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無限ピアノ ---周波数(弦の振動数)を変えよう---

無限ピアノの続きです。
嬉しいことにコニーさんも応答して下さったので、世界が広がりました。
 
 ゼブラの 『無限ピアノ 音速と波長』  http://blogs.yahoo.co.jp/green_zebra_2008/35700299.html
 コニーさんの 『無限鍵盤』  http://blogs.yahoo.co.jp/connie_kako31/38870591.html
 
ブレインストーミングというか、こんな風に架空の楽器を考えるのは、とても楽しいです。
お互いの専門分野や知識、考えられる範疇が明確なのも、意見を出しやすくなる条件な気がします。
 
というわけで、私は純粋に、いかにして、より高い音を出すか、だけを考えてみようと思います。
その音が綺麗な音かどうか、心地よい音かどうか、どうしたら心地よい音になるか
どうやったら効果的に音が出せるかは、また別の話題としたいと思います。
 

 イメージ 1
怪獣映画などの特撮で、ミニチュアの船を浮かべる場合、
海の水しぶきや、波の大きさが、
船に似合わず大きくなってしまうのを防ぐために、
液体(水)の粘性表面張力を変えることによって、
ミニチュアの船のサイズに合わせた波やしぶきを作る
というテクニックがある。
 
つまり波の大きさ(波長と振幅)は、張力や材料(粘度・密度・弾性率・諸々が違う材料)で変えられるから、積極的に変えて、求める波を作ろうというわけだ。
 
さて、音って何だろう? 弦楽器って何なのだろう? と、考えてみる。  wikipediaによれば、
「弦楽器とはに何らかの刺激を与えることによって得られる弦の振動を音とする楽器の総称」 とある。
 
イメージ 2
大きな楽器の弦でも、小さな楽器の弦でも
弦の振動数(周波数)が同じならば、同じ高さの音が出る。
チェロでもハープでも、ギターでも、もちろんピアノでも
音質は違っても、楽譜の中の同じ音階の音を
出すことが出来るというわけだ。
弦の振動数(=周波数)を任意に作っているからだ。
 
さて、それでは、振動数は何によって決まるか
 
ギターなど、弦が見える弦楽器をやっている人なら、
  ・強く張った(張力が大きい)弦は高い音を出す。
  ・短い弦は高い音を出す。
  ・細い弦(線密度が小さい)は高い音を出す。
などを、もう直感でわかっているのではないかと思う。


 イメージ 3
例えばは、思い切り強く張った13本の弦(張力ほぼ同じ)の
箏柱(ことじ)の位置を変えることによって
弦の長さを変えて、13種類の音を出す。
箏柱の右部分の弦を、爪ではじいて音を出すのだが、
箏柱の左部分の弦を左手で強く押すことによって、
一時的に右側の張力まで強くして、より高音を出すことができる。
 
一方ギターは、弦の材質や太さのことなる6本の弦を使い、
それからヘッド部分のペグ(糸巻き)を廻して、張力を調整することで、
6種類の音を準備しておく。
その上で、フィンガーボード上の弦を指で押さえ、
弦の長さを変えることで、音域すべての音を作り出す。

式で書くと、こんな感じ。
 
  イメージ 4
 
 
 
 
 
 同じ材質で、同じ太さで、同じ張力(張りの強さ)の弦で、
1オクターブ上(つまり、振動数(周波数)が2倍)の音を出そうと思うなら、弦の長さを半分にすればいい。
弦の長さを変えたくないなら、弦の張力を4倍(ルートで開くと2倍になるから)にすればいい。
長さが決まっていて、張力に限界があるならば、弦の重さを4分の1に、つまり太さを2分の1にすればいいのだ。
軽い材質の弦にする、というのもアリかもしれない。
  (アコースティックギターの弦は低音部がメタルが多くて、高音部はナイロン系だったような気がする)
  材質を変えつつ、張力を変えるとか、弦の長さを変えるとかもできるから、
  音質のいい組み合わせを選ぶ作業が、実際の楽器を作る時には重要なのかもしれない。
 
また、音質がいい悪いの話にもかかわるのだが、
固有振動数の周波数の他に、弦は他の周波数も出すことが出来る。丸みを帯びた音にる理由だったりもする。
 
イメージ 5
  固有振動数は、基本振動から出したが、
  2倍の振動モードや、3倍の振動モードもある。
  いわゆる、倍波と呼ばれているものだ。
  もっと言うと、振動数計算の式の、分母に2があるのは、
  基本振動の形が、波長の半分だからだ。 
    イメージ 6  ←こんな感じの左半分だけ
  張った弦が、どんなモードの音を出せるか、
  いや、どういう風に叩いたら、他の振動モードも作れるか、
  課題はまだまだたくさんあるのだ。
 

イメージ 7
 
ちょっと専門のマニアックになる。 ナノピアノ、という研究 がある。
別に楽器として使われるものではない。
非常に小さい飛び込み板みたいな弁の長さを段階的に変えて、
共振周波数(固有振動数)が異なるものを、並べてみよう、というものだ。
材質はシリコン、厚さと幅(つまり線密度)は同じ、長さだけを変えている。
櫛みたいに見える白い縦じま部分が、一本一本の弁だ。
       ああ、どっちかというと、オルゴールに近いのかも。
  
イメージ 8
  川勝先生のナノピアノの論文 
 
  このナノピアノ、図中に書き込んだ矢印の長さが、100分の1ミリだから、
  小ささが半端ではない。 
  当然、人間の耳には音は聞こえない。
  ナノピアノの音を聞くには、
  その振動を受けられる、とても小さい耳が必要になるのかもしれない。 
   

 
そういえばさ、もっともっと、自由でマニアックに考えて行くと、
上の弦の振動の式以外にも、振動数を変える条件はあって、、、
 
  ・弦の振動、つまり弦の動きは、空気中なら空気の抵抗、水中なら水の抵抗を受けているので、
   まわりの抵抗をなくすことで、振動が速くなる (つまり、振動数が大きくなる)。
 
     おお、じゃあ、真空にして空気抵抗なくせばいいじゃん。 
             おいおいおい、真空じゃ、音伝わんないだろ。振動させりゃいいってもんじゃないぞ。
   
  ・弦の振動は、空気などまわりの媒体を振動させることで伝わってくる。
   媒体である気体分子の重さを変えることで、音の高さが変わる。
 
     ヘリウムボイスみたいに、ピアノを空気じゃなくてヘリウムの部屋に入れたら、音、高くなるんと違う?
             んで、ピアニストは酸素ボンベ抱えて、ピアノ弾くんですか?
 
なあんてことも、一応頭をよぎったりして、自問自答しているのだ。 
考えられる範囲って、本当に広いよね。
  

 
私の記事は、色々略して簡単に書いているので、細かい部分は、以下のサイトを参考にしてください。
川勝先生のナノピアノに関しては、上に記した文献を参考にさせていただきました。
 
固有振動数の実験をしているページ
倍音の話
ピアノ選び、ビアのの大きさと弦の話