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(創作) 古代生物展

注:創作の、ショートショートです
 
 
斜め後ろのピートが、僕の背中をちょん、と突ついて言った。
 
   「今度の休み、博物館行かないか? マンモスやモルトの復元展示があるんだって」
 
博物館の事は知っていた。朝、CMでやっていたからだ。
 
ピートはもともと、古代生物や化石が好きで、古代魚の牙を宝物にしている。
ティラノサウルスや、トリケラトプスプテラノドンなんていう派手な恐竜たちも、僕はピートに教えてもらった。
でも、彼が本当に好きなのは、もう一時代前の、ヘレラサウルスやアーケロンなんだ。
何を間違ってモルトなんて見に行きたくなったんだろう? 気まぐれにもほどがある。
 
   「ティラノサウルスが来てるなら行くけど、モルトじゃな~」
 
   「それが面白いらしいんだよ、新しい発見があったって、チラシに………」
 
モルトというのは、20フィートにもなる大型哺乳動物で、
ほんの短い間に繁栄して、あっという間に滅びたから、最近まで見つからなかったらしい。
それに古代哺乳類は体毛がフサフサしたのが多いと思っていたのだが、モルトにはあまり毛がない。
骨格からの想像図を見たけど、ぱっとしない。
大体、ティラノサウルスたちが、自分たちにはどうすることもできない隕石災害で滅んだのに対して、
モルトは急に増えすぎて自滅したんじゃないかって話だ。
 
   「いやいや、モルトって、ティラノの化石から復元作業したり、歴史書まで作ってたらしい」
 
   「まっさか~」
 
   「それどころか、原子核崩壊を利用した………」
 
   「ピート! ナサニエル! 2人とも、授業中に騒がない!!」
 
           「ごめんなさい」
 
                僕もピートもあわてて触角をひっこめた。 先生の複眼は完璧だ。
 
 
 

 
 
カエルさんのページに、恐竜展の話が出ていて、
 
次に地球を支配する“別のもの”が…
「滅びた人類展」を開催する日も来るかもしれぬ
 
と、あって、なんとなくその時代のお話を作ってみました。
(ピートたちの足は小さいので○○フィートは人類のものと別の単位になります)
 
 

ピートとナサニエルは、あのピートとナサニエルの名前を借りました。 
触角、ないですけどね