ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

Fight without humanity & justice

企業との連携での研究は、私の分野では比較的よく舞い込む話で、
かつては日本の企業、米国の企業(日本研究所を持つ大きな半導体企業)などと、共同研究を行ってきた。
そういえば、日系企業のヨーロッパ拠点や、ヨーロッパの会社と、共著で論文を書いてたこともあった。
その後、半導体業界はかつてのような元気を失い、
しばらく企業からの資金提供型の共同研究も下火になった。
 
エネルギー関連や、環境関連の研究を始めたたら、また、ぽつぽつとその手の話が舞い込むようになった。
でも、私がやっているのは (半導体研究の時とは違って) まだまだ基礎研究だから、
企業との共同研究を始められる段階ではない、と、辞退してきた。 実際そうだと思う。
 
つい先日、“近年元気な国” の企業から、私の研究内容を聞かせて欲しい、ライセンス契約をしたい、
という連絡が研究所の企業担当部門にあったらしい。 要は、研究の青田刈りだ。
その企業の持つシェア、企業拡大のスピードから、研究所の係官は乗り気だ。
 
  米国、例えばスタンフォード大学は、企業なしでは成り立たない。
  企業は、将来性の高い研究や学生に(やや高い程度まで)投資して、当たれば巨万の富、
  あたらなくても、まあ、ギャンブルみたいなものだから、それもいいよ。 と。
  それに対して、学生自体がベンチャーを作ったり、というのも盛んだ。
 
でもさ・・・・・・・・・うちは国の研究所なんだよ。
国の研究所で、国費使って研究した成果を、何であえて他国に渡すんだ、って悩むんだよね、私は。
半導体研究は、「すでに存在していた技術の解明」 がテーマで、
将来、新素材を開拓するとしたら、何が必要だろうか、って言う
足がかり探しみたいな研究だったから、どこの国の利益になるでもなかったんだ。 
だから、どの国とも組む事が出来た。
 
半導体研究のあと、
今私がやっているバイオがらみの高分子研究の立ち位置を説明するのは難しいけど、
はる~かな将来を見据えたベーシック研究でもなかったら、
科学は個人や国が隠匿するものではなくもっと広い心を持って世界平和に、
なんていう言葉は建前&お為ごかしにすぎなくなる。
 
実際の所、利権がどこに繋がってるかって話だけになってんじゃん?
結局、Fight without humanity & justice になっていっちゃうんだよ・・・・・・・・・
 
もっとも、日本企業には研究資金提供の余裕がないのはわかるんだけど。
日立さん、ソニーさんですらそうなんだから、(←昔は出張費や共同研究費をいただきました)
かといって共同研究型にしないで、自社開発する余裕はもっと無くなってるわけだから、
その種の元気な国々の資金提供を受けるべきだって言うのも、分からないではないんだけどさ。
 
 
研究シードをわたす事によって、日本は潤うだろうか、と、
誰かが少し考えなきゃいけないと思うんだ。 
 
少なくとも、国費で研究をさせてもらっている間は、そういう義務があっていいと思うんだ。
                 高橋先生のプレゼンを聞いたりなんかすると、余計に悩んじゃうだ。
                 ・・・・・・・・なんて事を、ようやく考える余裕が出てきた気がする。
                  http://blogs.yahoo.co.jp/green_zebra_2008/34856819.html
 
                                    チャンスなのか、罠なのか、回答期限が近い 
 

 
もちろん、大学と研究所では違うし、研究分野に寄っても極端に違うから、
何が正しくて、何が正しくないのかなんて、当人・当事者にしか分からないディテールがあり過ぎて、
議論にならないだろうか、とも思うんだけどね。