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「休みなさい」

   compliance を辞書で引くと、
   命令、要求などに従うこと、経営(企業内での)法令遵守
  (追従的な)素直さ、卑屈、協力;服従  ………となっている。
 
  で、日本の流行り言葉としての コンプライアンスとは、
  意味的には1番の「法令遵守」と訳され、法令を順守することであると解釈されている、ことが多い。
  
  一方、行政書士等法律の専門家によれば、「コンプライアン」とは、「守る(従う)」という意味とともに、
  「応える(応じる)」という意味も含まれ、「法令を守る」とともに「法令遵守の期待や要求に応える」と
  解釈する方が、より正確。とある。
 
       日本のコンプライアンスはそういう意味でないとまで開き直るのなら、
      いっそ日本語風造語を作ってくれればいいのに、と思うのだが、
      その辺の日本のマスコミとお役所の風潮は、いかんともしがたいので、ここでは黙っておく。
 
さて、我々が日々接している、日本式造語的のコンプライアンス
私の周りで、思いつくことと言ったら、、
 
   ・スーパーで売られている商品が産地偽造や、賞味期限偽造などにをしない とか
   ・クレームや欠陥商品の問題を揉み消さない とか
   ・自分の仕事的には、メーカーさんからの接待を受けないとか、金品を貰わない(贈収賄の禁止)とか、
   ・仕事上知り得た情報を、不用意に広めない(守秘義務)とか、
   ・部下に余計な仕事をさせない、セクハラ、パワハラをしない、とか
 
色々あるのだが、普段、研究所で一番言われているのが
 
   ・勤務時間をきちんとすること
 
サボってはいけない、ということではない。
   #もちろん、サボることもいけないし、サボりじゃなくても、何かの理由で講義を休んだら、
   #必ず夏季休業中などに、補講をしなければならないのだが、
忙しい製造メーカーさんや、大学、研究所勤務の我々がつい、やってしまう法令違反は、
指定された休みを充分にとらいない、ということだ。
 
今日び、仕事をさせておいて 「有給休暇をとったことにしなさい」、などという上司はほぼいない。
休日出勤をしたら、その分振り替え休日をとってください。 と、言われる。
我が研究所の場合、有給休暇の消化が少なくても、それほど文句は言われないが、
休暇のうちのいくつか (子供用の子供休暇や、家族の介護休暇など、年数日程度の特別休暇) は
政策的に使ったほうがいいから、特別休暇は用いる。
 
   #紛らわしいが、有給休暇は年20日とか30日の目的を問わない有給の休暇で、
   #特別休暇の方は、特別の理由(夏季休暇や病気休暇)の時にとれる。これも有給である。 
   #特別休暇も有給休暇も休みだし、休日出勤の振り替え休日を子供の通院に充ててもいいのだが、
   #それだと研究所側に、どのくらいそれぞれの特別休暇が必要とされているのかが分からない。
   #今後必要になる人のために、それらの特別休暇システムをなくさないためにも、
   #実際に介護や育児等目的が明確な時は、それとわかる特別休暇を申請する方が良いとされる。
 
すると、有給休暇と振り替え休日が使い切れずに残っていく。
 
昨日行ってきた男女共同参画学協会連絡会のシンポジウムで、
  (学会間で男女共同参画などについて、歩調を合わせたり、政策を進めるよう政府に申し出るための組織)
ある学会代表者が、男女研究者の一週間の仕事時間をグラフ化していたが
未婚男性研究者、未婚女性研究者、既婚男性研究者、既婚女性研究者、子供ありなし
アンケート結果を信用すると、職場での仕事時間と、在宅での仕事時間の和が
     一週間で58時間から67時間の範囲に入る。
職場での仕事時間が短くなれば、在宅でそれを補う時間数をまかなっているということだ。
 
   #その学会の代表者は、アンケート結果から、   
   #「子供のいる女性研究者は、家事をやりながらも自宅に仕事を持ち帰ってやらざるを得ない」、
   #「おまけにそれは、ポスドクなんかの方が大変なんだ」、という結果を導いたつもりらしいのだが、
 
発表の後に、企業からの参加者が一言。
  公共の席でそれを堂々と言えちゃうって、コンプライアンス的にどうなんでしょう  
  
企業の場合、週40時間というのが決まっているので、
それを極端にオーバーするのが平均値というのは、あまりにもまずい、というのだ。
言われるまでもなく、確かにそうなのである。
大学や、研究所の集まりだと、ついついそのあたりはないがしろにされがちなのだ。
ついでに言うと、文部科学省経済産業省サービス残業に慣れきっているんだよね。

その時、会場からは、笑いが上がった。
私も笑って見せたし、私の隣にいたアンケート結果の発表者は笑って舌を出した。曰く 「まだまだ、だよねえ」
 
女性研究者の予算に対しての質問が来て、政府の役人である登壇者が答えをはぐらかしても、
次は質問の仕方を変えて、逃げ切られないようにしよう、と考えるのみで、それほどの怒りはわかなかった。
シンポジウムの方向性とは違う回答もいくつか出ていて(←私もその一人だけど)、
懇親会の時に仲間から 「裏切り者ぉ」 なんて、声も上がったが、それでもよいのではないかと思った。
こぶしを振り上げるばかりの勇ましいシンポジウムではなく、
がむしゃらな人以外も参加できるようになったのは、それだけ裾が広がったことだと受け止めた。
 
何から何まで、男女同じにすればいいというもんではないのだから。 冷静に考えろよな……と、思う。
 

 
日本は、データを集められている先進諸国の中で、研究者の女性割合がダントツに低い(13%程度)。 
数年前は、下から二番目で、最下位は韓国だったのだが、現在は韓国に抜かれで日本が最下位だ。
政府は女性研究者の支援と割合を増やすために、補助金やら政策やらを打ち出してきた。
ところが、最近、その揺り戻しが来ていて、そんなに支援する必要はないのではないか、と
補助金やら、設備基金やらが削減対象になっている。
行きすぎ部分というか、ここにはお金をかける必要があるのか、と思うものもたしかに無くはない。
ただし、揺り戻しも何も、その躍起になっている最中に、最下位への転落したということを、
もう少し真面目に受け止めてほしいとも思うのだ。
揺れるどころか、ほとんど動いてない、目に見える効果が出てないのが、わかってるのかな。
いや、ここまでお金をかけても、やっと現状キープなのかもしれないし。 (実際、ちょっとだけ落ちた)

 
…………国によって、働き方が違う。 文化も違う。

出張先のドイツで、ゆったりした仕事の仕方をしてきた後に、
日本で長距離通勤 & 会議漬け、子供の行事がたまっていたりすると、ウンザリする。
研究者一人が出す研究成果が、ドイツと日本で、それほど違うわけでもない。
日本ではなぜ仕事時間を長くしなければいけないのだろう、と、困惑する。
 
同じ研究者でも、いろんな分野があって、いろいろな考え方がある。
女性研究者の取り扱いについても、いろんな考え方がある。
だから以下は、私の考え方だ。 シンポジウムの方向性とは、無関係のものとして読んでほしい。
 
すべての研究者、社会人が、仕事の時間とは別に、自分のプライベートな時間を持てる社会であれば、
そのプライベートな時間の中で、家族サービスをしたり、子供を育てたりができる。
自分の時間はすべて会社に捧げます、24時間研究者です、大学教員です、という男たちと競うのでは
子供がいて、仕事にすべての時間をささげられない女性研究者が不利なのは当たり前だ。
そして、その不利な女性研究者を不利でなくするために、国のお金を出して、働かせてあげよう、としている。
 
      私は、NOと言いたい。
 
      女性研究者支援の外部資金を貰って、ミッションステートメントで、〇〇年までに〇〇をなす、
      と決められている時ならともかく、私は今は、その仕事についていない。 
      だから、今は別のミッションで働かせてもらう。
      のんびりしていること、ゆったりしていること、がむしゃらにしなくても仕事を続けていけること、
      そんな私がいることで、研究者を志望する女の子がいるのも、事実である。
 
      トップを目指す女性研究者が必要、優秀な人、どんどん指導者側への採用を、と
      そんなことに国費を費やしているようだが、
      なんだかなあ、そんなに大変なんじゃ、自分は研究者には向かないかな、と
      そういうふうに思っちゃう大学生の方が、多いのではないかなあ、と思う。
 
      モラトリアムで大学院に行った人や、
      企業で時間を決めて働くのが嫌、と思って研究所や大学に就職した男子生徒でも、
      後に、何らかのきっかけで優秀な研究者として名前を馳せることもある。
      やってみたら面白かった、という人がいないわけじゃない。
      そんな余裕の就職先としては、女の子は研究者を選べない。
      それってさ、もったいないよね。 
  
      と、第一希望でもなく、気楽に研究者になってしまった私は思うのだ。
 

 
そういうわけで、というか
秘書さんに、いい加減振り替え休日とってくださいよ~ と頼まれて、本日はお休みにしました。
 
       このところ、何度も 「明日は振り替え休日にする~」 と言いつつ、
       メールで呼び出されたり、自宅でできない仕事があったりして、休めない日が続いてました。
       週末の会議があまりにも多いので、振り替え休日もたまっていくばかりです。
       今日のは………8月の週末出勤の分です。  あと、何日あるんだ

なお、ブログで見かける小学校の先生が、代休や振り替え休日なんて言っているのはうらやましい、
振り替え休日など、教員はとれるわけがない、と怒っているのを見て、
知人の小学校教諭に聞いていみました。彼も、週末に仕事をしまくっているように見えます。
 
  「子供の夏休み中で、これといった用のない日にとってるよ」 
 
あれ? 夏休みって、学校の先生は休みじゃないってよく言ってなかったっけ?
 
  「子供が学校にいない日の仕事は、決まった日でなくてもできる。
  君らだって、会議のない日や、別の日にしてもいいと思う仕事だけの日から、
                      振り替え休日の日を選んでるんだろ、小学校だって同じだ」
 
うん。 まあ、そんなもんかな。 
それにもともと生徒の夏休みが、教員の夏休みでもあったら、振り替え休日にカウントできないもんね。
そっか、、、振り替え休日を、夏休み期間に集めてるのか、先生方は。
 
皆さんも、上手く休んでくださいな。
 
 
疲弊するほど働く人たちと、
働きたいのに仕事を持てない人が共存してるのは、
なんか、間違ってると思うんだよね。