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市民講座を聞いてきました

セミナーに行ってきました。
一般向けの、市民講座というもので、『自然を守る表面科学』 
東京理科大学森戸記念館。 この会場、分かりにくいよ~ 
 
一つ目のご講演は、『物質文明から生命文明への離陸』 ネイチャーテクノロジー 東北大学 石田秀輝教授
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以下は、聞きとったものを自分の言葉で書いています。
石田秀輝教授のお話の正確な内容は、文末の参考サイトなどをご覧ください。
 
2030年に、世界中の人々が、現在の先進国と同じ生活をしようとしたら、地球2.3個分の資源が必要。
2030年に、世界中の人々が、現在のアメリカ人と同じ生活をしようとしたら、地球4.5個分の資源が必要。
アメリカ、すごいや……じゃなくて。

このままでは食料、資源、エネルギー、すべて足りなくなるのが目に見えている。
 
では、どうするか。 資源の無駄遣いをしなかった10年前、100年前、江戸時代、縄文時代まで戻れるか?

日本人は風呂好きだ。肩まで湯に浸かる。
一回のお風呂の水の量は、約300リットル、それを40度まで温める。
2030年、日本の世帯数は、現在より少なくなっていると予測したとしても、
50メートルプールで約8000個分もの水を沸かす計算になる。
2030年に、そのエネルギー、水を得ることは難しくなる……
 
では、どうする? 風呂に入る回数を減らす? 
              シャワーだけにする? 
               拭くだけにする? 
                各家で沸かさないで、風呂屋に行くようにする?      
                                        いずれにしても、我慢が伴う。
 
携帯電話の普及数は、10000個くらいなのだが、例えばその携帯電は10000個の中には、
金が××グラム、銅が××グラム入っている。(←書きとめきれませんでした。)
2030年には、その金属を準備する事が出来ない。
 
では、どうする? 携帯電話を使わないようにする? 
               新しいのを買わないようにする? 
                 10年前は使ってなかったのだから、なくても大丈夫?
                                         嫌だよね。今更手放せないよね。 
 
我慢しよう、という考え方もなくはない。昔の生活に戻るべきだと。
ただ、我慢するのも、手放すのも、人間は不快に感じる。
いったん得てしまった利便性を捨てられないものらしい。(利便性の不可逆性)
江戸時代に戻って、エコな暮らしを使用、と目指しても、それには大きな苦痛と不満が伴う。
 
その上で、では、どうするか?
風呂に入る回数を減らすとか、拭くだけにするとかは、
すべて今日を基準にして明日を考えるという、フォアキャストの考え方だ。
携帯電話に執着するのもそうだ。
残念ながら、今日を基準に同じことを続けたい、それを発展させていきたい、と考えると、
どこかで破たんせざるを得ない。
 
じゃあ、どうするんだよっ?
冷静に考えよう。 君は金や銅の地下資源を使うことが目的なのか?
ただ単に、携帯電話が使いたいんじゃないのか? 
じゃ、金や銅を使わない携帯電話を作ってもらえばいいだけじゃないか。 >>頑張れ工業科学
 
風呂の場合はどうかな、水を使わないなんて風呂じゃないんじゃない?
滝つぼに動物たちが集まるのは、はじける泡が体をきれいにしてくれるからだ。
さなぎの時に泡の中で暮らす昆虫もいる。泡の中の空気が体を温めてくれ、太陽からの紫外線を防ぐからだ。
暖かい空気の泡をつくれば泡は体を温め、はじけるときに超音波で汚れを取り除いく。
そして、その汚れは、ほかの泡が集めてくれる………使用する水は、わずか3リットルだという。
 
 
泡の利用も、考えようによってはバイオミメティクスかと思うのだが、
昆虫にヒントを得るエネルギー対策資源対策はたくさんあって、
例えば、蝸牛の殻を模倣して、洗浄不要のビルの外壁を開発したり、
トンボの翅の構造から、ほとんど風のない状態でも風力発電が出来るようなシステムを開発したり、と、
色々と研究は進んでいる様子だ。
実用化されているものもあるらしい。
 
なお、水を使わない&エネルギーを上手に使っている未来の状態に自分を置き、
そこから過去である現在を思い返し、やるべきことを考える考え方、それをバックキャスト、というそうだ。
 
現在を基準に将来を考えるフォアキャストの考え方から、バックキャストの考え方に変換し、
過去の生活に戻るのではなく、過去の生活が活かされている未来に自分を置くことで、
資源やエネルギーの消費が少なく、なおかつ、満足度の高い将来像を考えていく、
これからは、そうすべきなのだと結んでらした。
 


とにかく、ネットで検索しても、たくさんのインタヴューを受けている先生で、
検索すると、きちんととした記事を読むことが出来ると思います。
夏休みの宿題にしようとしているのか、会場に来ている中高生も、さかんにメモをとっていました。
 
書籍も多くあるので、興味のある方は読んでほしいと思いますが、
会場の雰囲気として、反対意見を持つ方もいそうな気がしたので、
              ↑↑「昔は良かった、昔に帰ろう、それが出来ないのはわがままであると認識すべきだ」 的な考えの人々
コメント欄は承認制にしておきます。
 
 
<書籍>
なぜカタツムリの殻は汚れないのか DOJIN選書22
地球が教える奇跡の技術