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眼球とプラネタリウム

匿名ブログとは言いつつ、登壇している会議名や大学名を出すと
研究者の身分というのは簡単に調べがついてしまうものなのだが、
人数が多いから安心かな、と、応用物理学会関連のシンポジウムは、
場所や会議名をはっきり書いている気がします
 
今日は応用物理学会の光学シンポジウムを聞きに、東京大学の生産研究所に行ってきました。
原稿を催促されそうで会いたくなかった准教授に、いきなり出くわしてしまったのはともかく、
招待講演の二件について、紹介したいと思います (セミナー中のメモなので分かりにくいかも)。
 

 
『進化する、新感覚プラネタリウム ~ドームいっぱいに広がる宇宙と空間体験~』
コニカミノルタプラネタリウム株式会社 西垣順二博士
 
イメージ 1
 
 
プラネタリウムの、星の投影機の発展の話を、ダイジェストに伺いました。

カールツァイス1号機は、かつて小学校が三つできるほどの費用がかかってたとか
その発展型である、ダンベル型が発明(1978年)され、後に池袋サンシャインに導入されいたとか
    ダンベル型:天空の動きを再現できる鉄アレイの様な形の投影機。比較的見慣れたタイプですね。
その後、宇宙型(一球式)になったり、傾斜ドームが出来たり。
投影機などのコンピューター制御(1985年) は、つくば科学万博の時にお目見え。
 
1983年には、(それまでのプラネタリウムは、星の投影機と共補助投影機、
     つまり神話の絵などの別設スライドを組み合わせて使っていたのが) 
     CGを使ったものが開発されはじめ、
1997年には、世界初の統合型プラネタリウムジェミニスター (インフィニウムとスカイマックスを使用)が完成。
                                      上記2機種を、一つの機種で出来るようになる。
     1号機は 「ディスカバリーパーク焼津」 に。 http://www.discoverypark.jp/     
     デジタルプラネタリウムのフルカラー化 (SKYMAX)や、 ドーム全体に投影&ひずみ補正を用いる。
2000年代、光ファイバーを利用したハイブリッドな恒星投影が現れ、それによって、天の川には35万個の星が。
2007年 サンシャインに、ハイブリッド型投影機であるインフィニウムSが。 
     太陽光にはメタルハイドライト光源、 天の川を含む、36万個の星を再現(12等級まで)。
 
スライドと耳でパーッと聞きながらメモしたので、多少ミスがあるかもしれませんが、
プラネタリウムの歴史は、ステップ・バイ・ステップだったというのが良くわかりました。
 
        いかに美しく、いかに正しく、明るい星空を作りだすか。
 
池袋サンシャインの中のプラネタリウム満天は、2004年オープン、
2007年、効果照明、香りの発生などトータルなアミューズメントとしてリニューアル。 
2011年に再びリニューアル、立体音響へ。
 
プラネタリウム天空 in スカイツリータウン 2012年5月 天空がオープン。
          (コニカミノルタの統合のニュースと記者会見より、マスコミ人数が多くて、複雑だったそうです)
投影光学系のバックフォーカスを短くすることで、収差を少なくして、倍率を稼ぐ。
はっ……… 見るのに夢中で、メモしきれなかった(汗)
  
満天 6月23日~ 夏番組    http://www.planetarium.konicaminolta.jp/manten/introduction/
天空 6月15日~ 夏番組    http://www.planetarium.konicaminolta.jp/tenku/introduction/
 
プラネタリウムの投影機の種類など  
 
……………後半は、調べるためのキーワードを書きとるのが精いっぱいでした。
プラネタリウムに行きたくなった人がたくさんいたと思うので、
訥々と喋っていたにもかかわらず、企業の方のプレゼンテーションとしては、きっと大成功なのだろうな。                           
 
白内障手術と眼光学』 慶應大学 根岸一乃博士
 
眼球手術の動画………手術映像を見慣れているとはいえ、眼球を縫い合わせるシーンは……ううう。
 
    ホラー映画やバイオレンス映画で眼球を痛めつけるシーンがありますが、
    ちょろいですよ、手術シーンに比べたら。
 
80年代の白内障手術と、最近の手術の違いを、術式中の動画と、
眼球内に埋め込む眼内レンズの光学設計と共に解説してくれました。
80年代に、眼球を切り開き、水晶体を完全に取り出して、硝子のレンズを入れていたのが、
眼球の一部に小さな穴をあけ、そこから入れたヘッドで水晶体を超音波で粉砕し、
内圧を変えないように灌流液を注入しつつ、水晶体の粉砕ゴミを吸い取る。
取り除いた水晶体のかわりに入れる眼内レンズも、今は柔らかいポリマー材で作られているので、
丸めて、筒状の治具を使って、小さな穴から入れることが出来る。
 
   小さな穴から押し出されたレンズが、目の奥で広がって、装着される動画は、
   会場から、ほぅ………、と、声が上がっていました。
 
白内障手術、レーザーで、検索すると、いろいろ出てきますね。
慶應大学のものではないかもしれませんが http://www.youtube.com/watch?v=PJpvmU5z9v0
 イメージ 2
また、遠近両用の眼内レンズについても、
遠くを見るのに適した効果と近くを見るのに適した効果を
同心円状に構成したコンタクトレンズは知ってましたが、
眼内レンズもその同心円数の数を増やして、
遠くも近くも焦点の合った状態にするものがあるとのこと。 
ちょっと考えると、酔いそうだけれど、
脳内で上手く処理できるようだ、という話も聞いた。
 
   コンタクトレンズの画像は、ここからいただきました。

数年前までは、医大で幾何光学を講義教科にしていたので、
球面収差などのついでに眼球の構造も講義しましたけどね……
基礎を教えるだけで、眼科医療の現場に思いを馳せたことがありませんでした。
一般教養で私たちが教えた事は、こんな風に発展して、繋がっていけるのだと思うと、ワクワクしました。
 
#なお、今日の登壇者の説明が、どのくらい市民権を得ていて、どのくらい最先端で、どのくらい安全なのかは、
#また眼科の医療現場の話なので、今回のセミナーでは出ませんでした。
 

 

                                          
 明日も、シンポジウムは続きます。