船をおりる勇気

知人の一人が職場を変えた。
第３者からいろいろ話は聞いていたので、
まあ、そんなこともあるかな、とは、思った。

最高学府が最高の職場とは限らないし、
彼は彼なりの、将来展望というか、勝算もあるのだろうし、
彼なら、きっとどこでもやっていけるだろうし。

でも
巨大な船から一人おりて、ボートに乗り込む心境が、今の私にはわからない。

確かに、巨大な船の船長にはなれないかもしれない。
でも、波、高いじゃん。
自分で研究費とるのって、大変じゃん。
自分の研究室になったら、雑用だってもっと増えちゃうじゃん。
大きければ大きいほど安全だ.....とはいえないかもしれないけど、
波が来た時に揺れは、大きな船のほうが小さいと思うんだけどなあ。

新しい海の魅力は、わからないでもない。
大きな船は、自分の行きたい方向に進んでいってはくれない。
望むスピードで走ってもくれない。
だから、自分で舵を取りたいのもわかる。
私だって行きたいと思うことがあるから。

でも....私はまだ駄目だな。
新しい海を夢見ながら、大きな船の上でまどろんでる。
自分で荒波に揉まれる勇気は、今のところ、ない。

写真はストックホルムのVASA号。2005年の撮影。
このころは、一緒の仕事もしてた。
少し、懐かしい。

ともあれ、新たな出帆を祝して....　乾杯