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読書録 『朱夏 警視庁強行犯係・樋口顕』

今野敏 『朱夏 警視庁強行犯係・樋口顕』 新潮文庫 読了

あらすじ代わりに、ひとまずアマゾンのレビューなど。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101321523/kokoronooas0c-22/ref=nosim

他人の目が気になって仕方のない樋口は、その押しの弱さを落ち着きとみられて、
警視庁での信頼が篤い。それを本人は飼いかぶりだ、と心苦しく思っている。

そういう刑事が主人公のシリーズ。

警察組織うんぬんよりも樋口が悩んで、暴走して、瓢箪から駒式に犯人を捕まえる感じ。
そのプロセスは、前作の 『リオ』 の時と同様で、『リオ』 の読書録も決して好意的ではないw
前回に引き続き突っ込みどころをリストアップすると、
 ・犯人が怪しく目立ちすぎ (あんまり早々と怪しいので、ミスディレクションなのかと思った orz)
 ・奥さんが誘拐されたら、脅迫電話に備えて自宅の電話を取れるようにしなければならないと思うのだが、
  氏家と一緒に出ずっぱりで、家に戻らないって、どういうこと?
 ・警官が犯人だったわけだが、まず、怪しいとなったときに、彼の勤務表を見るのが初めじゃないのかと。。。。
 ・最後、痛快なシーンにしたかったのかもしれないが、犯人逮捕の報告を一晩公安にしないでおくのは変。
 ・そもそも、何のために警察小説にしたんだろう? 少なくとも今回は、樋口と氏家が警察官である必要はない。
 
もっとも、現在樋口顕のシリーズで出ている3部作の中での評価は、『ビート』>『リオ』>『朱夏』のようである。
3作目から読むのも何なので、順番に読んでいるだけなので、3部まとめて感想にしたほうがよかったかなw
私は 『隠蔽捜査』 が気に入って、この人の作品を読み始めたのだが、
どこの評をみても、『隠蔽捜査』 と肩を並べるのはビートだけだ。
次作に期待~ 


そういえば、木原敏江の漫画で、朱夏と言う名の能役者か狂言師がいたような気がする。
話の骨はどうでもいい感じだったが、遠見 (遠近法の利用で舞台に奥行きを持たせる) や、
四番目物のサルやキツネの動き、土蜘蛛の糸が綺麗に放たれるように薄い紙をテープ状に巻いて使うなど、
舞台を工夫するシーンがあって、妙に印象に残っている。

イメージ 1

              写真は土蜘蛛の放糸シーンでいちばん派手だったものを拾いました。
              どこかの観光協会だったかと。