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昔の読書録 『死国』

作家の坂東眞砂子さんが亡くなったそうだ。
 
デビュー作の『死国』の評判がえらく良かったので、文庫になった時にすぐに読んだ。
 
四国の88か所の札所を逆回りに回ると死者がよみがえる、という伝説のもと、
娘を失った母親がそれを復活させようとし、
久しぶりに故郷に戻った娘の親友や、娘の元彼が巻き込まれ、止めようとする。
全体的におどろおどろしい田舎の風習やしきたりに絡められて話が進んでいくが、
その手のものを不愉快としか思わない私にとっては、この内容はイマイチだった気がする。
 
  札所の逆打ちで死人が復活するなら、ツアー組んで儲けるわっ  ←恥ずかしいけど当時の第一感想
 
クリーチャーがワラワラ出てくるダイナミックなホラー話ではないし、
かといって、人間の精神や運命にからめ捕られて、という重苦しい呪いでもない。
ホラーブームにうまく乗っかってヒットしたけど、どうだったんだろ、あれ、と、今でも思う作品の一つです。
 
いや、でも、評判はいいので、横溝正史の作品がすべて好き、って思える人ならばよいかも。
 
 
坂東氏に関しては、
彼女は女性の欲求や生き方について独特の考えがあったようで、
ライターさんだからそれをエッセイとして主張するのは悪くないと思いましたが、
実践する(そして公言する)のはトラブルのもとだし、
また、彼女のような考え方をし、それを人間の子供に対しても実践してしまう人がいる今の世を、
彼女はどう思うのだろう? ………と、将来書くであろうエッセイを読んでみたい気もしていました。
それに、
 
  本能や快楽に忠実なのはかまわないけど、生物の本能は、種を絶滅には導かないものでは
 
『猫殺し』のエッセイを読んだときに、その言わんとすることや、巷の動物愛護の話の盛り上がりとはズレて、
子殺しを雌の快楽とか本能につなげるのは、動物学的にどうよ、という事しか感じられませんでした。