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女性研究者の雑感

昨日.....出張から戻ったの、遅い時間だったんだけど...........
                   などと泣き言を言っても始まらない。

昨日に引き続き、今日もダブルブッキング。
今日は研究所で行う研究関連のシンポジウムと (←しっかり自分の発表もある)、
『女性研究者支援システム改革プログラム事業合同シンポジウム』というもののハシゴになった。
           http://www.nihon-u.ac.jp/research/careerway/godo.html
後者シンポジウムは、“急遽” 政府に出す要望書がらみの記者会見を入れることになったりなんかして、
スタッフの方はとても大変だったそうだ。
昼過ぎまでナノサイエンス系のシンポジウムで、浮かれて自分の研究を売り込んで、
もうひとつのシンポジウムに到着したときには、すでに4時すぎ。
記者会見があったから会場が変更になったんだよ~と、控室でぐったりしたスタッフに迎えられた。

それでも、折角来るには来たのだから、と、斜め向かいの会場に向かう。
 顔見知りの方たちに、 
   「登録してたのに、見つからないから、何かトラブルだったのかと思った」
   「どこにいたのよ、さっき探したのよ」
         ………今、来ました、とは言いにくい(苦笑)
       会場が騒がしいのをいいことに、笑顔でごまかし。 <こらこら


シンポジウムを反映したパブリックコメントにつながるような記事でも書きたいのだが、
そういうわけで、ほとんど聞くことができなかったのだ。

まあ、だから、女性研究者支援事業に対する、個人的な雑感などを少々。

以前も書いたような気がするが、私は実のところ、
   「なぜ、女性研究者を増やさなければならないのか?」が分からない。

研究者の総人数を増やすために、(男性だけでは足りないから)女性も入れよう、というのならわかる。
そのための、女性研究者の職場環境改善ならば理解する。
また、研究者のレベルを上げるために女性も入れよう、というのもわかる。
そのタイプのものなら、直感的にわかる。

  男性研究者100人と、女性研究者50人の中から、上位100人を採用する会社を考えたとき、
  会社に女子トイレがないからと男子をペケまで採用するより、
  性別にかかわらず上から100人を選ぶほうが、会社としてはお得だろう。
  毎年毎年それを続けるくらいなら、女子トイレくらい作るだろう。

ただ、女性研究者の人数を○○人にしましょう、そのための改善、というのは理由が不明だ。

他国と比較して女性研究者の割合が少ないから、とか、国の方針だったから、と言った以外に
さしたる理由が見当たらない。
いや、考えればあるのかもしれないけど、直感的にポーンと出てくる理由が見つからないのだ。

  せめて、○○年度の理系大学(or大学院)卒業の男女比が○対○だから、
  この世代の研究者の男女比を、こうするべきだ、という定義付けくらい欲しい。
  家庭や子育てで、女性のほうが仕事実績が少ないのが当然だ、というのなら、
  その年数を卒業年からシフトして計算すればいいのだ。

女性ならではの研究の切り口を……などと戯言をいう OLD BOYS (←古い考えの人たちの意味で)もいるが
現在の日本の教育システムと採用方針、研究環境にそのまま適合する女性研究者は、
女性ならではの視点など持ち合わせてはいない。 (←私的印象ですが)
だいたい、女性ならではの視点とは具体的に何なのかも、私には分からない。

 #「女性ならでは」のメリットがあるかどうかは、自分で探しているところもある。

    ##男性にはない、女性ならではのメリットが明確にあるなら、
    ##この手の予算を請求するときの説得力にもなるはずだ。

 #ちなみに、大学時代や高校時代の友人と話していて気付くのは、(ある程度年をとってくると)
 #家庭を持ちながら仕事をしている人、家庭を持っている人、仕事だけしている人、の順で、
 #「複数のことを同時に考えること」が得意なようなきがする。
 #この場合の家庭、というのは、家事のことと一致しているのかもしれない。
 #子供の様子に気を配りながら、複数のお鍋を火にかけていて、途中で電話がかかってくる、とか
 #そういうのに慣れていると言うか……
 #脳のテンポラリーファイルの容量が大きくて、そのファイルがすべてアクティブな気がするのだ。
 #複数のパラメータが同時に動いて、それぞれに気を配ることなんか、うまく処理できそうな気がする。

 #OLD BOYSに 「女は気を配るのが得意」 と言う言葉をうまく使うといい、と、
 #そして、理由をちゃんと説明できるように入れ知恵してみようかなw

女性が研究者になるための環境改善のため、「女性ならではの、、、」という言葉が、
OLD BOYS への説得力、そして彼らから行われる世間への説明として必要なのならば、それもいいだろう。
一般市民には縁遠い、そして人数も少ない研究者という職業の中の、
これまた僅かしかいない女性たちに支援したければ、何か魅力的な言葉が必要になってくるだろう。
というのも、研究者に関しては、職業選択の自由が奪われていたような気がするのだ。
小学校のときに、理科好きな子の男女比が、6:4(←適当な値)だったからと言って、多数と少数に分け、
男の子は理数が得意で、女の子は苦手、という、デジタル解釈をして社会システムや職場を作り、
研究所に女子トイレや女子更衣室を作らないことにより (←もののたとえです)
4割の女の子の進路を、絶ってきていたような気がするのだ。
進路を断たれた女の子たちは、よほど我の強い人か、反骨精神の強い人、
あるいは家庭環境や資金面でよほどラッキーな人しか女性研究者として生き残っていない。
その状態で、研究者への向き不向きとして、男女を比較されるのも不本意だし、
そういう特別な女を、女性が研究所に来た場合には、と、考えられるのも自然とはいえないだろう。

日本には確か、職業選択の自由というものがあったはずだ。
女性研究者の人数割合を、ほかの国と違うからと言って、無理に合わせることはない。
ただ、研究者になりたい女子大生や、科学に興味のある女の子が、
そのまま興味を持ち続けられるように、研究環境を整えていくべきなのだと思う。



会場に、外部資金攻略法(←正しくは『研究資金獲得法』)の塩満氏を発見した。
    http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/book_data/search/9784621080504.html
私は以前、上記の著作を贈っていただき、その攻略法を忠実に反映して、
二つほど競争的な研究資金をもらっている。
あいにく、それほど大きなものではないのだが、プロポーザルを書く時間が十分に取れないときに、
図に凝るよりは、キーワードをきちんと踏まえてストーリーを作ろう、という意識が強くなった。

だから、今日こそ奢ろう! ちょっとだけでも、お茶に誘おう。
            関連記事 http://blogs.yahoo.co.jp/green_zebra_2008/22569769.html
と、思ったのだが........
  「利害関係のある立場になっちゃったから、割り勘ね~」
       「え……… orz」 

固いなあ (苦笑) たしかに、公的立場にある人の鏡ではあるのだけど。
これはもう、手料理でも作るしかないのかなあ。
でも、海外留学してた人だし、すごく料理上手だったりしたら、どうしよう。

いいや。 彼女と話すのはとても楽しい。
彼女がとても元気な時でも、少し大変そうにしているときでも
話をすると、こちらの塞いだ気分が払拭され、元気がもらえる。


チビのお迎えがあるからと駅に向かう私に手を振って、
彼女は、「ちょっと職場に戻る」と、すっかり暗くなった歩道を歩いて行った。

反骨精神、強さ、それから優しさ......彼女の持っているいろんなものを、私は知っている。
後ろ姿に敬礼でもしたい気分だった(笑)