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美しい光の謎

本日も、光学シンポジウム話題の続き。 招待講演の方です。
 
『ナノコンポジットマテリアルの光学と応用』  電気通信大学 富田康生教授
 
ナノコンポジットマテリアルで、「富田」 で、つい、別の方を思い浮かべたのですが、
大御所の先生でした。 (友人の富田氏は若いのです)
ナノコンポジットマテリアル(フォトポリマー)を利用した、データストレージ(記録媒体)の可能性ご講演でした。
(この辺の話は興味はあるものの複雑すぎるので、ブログからはサクッと省略)
 
さて、講演の中で出て来た、リュクルゴスの杯
 
イメージ 1
 
 
大英博物館にあるこのカップは、硝子の中に、金、銀、マンガンなどの微粒子が入っていて、
昼間、反射光でを見ると緑に、逆に、光にかざして透過光で見ると赤に見える。
誘電体閉じ込め効果や、量子閉じ込め効果があらわれるナノコンポジット構造。 
その中でも、ナノ微粒子が散らばった、マックスウェルガーネットジオメトリーの構造のためだと考えられる。
 
学部生の頃に、ランダウ・リフシッツで勉強した電磁気学は、
局所電場を全部積分して、その平均値から電場を考える、というのが大前提だった。
自分が学位論文の時に、表面(平面方向に広がる)電場や、局所電場、
分子の並び方など、ナノ構造と、全体の誘電体の関係づけに苦労したのも忘れて、
電磁気学を考えるとき、やっぱり連続体の時にのみ成立する式が頭の中に思い浮かぶ。
 
うん、でも、それだとナノコンポジット構造の、特異な局所電場は説明できないのだよね。
 
イメージ 2
それに、ナノ微粒子の存在がわからない時代にも、
アレキサンドライトの様な宝石が、あったわけで。
 
この分野の研究は、研究でありながら、
すでに存在している不思議なものを、
解明・説明して回っているだけなのかなあ、等と思った。
 
 
マックスウェルガーネットを関係式で、ローレンツの局所電場を書き変えていくと、
古典電磁気学と、クラウシアス・モソッティも、ローレンツローレンツも、矛盾なく繋がっていく。
ぱしっ ぱしっ ぱしっ と、見たことのある式に変形されていくのが、とても快感でした。