ブログ引越し検討中 (仮住まい)

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ペット話題のはずだったのだが

 
              
 
撥水・撥油加工は、比較的ホットな研究分野で、
汚れがつかない布や、水をはじく車の塗料、耳と頬にくっつけても液晶画面が汚れない携帯電話とか、
まあ、数え上げればきりがない。
スマートフォンiPodの表面に、どれだけ指紋が付きにくいか、眼鏡と比較すればわかるだろう。
 
撥水加工は、おおざっぱに言うと二種類にわけられる。
一つは、水が反発力を感じる物質で表面を覆う事。フッ素コートなんかがそうだ。
 
もう一つは、水がつきにくい様な凸凹を作ること。である。
一般的には、凸凹だと接触できる表面積が大きくなるので、水はつきやすく、離れにくく(乾きにくく)なる。
四角い箱を洗って水を切ったとき、角や傷の部分に水滴が残ってしまうのは、直感でわかる(知っている)と思う。
 イメージ 3
ところが、その凸凹をどんどん小さくして、
(水の表面張力でできる)水滴のサイズよりももっと小さくなると、
凸凹の奥には水が入り込めなくなるので、
結果的に水は、凸の先端部分にだけ触れている状態になり、
付着する力がとても小さくなる。 つまりは水がつかなくなる。
 
ハスの葉の表面で水が転がるのはこの理屈で、
表面に細かい凹凸があって、その中には水が入り込めないからだ。
表面に細かい毛が生えている肉厚の植物も、同じ理屈で水をはじく。
 
と、まあ、私は普段からこういう事を考えているわけなのだけども、
その視点で、キミドリンの甲羅を見てみると、
どうして甲羅の一部がザラザラなんだろう?、と、気になるわけだ。
キミドリンのザラザラ加減だと、水ははじかれず、平らな面よりも付着しやすく、乾きにくくなるはずだ。
 
理由をいくつか考えてみる。
   ・何らかの目的があって、赤ちゃんガメの時はザラザラになっている。
   ・本来、大ガメのようにツルツルで汚れが付かないようにしたいが、幼少期の亀は進化していない。
   ・本来、ツルツルになりたいが、卵の中の成分で腐食(?)してしまっている。
   ・キミドリンは何か事故(砂の中で揉まれた?)か表層に傷が付く環境にいて、ザラザラになってしまった。
   
というわけで、可能性の四番目、ザラザラがキミドリンの個体差かどうかをチェックするのに、
(大量のカメを集めて観察することはできないので)
ゆうべ、ネットに散らばるカメさんたちで、ザラザラ表面の写真を集めてみた。
 
イメージ 1
 
写真左から、以下のサイトでいただいた。(まだ連絡していないので、これは限定記事にしておきます)
ザラザラなのはみんな揃って赤ちゃんカメである。 
 
アップにしてみる。
イメージ 2
 
キミドリンが何らかの損傷を受けて、甲羅がザラザラになったのではないということが確認された。
事故でも生まれつきの個体差でもない、ということだ。
しかも、赤ちゃんカメ達はみな湿っているように見える。
大きなカメの写真も眺めてみたが、表面は目視段階ではつるりとしていて、
しかも(甲羅干しの写真が多いせいか)からりと乾いている。あるいは乾いた土に覆われている。
 
ちっちゃいカメさんたちが、ザラザラ表面の甲羅を持っているのは、保水のためなのか?
そういえば、赤ちゃんガメが甲羅干しをしているのはあまり見たことがないが、
それが天敵から身を守るためなのか、日向の心地よさを知らないためなのか、
それとも本当に乾きたくないからなのか、私には不明である。
 
腐食可能性の方は、剥がれた甲羅を溶き卵の中にでも浸しておいて、ザラザラになるか調べてみようかな。
 
 
なお、お腹の模様についても、無作為検索をした結果、模様はフィンガープリントの様な個体差であって、
しかも、成長するにつれて不明瞭になって、黒っぽくなる、という傾向が見られた。
 
              
 
そうそう、撥水加工だの撥油加工だのと一緒に、亀・甲羅なんて入れて検索すると、
各種研究所の表面処理の話題がヒットします。
ちゃんと研究されているんだなあ、と、思うのと同時に、
最近外部資金がついていたりするのを見ると、せめてミドリンを捕まえた時(2008年春)に、
当時ザラザラであったであろう彼女の甲羅から、この辺の表面処理ネタを思いつかなかったかなあ、と、
自分がちょっと悔しいです。
 
つい先ほど、科研費の基盤程度(数百万)の資金ですが、予算採択の連絡が入りました♪
帰国直後にも一つあたってるし、なんとなくついているかも。