
確かに、大学には横暴で怠惰な教授もいますし、
大学によっては、そんな教授にも隣の研究室の教授が意見できない、風潮もあります。

  #我が研究室では、D2の学生が、「いくらなんでも見ていられない」 と言って
  #別の研究室の4年生を拾って (?) きたことがあります。
  #11月に卒研のテーマが決まっていなかったその4年生は、奇跡的な追い上げを見せ、
  #大学院行ってもよかったかなあ、との言葉とともに就職していきました。 

  #私は研究所の所属ですから、基本的に学部学生の卒研は見ません。
  #「僕がみますから」 と言って、拾ってきたD学生もあっぱれだったし、
  #それに応えて、夜中まで文献を読み、実験していた4年生も偉かったと思います。
  #別の大学に出す卒業論文でも、添削くらいはやってあげようという気になります。

  #大学や研究室に意見する立場ではなくても、掬いあげられる人は掬いあげたいと思いますが、
                                      (救うとは言い難いw)
  #そんな掬い方では、ごくごく一部にしか、助けにならないのはわかっています。

難しいものです。

難しいはわかっているものの、一方で、
身の回りの学生さんたちが、教授に見切りをつけて別の研究室に移動していったり、
自分で奨学金にアプライして留学したりするのを見ているだけに、
自殺してしまった学生さんも、何か他にすべき行動がなかったのかと、残念に思います。

そもそも、教授が忙しすぎて、学生が大学で面倒を見てもらえない、と言うのは
少なくとも私の分野ではピンとこないのです。
教授が忙しい理由は、学会活動など学外にいることが多かったり、大きな予算を使っていたりですから、
そういう活発な研究室の常として、ポスドクや技官などスタッフがたくさんいるのです。
学生にちょっとその気があれば、助けてくれられる人は大勢います。

もし、教授が見てくれなくて、代わりに助言をくれるスタッフもいなのなら、その研究室に価値がありません。
上記の移籍学生さんたちは、価値がないと判断して移動してきた人たちや、飛び出していった人です。
面倒見の良い教授でも、性格や研究の仕方がどうしても合わない場合もありますが、
そんなときでも、移動は可能だと思います。

自殺記事からの関連リンクで、迫害されている、または迫害された学生のコメントが載ってましたが、
「だから私はダメでした」 「諦めました」、系の記事が多くて、がっかりしました。
私がうまくいかなかったのは、こういう理由でした。と言う、いいわけ系、ということですね。
ポジティブシンキングという言葉をはき違えている人も多かった。

教授に、このままでは留年だ、と、こっぴどく脅されて、落ち込んで登校できなくなってしまうのに比べれば
 「学位とれなくても、三年間遊べたんだからいいや」 
         と考えるのは、確かにポジティブなのかもしれません。でも
 「黙って留年させる教授じゃなくて、注意してくれてよかった」
         と考えて、軌道修正してはじめて、ポジティブに動いたと言えるのではないでしょうか?



さて........

30代後半の方でした。
大学院にいたのですが、学位の取得見込みがないので辞めたそうです。
働きながら学位を取りたいということでしたが、

1.給与の面での話では、
 「生活が安定しないと、学位論文も書けないので、それなりの給与が欲しい」
2.奨学金に応募しては? と言う助言には
 「親の収入や、年齢制限に引っ掛かって、応募できない」
3.フンボルト他、海外の奨学金は日本からも応募できるし、年齢制限ありませんよ?
 「英語が苦手です」
4.在籍している年数に比較して、論文数が少ないようですが、何か理由はありますか?
 「うちの研究室は、みんなこの位でした。書いてない人もいます」
5.給与は仕事に対する対価なので、学位論文書く時間ないかもしれませんよ?
 「でも、この年齢で、バイトの立場はおかしいと思うので、正規雇用を希望します」

1はわかるにしても、2の親の収入を云々いうのは30代後半男性としては 「?」 です。
最近の理系研究者なら、英語力は必須です。3の苦手を認識していながら
長年放置したというのも就職面接でいうべきことではありません。
4で、自分以下の人しか見ていないというのもいただけません。
自分の年齢を認識する5で、確かに日本では年功序列の世界もあるでしょうけれど、
研究職は実力に合わせて給与は支払われるので、学位取得後1年なら、27歳でも37歳でも同じでしょう。
また、成果も研究従事年数で割って、標準化して審査するので、年上が有利と言うわけではないのです。

語学が苦手でも、姿勢がちゃんとしていればまだよいのですが、
一般的に、この方が研究者として就職するのは難しいように思います。

教授の面倒見が悪かった、と、彼は言っていましたが……