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収集と解釈 --データ解釈などで心しておきたいこと

その昔、「デタカルチョ」 という解析大好き人間には、ちょいと興味深い番組があった。
本来は、Jリーグの勝敗予測をするトトカルチョ番組だったらしいのだが、勝敗予測の分析とは別に、
阪神(球団)の調子がいい時は、社会党(ほぼ今の社民党)が議席を伸ばす、なんて統計結果もあって、
東野圭吾の 『超たぬき理論』 にも通じるような、研究者をおちょくった面白さがあったのだ。
 
                        
 
                        
 
                        
                         
モノ(物)のコトワリ(理)を探すのが、物理学だと思っている  ←これはニワトリ
特定の現象の、山のようなデータを集めて、時には自らが実験をして、その中の法則を見つけ出す。
統計と、解析、かな。
 
人は自分の経験を重視してしまう傾向があるので、100の判例よりも、私の実験はこうだった、とか
私の周りの人はこう言っている、というのが重くなってしまう。 年齢が高くなるとなおさらだ。 
本来、理論や法則は、多くの人の経験に裏打ちされているはずなのに、
特定の一点かもしれない、自分の経験に振り回される。 
あるいは、自分の希望に合った結果に重きを置いてしまう。
データ集めの時に、作為的にあるいは無意識に、一部のもの見落とし(見過ごし・無視)たりしてしまう。
 
そんなことがないように、物理学者がデータ収集をする時には、個人の希望や感情をとことん排除する。
仕事上でいつも気をつけているポイントなので、それが習性となってしまっているのかもしれない、とさえ思う。
でも、それが行き過ぎると、ジャンケンの勝率も、放射線被曝の評価も、同じように考えちゃうんだよ
 
データ収集の先の、99.9%の人が影響を受けなければ安全と言えるか、6N(99.9999%)ならいいか、
12N(99.9999999999%)でもダメか、っていうのは、時代とそれぞれの人が決めることなんでね。
危険、も、安全、も、私には判断しがたい。 (自分がどうするか、って言うのは決められるけど)
 
何でこんなのを書いているかというと………
査読をする事がすごく多くて、査読者とはどうあるべきか、とか、
査読者同士で相談する事も(←編集者間で査読論文を廻すのでこれが可能)あって、
そんなこんなで、つい先日、面白い pdf を見つけた。    つまり備忘録みたいなもんです。
 
公的機関にいる方で、webにアップされているので、内容を転載してもかまわないかとも思ったのだが、
pdf化したパワーポイント資料のようなので、URLを示すだけにしておく。
 
 
非常に面白いです。
前半は、研究者に限った話ですが、12,13,14 あたりの追試の方法や、ねつ造や荒しの話、
40ページ以降の温暖化の議論がどのくらい信憑異性があるかは別問題として、
一般的な結論の導き方の一つとして、興味深く読むことが出来ます。
 
かつて、データの信頼性、ひいてはその測定を行った装置の信頼性をを評価するために、
まったく同時に作った試験片を、世界中に配って、同じポイントのデータを測定してもらって、その値を比較する、
というラウンドロビンのプロジェクトにかかわっていた頃を思い出しました。
 

 
なお、私は占いというのは本来統計の問題だと思っていて、
すごーくアバウトに考えると、生まれた季節で決まる星座の占いなら、
古代であれば、生まれた時の季節が暖かいほうが、身体が大きくなる子供が多いだろうし、
その身体能力のおかげで将来が開けることも多かったのではないかと思う。
また、血液型については、遺伝で決まるので、
ある時点で色白の人達にB型が多ければ、その子孫であるB型の人にも、色白が多くなるだろうと思う。
 
その昔の亀の甲羅を焼いてヒビの入り方で吉兆を占うというのも、
きっとその日の湿度や気温、亀の甲羅の強さ(過去数カ月の気温と栄養状況)が効くだろうから、
気象予報に関連する農作物の出来不出来などには、有効な占いだったかもしれない、と思う。
でも、亀の甲羅を焼いても、政権の予測にはならないと思うんだ。
 
だから、法則を見つけた時には、その法則の有効範囲も、きちんと評価する得べきなんだろうな、と、思います。
 

 
さて、ラウンドロビン。 
測定装置を評価するのは、その測定装置を作ったメーカーさんを評価する事にもなっちゃうんですよね。
いろんな外圧がかかって、なかなか進みにくかったことを付記しておきます。
 
科学も、国や、政治や、経済の影響を受けざるを得ないのかな。 と。
 
       携帯で打ち始めて、どうにもならないのでドッチーカのお世話になりました。