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トレミーの定理とお弁当袋

 
幾何の先生、授業つまらないし、何を言ってるかわかんないんだよ」
 
と、娘は言う。
もともと数学は得意な子ではないが、同じ数学でも、担任教師が教える代数は嫌いではないという。
わからないから嫌いなのか、と聞いたら、担当している数学教師が嫌いなのだ、と答えた。
その先生は学年全体から嫌われているから、(幾何の苦手な)自分だけが嫌いなわけではない、と言っていた。
 
嫌いなのと、試験が出来ないのは別問題なので、母親に聞く気になったらしい。
珍しく教えてほしいと言ってきたので、ひとまず彼女のノートと問題集を見る。
            私は解くことが出来ても、用語を知らないことが多い。「円周角って何?」という質問をして、娘を不安にさせた。
彼女のノートには結構面倒な、機転を利かせなければ引けない補助線を要する証明問題ばかり。
あれ? トレミーの定理(プトレマイオスの定理)って、中学でやったっけか? 
三角関数を習ってからなら何も問題なさそうなのに、なんでここで? 
 
レミーの定理 
 
 
次に問題集を見る。イメージ 1
それほど難しいテクニックを使うようには思えない。
 
   ・内接円外接円の定義、
  ・中心角の半分がと円周角とか、
  ・直径を含む三角形は直角三角形度か、
  ・同じ弧の長さなら、円周角は同じとか・・・・・・・・
 
その程度で解ける問題がほとんどのように見える。
だから、もともと数学の苦手な彼女には、
 
  ・円が出てきたら、まず中心からそれぞれの点に補助線を引け。
  ・接線が出てくる問題があったら、すぐに中心から接点に線を引いて、直角マークを入れるように。
  ・辺の長さが等しいことの証明問題が出たら、二等辺三角形を探せ。
       で、二等辺三角形は低角が同じならば証明できるので、円周角等を利用して相似形を探すこと。
 
例題を一緒にやって、約30分。
 
教科書の問題も、問題集の問題も全く解けなかったのだが、ほぼ解けるようになった。
                         (そもそも昨年、中学1年の時点では、幾何は得意だったはずなのだ)
補助線も、大抵は、引き方の基準があるように思う。
試験で7割程度正解ならいい、という狙いなら、無理に難しい問題ばかり解くことはない。
 
中学・高校生に幾何専門で数学を教えている先生なら、その人は数学が好きなのだと思う。
娘の授業ノートには、中学生の知識の縛りの中でトリックを使って解く、面白げな数学が書き写されている。
だが、一般クラスの中学2年生に、こればかり教えるのは、どうなのだろう?
彼女の学校は入学時の偏差値で50前後、理系文系別編成も能力別編成もしていない。
彼女の数学の成績は、真ん中よりちょっと上だったはずなのだが、
今期のテスト範囲については、中学2年生の幾何の内容を、テキストレベルですら理解できていなかった。
 
  「先生が嫌いだから授業中に聞いていない」、と娘は言っていた。
  「何を言っているか分からないから聞かくなった」、とも言っていた。
  娘の態度が正しいとはとても思えないが ( ← 一応、親として叱っておきました)、
  「教科書は簡単だから自分でやっておいて」、では、多くの子は幾何を理解しないし、聞く気もなくなるだろう。
  簡単な言葉で、テキストに書かれた内容を教えたら、娘はすぐに問題を解けるようになったのに。 
 
数学が大好きで、数学が得意な生徒には、この幾何教師の授業は面白いだろうな、と思う。
私が中学生なら、この教師の授業を好きになったかもしれない。 だが・・・・・・・・・・・・・・
 
 
米国の初等教育の教師の学歴は、日本の初等教育の教師の学歴より高いんだそうだ。
博士課程まで終了した人が、大学教授や研究所のスタッフになるのではなく、中学や高校の教壇に立つ。
専門知識を持つ教師に教えられるメリットが、そこここで議論され、
日本の学位取得者にも、その分野に進ませろ、と勧める傾向がある。
   (実際には、ポスドクがあふれてたり、学位取得者人数に比べて就職先が少ないのが主な理由であるが)
 
ただ、中学や高校の教師になったのなら、自分の趣味に走った授業ではなく、
必要な知識を教えることを、まず第一に考えなければならないと思うのだ。
その教科が好きで得意な生徒から、専門知識を必要となるような質問が来た時に答えられるのも大事だが、
(一対一の家庭教師ではなく) クラス全員の教師なのだから、
多くの生徒に理解させるのが、まず最初の、必要条件なのではないだろうか?
下に合わせて上は放置の公立学校の指導も疑問だが、平均レベルまで相手にしないって、どうなんだろう?
 
    研究所に就職しても、大学に就職しても、自分の好きな研究ばかり出来るもんではない。
    世の中に必要とされるもの、政府の研究費を手に入れやすいものが優先され、
    学部学生には (物理学の講義と称しながら) 高校の数学から教えなければならない。
    就職面接の仕方など、自分が経験もしてこなかったことまで、学生に指導しなければならない。
 
教師を選んだ時点で、教えられる側は、自分と同じではないということを肝に銘じて、
教育課程(?) で決まっていることを教えるのに徹してほしいと思うのだが、いかがなものだろうか?
 
    大学院修了者には、それが 「難しい」、「できなくても仕方がない」、「気の毒だ」 というのなら
    日本の大学院修了者が、中学高校の教壇に立つことに、私は反対しなければならない。
 


 
さて、娘は毎日お弁当を持っていっているのだが、
寒くなってきたので、出来るだけ温かいままお昼まで持たせたいという。
私立の学校は、規則が面倒だ。
お弁当バッグまで学校指定で決まっていて、彼女の学年は制服と同じ、黒と臙脂の組み合わせだ。
お弁当袋はその中に入れるものだから、できれば同じ系統の色がいいなあ。と。
 
そういうわけで、本日は、100円ショップでバンダナを二枚買ってきて、
お土産物のハムか何かが入っていたキラキラの断熱シートを二枚の布に挟み込んで、お弁当袋を作成。
 
イメージ 2
 
お弁当バッグとの形状の関係で、おかずパックとご飯パックを積み上げる円筒形に作ったので、
なんとなくペットボトルホルダーのような感じになった。 
        お弁当バッグに入れると、色味のせいで、これまで学校指定のような感じに
 
底の円形布と、円筒形の外周の布地を繋ぎ合わせる作業が、ちょっとだけ数学っぽい気分。
                                                           まあ、日常で使う幾何なんて、こんなもんだよね。