ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

僕があの子に甘い理由と、僕がブログを綴るワケ (後編)

ジュブナイルみたいなフレーズをつけたかっただけなんですけどね…・の、 続き。
 


Yahooブログを始める前に、mixiでブログを書いていた。 
指とま(この指とまれ)も少しやったことがあったかな。
もっと前、ジパングなどのボードで、意見交換などをしていることもあった。
6割方が実名(故意に名前を隠さない)で、研究所での私を知っている人達との交流の場だったりした。
独身時代や、娘を産んだ頃の私は、とにかく職場関係者に弱みを見せない事に専念していた。
まあ、国立研究所の気質もあったし、本庁のキャリア女性に脅かされていたせいもある。
だから、ブログと言っても、かなりオフィシャルな建前ばかり綴っていたと思う。
 
当時の弱みを見せない姿勢は、徹底していて、前編の、
 「周りに迷惑かけるのわかってて、子供を産む神経がわからない」  と言う女性には、
 「そうですよね、迷惑をかけるくらいなら辞めようと思います (意味:私は迷惑かけてませんよ)」と、答えた。
 
事務官に
 「お子さん生まれると、家事と仕事の両立は大変だよ? 大丈夫かい?」 みたいなことを言われても
 「母親が家事育児をするごお宅だと、大変でしょうね (意味:私は大変じゃないですよ) 
   うちはベビーシッターを雇っていますし~(←これは本当)、
   お手伝いさんも実家から回してもらいますので~♪(←これは未遂)」
バブル女だと思われたろうが、仕事に支障はないと印象付けるのが目的だから、その反感は織り込み済みだ。
おかげで、子供がいることで生じた研究の遅れはほとんどなかったし、昇格の遅れも全くなかった。
          (もっともこれは、学会発表やら論文やらの成果主義の、基礎研究所ならではだと思う。)
 
        ただ、実際には、時間調整がすご~く、大変だったのよ。
 
シッターさんがいたって、夜は帰っちゃうから、子供が泣けば起きなきゃならないし、
お手伝いさんだって、何から何までできるわけじゃない。
保育園で、子供が熱を出したという連絡が来れば、病気の時くらい、いっしょに居てやりたい、と思いながら、
シッターさんの手配をするのは、母親の仕事だ。
シッターさんが捕まらない時は、自分で帰らなければならない。
そういう泣き言を、敵(←こらww)に知られてはいけない、どこで足を引っ張られるか分からない。
 
        本当は、泣き言だって、言いたいんだよ~
 
と言うわけで、匿名ブログに泣き言と書くことになったのだが。(mixiからは、泣き言を言える仲間を呼んで来た)
 
 
 
ところが、だ ----------------------
 
    『エリア88』 の、主人公の戦闘機乗りが言うセリフで、
    「地上にいる味方よりも、正面にいる敵機のパイロットの気持ちがよくわかる」 というのがあった。
    当時、やっぱりエリ8ファンで、ついでに趣味のサッカーをしていた弟は、
    「すっげーよくわかる。味方のフォアードよりも、敵とはいえキーパー同志だな~。
     だからと言って、慣れ合っちゃまずいんだけど」。
 
匿名ブログは怖い。
嘆きが通じやすいなあ、と思っていた相手が、広義の同業者だったり、
いかにも、◎◎研究室っぽいリアクションだな、と思っていたら、実際にそこの人だったり。
企業連携の仕事をしていると、特にそのあたりには気を使う。
匿名ブログで気の合った人が、ライバルの同業者の可能性だってあるのだから。
だから相手が自分と無関係な職業であると確信できるまでは、名乗ることに対して臆病になってしまうのだ。
 
    ここでも一度、○○社の方ですか? と言うメッセージをいただいたことがあった。
    実際に私は○○社とは関係なかったのだが、
    答えることは質問者と会社と双方に迷惑をかけそうだったので、YESともNOとも答えなかった。
    研究所職員はいい加減になりがちだが、どこの会社が何の研究をしているか、
    それだけである程度の情報となってしまうらしい……… 怖い世界である。
 

 
さて、ここからは、匿名ブログを綴るもう一つの理由だ。
 
単なる泣き言ブログでもいいのだが、泣き言記事の合間に、専門やオピニオン系の記事が入るのは、
お互いバックボーンを知らない誰かと、匿名同志の立場で、意見交換をしたいからだ。
 
昔、とても学者肌のおじ様(10歳くらい年上)と共同で研究をしていたことがあって、
彼とディスカッションする時に、とてもとても気を使った。
その人 (仮にさんとする)・・・・・・・ さんは、ものすごく、説得されやすいのだ。
 
私がAという解釈をする。
 
  さん 「そうかなあ~ Bって考え方もある気がするんだけど」
       「どうしてですか? ○から考えても◎から考えても、Aだと思うんですけど」
  さん 「ああ・・・・・・そうだね。それなら、やっぱりAかなあ・・・・・ うん、きっとそうだね」
 
で、学会で発表して、他の人と意見を戦わせてみたら、Bでした。なことが、何度か続いたのだ。
 
       「もっとちゃんと言ってくれなきゃダメじゃないですかっ」 ←八つ当たりもはなはだしい
 
それに対して、 「ごめんね」 なんて言われた日には、もう、自己嫌悪最高潮だったのだ。
 
 
つまり、 さんから意見を聞きだしたかったら、説得してはいけない。
これは、自分に自信のない大学院生にも同じことが言える。
学生と話す時は、私が指導者であると、意識しないでほしいし、こちらの意見を吹き込まない方がいいのだ。
 
さんのことがあってから、相手が有益な情報を隠し(?)持っていそうな場合には、
自分の意見と違っていても、しばらくは反論しないことにした。
ディベートに慣れていない日本人や、立場的に異論を主張をしにくい学生と話すときは、
腰を折らない、反論しない事が、意見を引き出すテクニックだと思うようになった。

    別の考えに至った情報を、すべてかき集めてから、それらを踏まえて考え直せばいいじゃないか。
    全部聞いてから、まとめて考えても遅くない。
    情報を引き出せない方が、研究者にとって痛手だと思うのだ。
 
ブログも、そうだと思う。
反論や別の解釈があるかなあ、と思う記事は、ふざけた調子や軽い調子で書くようにした。
もらえたコメントに、私の知らない何らかのキーワードが入っていてくれると、うれしい。
ここで議論しなくても、自分で調べるためのきっかけが出来ると、自分の世界が広がる。
ここに来てくれる人の中には、博識の人や、情報収集が上手な人なんかもいて、とても助かる。
 
    説き伏せる必要があるときに、説き伏せる技術を持っているのと、
    条件反射的に説き伏せちゃうのは違うよな~ (←無意識にやってしまうこともあるのだが)
    すべての情報を集めることで、私のA案でも、さんのB案でもない何かが見つかるかもしれない。
    うん。『星を継ぐ者』 のハントとダンチェッカーの関係を目指したい。 ……って、彼ら仲悪かったけど
 
    身の回りにいるダンチェッカーばりの変な人に対しても、
    多少性格が悪かろうと、唯我独尊だろうと、ヘビースモーカーだろうと、
    私にとって有益な情報があれば、多少は目をつむるし、
    それが希少価値でもあるなら、たいがいのことは割り切れるようになっている。
    その人の持っている情報量のプラスと、煩わしさやその他マイナスのバランスなのだと思う。
 
    情報収集や思考に対して真摯な分、他人に対しては不遜な気もするが・・・・・・・・・・・・・
 
意見を引き出すことと、納得する事や信じることは無関係だし、
ましてブログでバックボーンを知らない場合、相手の言葉の信憑性・信頼性だって、実に危ういものだ。
でも、自分の知識からは思いつけなかったことを、考え始めるきっかけにはなる。
その誰かが教えてくれたサイトから、誰に何を質問すればいいのか見えてきたりする。
えええ? そうだったの? と思うものは、何もゼブラマップばかりではないのだ。
 
     このブログを知っている学生の一人が、反論しない私に噛み付いてきたことがある。
     なんで反論ができるのに、しないのだ、と。
     その時も言ったのだけど。  
     ここで擬似議論になったとしても、少なくとも私の目的はキーワードを得るためであって、
     結論を出すためじゃないのだよ。  わかってくれたかなあ・・・・・・・・
 
     まあ、スルーの仕方で、もっとネタを出してもらいたいから低姿勢でいるのか、
     その人の意見を獲るに足らないと思って相手いにしていないのか、は、
     私の習性(?)を見慣れている人には、見破られていると思うのだが。 
 
     私はこの学生に対しても、とても甘い気がする。
     知らない第三者が、あんなコメントをしてきたら、注意不足で消去してしまうか(←こら)
     笑顔で追い払っている。 
 
 

私の話すこと、私の記事も、同じ事を別の分野の人はどう考えるのかという、
新しいことを考え始めるきっかけにしてもらえればいいな、などと思う。
 
そんなわけで、これからもよろしくお願いいたします。
 
 
 
                               ところで、どうしてまた、電車来ないんでしょうか?
 

 
                              先週、火事で東武線の運休が出た日に駅で書いてました。
                              ブログ書きながら、悠長に待ってちゃいけなかったんだな