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(加筆しました)年齢と役割について

 
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某女性研究者団体の、理事になることになった。

他の理事の方々は、学長だったり、名誉教授だったり、女性研究者のフロンティア的な立場の方々である。

   わたしには無理です……………
               つうか、嫌です。

理由はいくつかある。(思いつくまま書いているだけで、箇条書きのつもりはない)

● ただでさえ研究と家庭と忙しいのに、男女共同参画の活動をさせられていること自体嘆かわしい。
  これ以上、仕事を増やされてたまるか。

● 女性ばかりが集まって権利を主張していく、こういう組織の行動パターンが苦手。
  性別にかかわらず、組合や現場など“思惑が同じだと信じている当事者”が行う交渉が
  そもそも苦手です。
 
   #わたしの所属している学術学会は、その専門性の特徴なのか、
   #同朋意識、先入観があまりなく、“様々な個人の考え” を尊重してくれるので、居心地がいい。
   #そのせいで、物事を決めるのに、ひどく手間がかかるにしても。

● 団体の中では意見の合う人ばかりではなく、それの調整が面倒。
  相手が女性の場合、反対意見をビジネスライクに処理するのがうまくいかないことが多い。

● そもそも、あまり女性研究者の権利の拡大や支援を行うことに意味を感じていない。
  家事のために会社で働く時間が短いなら、見合った給与しかもらえなくても当然ではないか?
  と、思うのは、彼らに言わせると時代に逆行しているらしい。

● 早めに結婚して(世間一般的には早くもない)、子ども産んで(世間一般的には多くもない)、
  男に頼れるなら頼っちゃった方が楽、と思ってるのは、
  働く女性としての意識が低いと、苦言をいただいたこと数々。

● この件にかかわらず、自分が苦労してまで、世の中を変えようとか、環境を変えようと思っていない。



(6月11日追記)
なんだかいかにも投げやりっぽいのと、鍵コメントが来たので念のために加筆。

● 権利主張や、支援要求に関して、熱心さのあまり暴走気味の意見が出たり、
  感情に任せた行きすぎの要求が出たときに、それを調整するのが難しい。

  #行き過ぎの意見を押さえると、場合によっては敵扱いされる。
  #しかも元の同志との意見が割れた場合に、かわいさ余って……という状態になることがあるのを、
   経験的に知っているから、特にやりにくいと思うのです。



はからずも、こんな記事を見かけた。
内閣府の意識調査によると「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という質問で
 女性の賛成派は20代が60代についで多いという結果が出た。ちなみに、反対派が一番多いのは40代である。
「自分が輝くための仕事すらもういらない、仕事をしなくてもいい男と結婚したい」というのが今の20代なのだ。』
     http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/student_jobhunting/?1244603726

憤慨していた同僚もいたが、私には、若い女性たちの意見がわからないでもない。
働くのは、よほど幸運な一部の人除いては、好きなことばかりやっているわけもなく、楽しいことでもない。
自分を磨ける仕事なんて、そうそうあるわけもない。
嫌な仕事をするくらいなら、専業主婦の方が楽っぽいよね。
まあ、仕事をしなくてもいい男に選ばれ、自分の望みの贅沢をするための努力を、
自分ができたかどうかの疑問はあるが。



私は今の研究の仕事が好きだ。楽しいから、働いている。
研究を続けるために必要だが、私にとっては重要と思えない仕事も、まあ、ある程度は我慢してやっている。

で、その一方で私は人種差別が嫌いだ。
有色人種だから、同じ仕事をしても時給が低い、なんてことを聞くと、腹立たしいと思う。
同じ理由で、女だということで私の仕事が軽視されるなら、それは腹立たしい。
しかしながら、それは私個人を認めて貰えばいいことだ。
「女性は云々....」 という軽視理由なら、 「わたしは一般的な女じゃないんです~」 と、
他の女を切り捨ててしまうことも可能な訳だ。

玉石混淆のすべての女性の立場を認めさせるなどという、大それた議論はごめんだ。

 「それじゃあ、自分だけ良くても何もならないじゃない」 と、非難されることも多いが
 自分のことを自分がやって何が悪い。 貴女たちも、自分が最良と思う方法で交渉しろ、と、思う。



(6月11日追記)
これも程度問題ではあるのですが、誤解を受けそうなので、加筆します。

女性研究者を取り巻く完全ではないシステムには、いろんな方法で対応するしかありません。
対応方法は、個人によって様々です。 
私に最適なものが、他の人に最適とは限りません。

例えば、私はベビーシッターを使ったり、清掃業者を使って家庭を切りまわしていますが、
その金額以上の残業代が出たり、生涯収入が上がるとは思っていません。
ですが、やりたい研究を行うために、自分への投資のようなつもりで、ポケットマネーを使います。
もし、価格が折り合わなければ、残業をしなくなるでしょう。
残業をしなかったことで業績が不十分だったら、(それはやり方がまずいと考え)昇格が遅れても諦めます。

ベビーシッター代を要求すべきだと言う人もいます。
しかし、ベビーシッター代を研究費(?)から出すシステムを作るには、また、時間がかかります。
私は、ポケットマネーを出すことは躊躇しませんが、
これからの人たちのためのシステム作りのために、自分の時間を費やそうとまでは思わないのです。

ダイエットを例にとるとわかりやすいかな。

 ・思う存分食べたい。
 ・運動や、エクササイズはしたくない。
 ・若いころの体型をキープしたい。
 ・脂肪吸引などのお金もかけたくない。

すべてを満たすことは不可能です。
自分で、どれに重きを置くか選ばなければならず、どれかは諦めるべきだと考えています。
女性研究者に関しても、どれを選ぶかは、個人によって違うと思うのです。




と.......言うわけで、私の考え方は女性研究者団体の活動に向いていないのだが....



実を言えば、数年前から、理事の話は来ていた。
そろそろ、断りきれない、という覚悟もあった。
推薦者を見ると、名だたる先輩研究者が多勢に無勢である。 頭の上がらない人もいる。

仕方ない。

とりあえず、1年だけ。
戦わない女性研究者を目指して、顰蹙を買う覚悟で、理事を引き受けようかと思う。
学生たちの就職に、少しは有利なこともあるかもしれないし。



私が研究者になったきっかけ、というより進学したきっかけは、
ある女性教授が、ものすごく楽しそうに研究の話をしてくれたからだ。
当時、日本語が少しだけ不自由だったその人は、エキサイトすると英語で、
数々のテクニカルタームを混ぜて、夢のような研究計画を話してくれた。
話は半分くらいしかわからなかったが、卒業研究をしたり、院試の勉強をしたりするときに、
あんな将来に繋がるなら、と、ドライビングフォースの一つになってくれた。

彼女は偶然私と同性だったわけだが、あまりそれは関係がなかったかもしれない。
彼女が結婚しているかどうか、大学の中でどんな立場かなど、当時の私は気にもかけなかった。

その後、文科省の顧問をやっていたり、学術会議の会長をしていたり、女性研究者団体の幹部をしていたり、と
彼女が、大学の外で華々しい活動をしているのを知るのだが.........

「研究成果の将来性を見据えるように、働くことは、自分が社会に対して、何ができるかを考えること。
 頭を使って研究をすることが、一番自分を有益に使えると思うなら、進学しなさい」

おかげで、今も私は、彼女が学位をとったというアイルランドが好きだったりする。
彼女は大学をリタイアしたが、客員教授などなさって、お元気なはずだ。


……… どこかで時間を見つけて、彼女に会いに行きたいと思う。
 


タイトルの件について言及していないが、言わんとしようとしたことは伝わってるかな (^_^;