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無限ピアノ ---音速と周波数---

コニーさんのブログで、ピアノの記事を読んでいて、
いつか見た無限に続くピアノの鍵盤の夢を思い出した。
本来身近にあるピアノの鍵盤数、88鍵は7オクターブとちょっとで、
その真ん中辺のドの音を、Middle C と呼ぶ………夢の中で、私はそんなことを考えていたと思う。
1オクターブで、周波数が2倍、4倍で増えて行くんだけど、これは人間の聞こえる音の高さなのかなあ、と。
 
頭を整理するためと、以前講義に使った言い回しなどを思い出しつつ、
記事にしてみました。 コニーさんに捧げます
前半はともかく、後半のピアノとの比較は知らない領域の話もでてくるので、
ミスや計算間違いなどに気付かれた方は、ご指摘くださるとうれしいです。
 

 
イメージ 1
 <音の波>
音が振動波であることは、大抵の人は
どこかで聞いたことがあるだろう。
波……つまり、右の図のようなものだ。
この波が横方向に動いて、伝搬していく。
 この図で、赤矢印で示した部分が波の長さ(波長)であり、
青い矢印が波の大きさ(振幅)、である。
たとえば、上に示した波と、下に示した波の振幅は同じだが、
下の波の方が、波長が短い……と、言える。

簡単にいうと、波長が音の高さ(高音か低音か)を決め、
振幅が音の大きさを決める。
 
 
 <音速>
一般的に、音の進む速度(音速)は媒質の弾性率と密度との比の平方根に比例する。
だいたい、固い物質の中は、進みが速い、と思っていい。
  1メートルくらい離れた場所の鉄製の手すりを叩いた時に、その振動がカーンと伝わってくるのは、
  1メートル離れた所のラバー板を叩いた振動が、ぼよよ~んと伝わってくるのより、速そうな気がしないか?
細かい事はいいとして、大気中の音速は秒速でおよそ 344 m/s (時速だと1,238 km/時)である。
                                            (水中では 1500 m/s………だそうだ。)
 
 <周波数>  
一秒間で進む距離で何回振動するか(単に一秒で何回振動するかでもいい)が、振動数(周波数)である。
絵で描くと、こんな感じ。  ピンクっぽい四角で囲んだ、振動が、一秒間に何回あるかってことだ。
 
イメージ 2
 
周波数は、一秒で進む距離(344m)、を、一つの波の長さ(波長)で割れば出てくる。
                      周波数(Hz)=音速(距離(m))÷波長(m) である。
波長を、周波数の回数だけ足しあわせれば、当然、音速になる。
                         音速(m)=波長(m)×周波数(Hz)
  
 <ピアノ音の周波数>
ピアノの音の周波数を論じた物はたくさんあるので、ここでは簡単に要点だけ説明してみる。
基準となる、ラの音(middle C のちょい下)の周波数が、220Hz (222Hzなど、違う数値を基準にする時もある)。
1オクターブ高い音の周波数は2倍になって、逆に1オクターブ低くなると、周波数が半分になっている。
 
    人間の耳ってすごいよね。
    昔々、ピアノの形が出来た時に、周波数を測って弦を張ってたわけではないと思う。
    なのに、1オクターブという音のユニットが出来、そこに物理学の周波数の法則が見つけられる。
    人間の耳もまた、物理法則を利用して音をとらえているからだろうか。
 

話に戻す。
下の表には黄色のカラムで、もう1オクターブ上の音(880Hz)と、1オクターブ下(110Hz)の音を入れてみた。
表をグラフ化すると、下右の様になる。
オクターブ内の音は、音名Aから音名A(1オクターブ上のA)までの12音を、等しい比率で分けたものである。
イメージ 4
          周波数が、「等しい比率で増える」、というのは 「等しい数値差で増える」、ではないので、
          グラフは直線にならない。  
          低い方なら110Hzの間に白鍵と黒鍵の12音があるのに対し、
          高い方では1オクターブの間隔が220Hz、もう1オクターブ上なら440Hzと変わっていくからだ。 
          半音数 (白鍵、黒鍵の通し番号:0から12) を使って、数式で説明すると、
          ある音から、7音高い音の周波数は、
          その音の周波数に、2の12分の7乗をかけたものである。
          12音高ければ1オクターブになるので、
          (ある音の周波数)×2^(12/12)=ある音の周波数の2倍  となる。
 
見えにくいので、右のグラフを、片対数のグラフに書き直す。 
これだと等比率倍になっている周波数曲線が、ぴたりと直線に乗る。
このグラフにも、基準値のラ、220ヘルツと赤いプロットで示した。
周波数範囲を広げたので、ラごとに、プロットした。
赤い点の両隣は、1オクターブ上のラと、1オクターブ下のラの音、
つまり、7オクターブ少々のピアノは、赤い点の前後、3点づつくらいの範囲の音を出していることになる。
 
イメージ 3
 
 <人間の聴覚とピアノ>
人間が知覚できる音の周波数(可聴域)は20 Hzから 20,000 Hz (20 kHz) までである。
ただしこれは年齢によってばらつきがある。 年齢が上がるにしたがって高い周波数を聴く能力が衰える。
1,000~3,500 Hz で最も感度が高く、会話は主に 200-8,000 Hz の間で行われる。
周波数の図に、人間の聴覚の範囲を肌色で塗ってみた。
赤ポチを含む7ポイントが、だいたいピアノの音域だから、
人間はその上の3オクターブか4オクターブ聞こえる算段になる。
            (10代中頃には、20,000 Hz は聞こえなくなってるよ、って報告もあるが……)
 
なお、高速道路が作りだす、数Hzの振動は、人間の耳に聞こえはしないが、頭痛を引き起こすことがあり、
また、人間が20,000 Hz までなのに対し、犬たちは 100,000 Hz 以上を聞くという。
犬笛は 22,000 Hz という、人間が聞こえる範囲のちょっと外の音を出すので、
ドラマなどで、犬笛の音の聞こえる子供が出てくるのも、そんなに無理のある話ではないのだ。
 
 
さて……そういうわけで、ピアノは、あと3オクターブくらい高い音域まであっても、
我々が、その演奏を聞くことが可能なのだ。   (←それが心地よい音かどうかは別問題だが)
犬たちを観客にすれば、もっともっと高くまでOK
無限ハノンは、犬に聞かせるためのものだったのか………・と
 

 
目が覚めたのをいい事に書きかけたまま、ダラダラしていたら、眠くなってしまった。
次はまた、時間のあるときに…… 
wiki、 http://www.ari-web.com/sound/measurement/note.htm  株式会社ARI(音響機器)などを、
一部参考にさせていただきました。