見えない鸚鵡
この季節、電車に乗っていて、子供に凝視されることがある。
カラフルなアロハの様な南国柄の服を着ている時だ。
息子が小さい時、この服がすごく好きだった。
赤、オレンジ、緑、カラフルなジャングルの中に、カラフルな鸚鵡が隠れている。
ほとんどの子供は、その鸚鵡を見ているのだ。
鸚鵡は保護色の様で、大人が見ても、なかなか見つけられない。
その服のジャングルに、鸚鵡がいる事を、私も息子に聞いて初めて知った。
あれだ、天井の木目が人の顔に見えるとか、
多分大人になってからより、子供の時の方が多かった気がする。
きっと子供は、そんな目で、服のジャングルの中を見てるんだと思う。
さて、年末年始に、山の様に校正のゲラを家に持ち帰り、
自分で読んでも、もうミス印字などが見つからな~い、という状況に陥っていた。
本読みの好きな娘に預けたら、楽しかったらしく、嬉々としてやってくれた。
言い回しがわかりにくいとか、説明がくどいとか、書かれた科学の内容は分からなくてもチェックできるらしい。
ちょっとしたお小遣いと引き換えに、チェックの協力を頼んだりした。
服の中の鸚鵡じゃないが、きっと先入観が全くないから、ミスを見つけられるのだろう。
昨夜も、自分の原稿を直していて、もうお手上げ~ となったので、娘に渡してみた。
うう、あいつ、編集者みたい
本文がÅなのに、キャプションがA になってるとか、よく見つけるな~。
将来なりたい仕事がないとか、自分になにが出来るのか分からない、とか言ってたけど、
あの根気の良さと、地道な注意力は、結構使えるんではないかと思う。
アルバイトは、ファーストフードかコンビニの店員かなあ、と、本人は言っているのだが、
時間があれば、色々やらせてみたいものである。