ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

虹色のおもちゃ箱

部屋の隅に、黄色い積木がいました。三角です。 
  棚の上に、青い積木と、緑の積木がいました。四角と、長四角でした。
     床の絨毯の上に、赤くて三角の積木と、赤くて丸い積木がいました。 
 
その少し離れたところに、オレンジ色の積木がいました。星形かな。 
子供部屋のベッドでは、小さな男の子が、菱形の積み木を握りしめたまま眠っていました。
                                                お気に入りなんですね。 
 
積木たちは、自分たちが入る箱が欲しいな、と思いました。
このままでは、バラバラにはぐれてしまうかもしれません。
              だから、おもちゃの神様に頼みました。 「おもちゃ箱を、作ってください」
 
おもちゃの神様は考えました。
でも神様は忙しくて、一つ一つのおもちゃのことを良く知りません。おもちゃ箱デザイナーに丸投げしました。
 
おもちゃ箱デザイナーは喜びました。神様から依頼が来るなんて、初めてでしたから。
だから、張り切りました。
そうだ、片づけた時にひとまとまりになるように、三段重ねにしよう。
それに一つ一つのおもちゃが混ざらないように、仕切りをつけよう。たくさん考えて、たくさん時間がかかりました。
 
昔から仲良しだったカルタが言いました。  
         「ねえ、私の入るところも作ってよ」
おもちゃ箱デザイナーは、それまで考えていた図面を消して、
カルタのスペースを作ってあげることにしました。 また少し作業が遅れました。
 
色はどうしよう、どのおもちゃにも似合う色で、おもちゃが目立つ色で。
おもちゃデザイナーは、それはもう沢山のおもちゃ箱を見に行って、一番いいのを選ぼうと思いました。
おもちゃデザイナーには考えなければならないことがいっぱいあって、やらなきゃならないことがいっぱいあって
だから、長い長い時間がかかりました。
 
 
 
赤くて三角の積木と、赤くて丸い積木は考えました。
いつになってもおもちゃ箱はできません。
ずっと待っているわけにも行きません。
自分たち二人だけでもはぐれないように、いっしょに赤いバケツの中に入りました。
二人しか入れない広さでしたが、居心地は悪くなかったので、ついの住処にしようと思いました。
 
黄色い積木は考えました。これはもう、ここでもいいかもしれない。
おもちゃ箱はできるかもしれないけど、気長に待とう。黄色い積木はウトウトしました。
その時、お姉ちゃんが飼っている犬がやってきて、黄色い積木を咥えました。
黄色い積木はぐっすり眠っていたので、部屋の外に連れて行かれたのも、全然気づきませんでした。
 
あれ? 星型の積木がいない。 どこに行ったんだろう?
 
男の子のお父さんが、恐竜のフィギアを買ってきました。男の子は恐竜が大好きなのです。
フィギアはそのままでは立ちませんでした。
お父さんは、ベッドの横にあった白い積木に、フィギアを糊付けしました。
白い菱形の積木は、白い積木から、フィギアの台になりました。
 
 
         長い長い時間がたって、とてもとても立派なおもちゃ箱が出来ました。

すごく大きくて、三段重ねで、たくさん仕切りがあって。ピッカピカの虹色です。
おもちゃ箱デザイナーは、誇らしそうです。
おもちゃの神様は、積木たちに言いました、「さあ、おもちゃ箱が出来たよ」
 
「・・・・・・・・・・・・・・・」 
 
棚にいた、青い積木と、緑の積木が、おずおずと出てきました。
青くて四角い積木は、仕切りの中に入れたけど、緑の長四角は、入れませんでした。「僕はやめておくよ」
 
「他の積木たちはどうしたね?」 神様が聞きました。
 
緑の積木たちにはわかりません。  「せっかく作らせたのに」 神様は不機嫌です。
 
「じゃあ、僕たちが」  床にいたミニカーが言いました。仕切りの中に入りました。
「じゃあ、私たちも」  ぬいぐるみが入りたそうにしました。 でも、仕切りが細かすぎて、入れませんでした。
「あたしも入ります」  カルタが言うと、いっせいに絵本達が 「私も」 「私も」 と、騒ぎました。

形が合わないし、とても全員は入れません。 なにしろ絵本はたくさんあるのですから。
大騒ぎになったので、神様はカルタにも、おもちゃ箱に入ることを諦めさせました。
カルタのための部屋は、空き部屋になってしまったけど、なにしろ神様はフェアでなくてはいけませんからね。
 
「ぼくたちは入れるかしら」  ビー玉が言いました。 仕切りの中に入ったら、スカスカな感じになりました。
 
他にも、たくさんのおもちゃたちが手を挙げたけど、
反対があったり、サイズが合わなかったりして、入れるものはとても少なかったので、
新しくて大きくて、ぴかぴかな虹色のおもちゃ箱の中身は、半分くらいしか埋まりませんでした。

      とても立派なおもちゃ箱ができました。大きな、スカスカのおもちゃ箱になりました。
 
 
 
             …………これでは、仕分けされてしまうかもしれませんね。
 

 
                              勢いで書いたけど、童話、向いてね----- orz
                              嫌いでなかったら、歌さまあたりがネタを使ってくれないかしら