ウラシマ効果

　
ちょうど一週間前になるのですが、
先週の日曜日の正午、ほんの30分ほど目を離したすきに、
ミドリン（ミシシッピアカミミガメの女の子っぽくて大きい方）が逃亡しました。

正確には、二匹で逃げて、コミドリン（性別不明で小さい方）はすぐ近くにいたのですが。
炎天下の昼から夜の８時くらいまで、家族みんなであたりをさんざん探しまわったのですが、見つからない。
近所の人にもお願いして回ったのですが、それでも、誰も見かけていない。

手配書（亀探してますのポスター：絵入り←妙に手配書の似顔絵っぽい）を何枚も近所に貼って、
もちろん、警察に遺失物届も出してきて、
近隣マンションの管理人さんたちにもポスターを渡して貼ってくれるように頼んで、

校長先生に言うのが一番いい、と、お抹茶は写真と地図、クラスと名前を書いたチラシを、
月曜日の朝に何枚も持っていって先生達に渡し　（クラスや昇降口に貼ってもらいました）、
学童クラブにもお願いして、クラブの隣の巨大マンションにも、貼り出してもらえることになりました。

同じマンションで地続きの家には、詳細な手紙を書いて郵便受けに投函しました。

 

　　ちっちゃい子のいるお家もあるので、下手に手を出して噛まれても困るし
　　都内集合住宅の典型で敷地内にしか土や植物がないので（つまり、道路や駐車場に囲まれている）、
　　敷地の中にいる可能性も高いと思って、まずは敷地内の追手を厚くしました。
　
　　お抹茶がポスターを持っていくと、「可哀想にねえ、見つかるといいねえ」、と、
　　皆さん協力的でした。彼が必死そうだったからかもしれません。　　

　　なお、昼間剣道に行っていた娘は、よせというのに夜、暗い中を探しに出かけて行きました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　犬じゃないんだから、呼んだって出てこないよ……

 

お抹茶たちは小学生らしく「○○公園で、ミドリガメっぽいのを見た」等と、翌日から情報がちらほら。
でも、15センチクラスのミドリガメは、見つかりませんでした。

娘は、連れ去られたと信じていて、
自分が路上であのサイズのミドリガメを拾ったら、池や公園に逃がしに行く。
３センチで捕まって、５年間ずっと逃げたいと思っていたなら、それでもいいのかも、と、あきらめ気味でした。　

娘が一番可愛がってたんですけどね。

 

お抹茶は、昨夜、コミドリンを見て、
「（ミドリンとは）もう会えないのかなあ……　雨にぬれてないかなあ」　と、心配していました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　気持ちはわかるけど、亀は雨宿りしないんじゃないかな？

 

で、今朝。
　　　　　　　　　　　　戻ってきました！　

 

同じマンションの、別のお部屋のベランダ（地面続きだけど、５０メートルくらい離れてる）に、いたそうです。

毎日探してくれていたのか、昨日まではいなかったのよ、と、捕まえてくれた人が話してくれました。

じっとしていたのが、昨夜の雨で動いたのかもしれません。

 

しばらく水がなくても食べ物がなくても生きているから、気長に探しなさい、と、

助言をくださった皆様、ありがとうございました。

池がないから、今日見つからなかったらミドリンは死んじゃう（水の中でないと食べられないのは知ってた）、

と、嘆いていた子どもたちが、希望を持つことが出来ました。

 

探し所を教えてくださった皆様、ありがとうございました。

まわりのお宅へのチラシに、亀がいそうなところや、どうしているかなどを書きこんだので、

物陰を重点的に探してくれたようです。

 

もちろん、毎日探して見つけてくれたお隣さんも、小学校の先生方も、ありがとうございました。

 

さいごに・・・・・・・浦島太郎の童話を作ったどこかの誰か。　ありがとうございます。

迷いガメが迫害されないのは、童話のせい　“浦島効果”　だと思う、と、娘が言っていました。

拾ったり連れ去ったりしても、あまり苛められたという話がないのは、

恩返しする話が知られているからではないのか、と。　

いや、背中にマジックで、「カメです」、って書かれてたカメがいましたけどね。

逆に言えば、落書きされただけでも、ニュースになるということで。 

 

 正しいウラシマ効果の説明

　　　　　運動している物体の経過時間は、静止している物体に比べて相対的に遅くなる（ｂｙアインシュタイン）。

　　　　　だから、宇宙船で高速に近い速度で旅行して帰ってくると、

　　　　　地球の時間経過との差が出来てしまって、人類がサルにとって代わられた、

　　　　　なんていう未来世界の到着してしまったりする。

　　　　　自分の子孫が老人になってる、なんて言うのもあったな。

　　　　　こんな浦島太郎の様な気分を味わうということで、これをウラシマ効果という。

　　　　　旅行中、楽しいと思うとあっという間に時間が過ぎるよね、という話でも、

　　　　　浦島太郎のお話のおかげで、カメが大事にされる効果ではない。

 

 

---

 

ミドリンは先ほど、干しエビと、生エビを食べました。

お腹が空いているみたいで、レプトミンもたくさん食べました。

 

連れて来て下さったお家には、娘が部活から帰ってきたら、御礼を持って行こうと思います。　　

あと、遺失物見つかりました、って、警察にも言って来なきゃ。