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(重慶)観光はパンダだけじゃない

月曜日で博物館はお休みだから、
Three Gorges (三渓) MuseumではなくHuguang Guild Hall (湖広会館)に行こう。
童顔のツアーガイド、チャーリーが提案する。

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禹王宮は神社や寺みたいに見えるけど、神社でも寺でもない。
祭壇はあるけど、ここに住んでた人のためのものだからね。
チャイナタウンを見たことある? チャイナタウンの家。同じ地方出身の人たちが、集まって住む」

「壁で囲まれて、真ん中に中庭がある。中庭を向いた建物が繋がって、同郷出身者が住んでいるんだ。
塀に囲まれた小さな村みたいな感じかな。その中には、彼らのための祭壇がある。
今日みたいなひどい雨や霧の出ている日でも、どうっていうことはない。
建物は繋がっているから、祭壇にも、裁判所にも、銀行(?)にも行ける」

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赤い札に書かれた願い事は、ちょうど日本の絵馬みたいだ。同じルーツとみた

湖北省湖南省は水害が多かった地域だから、禹王宮には洪水を鎮めた大禹が祭られている。
知ってる? 紀元前2000年に、選挙や話し合いでKINGを選んだんだ。 
Emperorは親が皇帝ならその子が皇帝になるけど、Kingは一番仕事のできる人がなる。
凄く進んだシステムだったんじゃないかと思う。
それにここで、お祭りをしたり、同郷者への金融(金貸し)、受験用の宿にもなるし、子供への教育もしてたし。
この石の四角いのは、防火水槽だ。昔の家は木製だからね、火事は怖い、
雨水がここに落ちるような作りになっていて、ここから、あふれれば川に流れるように作ってある」

「そうそう、重慶は暖かくて、水が凍らないから石の防火水槽が作れる。
北の方では金属じゃなきゃ(凍って)割れちゃうから、それも重慶で進んだ設備が作れた理由かな」
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「ここは昔のスターバックスだよ だれでもお茶を飲めるようになってる。
すぐ正面が舞台だ。お芝居を見たり、お祭りをやったりする。
ここは風が通って涼しい作りになってるし、この椅子、背中に大理石が嵌めてあって、寄りかかると涼しいんだ。いろいろ工夫があって、きっと当時はとても文化的な生活をしてたんだろうな」

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わずかに、“昔の中国は”とても文化的な……と、言ったように聞こえないでもない。
重慶生まれで重慶育ちの彼は、ここがとても好きなようだ。

「あとで磁器口に行くけど、そこで買うよりここの方が(博物館仕様で)いいものがあるよ。
土産物屋で、絹とは思えないほど安いスカーフを見つけたら、それは絹じゃないと思わなきゃ」 ←明快

昔からあったというおもちゃを購入。30元(珈琲一杯分くらい)。
Pipiboy(和訳するなら小便小僧)は、空気の膨張を利用していて、そんなことよりクレヨンしんちゃんに激似だ

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あまり日本語の説明サイトがないけど、これがそうかな。
重慶の湖広会館 http://japanese.cri.cn/189/2007/07/09/1@97926.htm



学会で紹介されたツアーなので、
買い物目当てよりも、歴史や文化見学をメインに、って感じだ。
あいにくの雨で、写真を撮れなかったので、学会の紹介メールから。 Hongya Cave(洪崖洞)。

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ダムができるまで水害の多かった重慶は、山の斜面に沿うように建物があり、
上に行くほどリッチな人が住んでいたようだ。
これは遺産として残してある建物だが、崖の上にあるマンション群を見ると、今も同じ風景がだぶる……



最後に案内されたのは、Ciqikou Ancient Town (磁器口)という古い街並み。
今は土産物屋や、テイクアウトの軽食屋がひしめく場所だ。

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これも学会で送ってくれた晴れた日の画像。

実際にはどしゃ降りだったので、私とデンマーク女性、イタリア女性、それからオーストリア男性の4人は、
「買い物はいいや」 と、コーヒー休憩をしていた。

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磁器口入り口から階段を上がってすぐ左の珈琲館は、30元(高い)でちゃんとドリップした珈琲を飲める。
何よりも洋式のトイレがきちんとあるので、ほっとする。
観光地なんだなあ、という気はするが、
本来は外国人のための観光地ではなく、中国からくる中国人が多いんだそうだ。

窓から見おろしていたオーストリア人が、「すぐ下でお餅を作っているよ」、というので覗いてみる。
左の写真の真ん中へんに、歩道に置いた石臼に杵を突っ込んで休んでいるお兄さんがいる。

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下に降りてみたら、MOON Cakeと聞いていた満月型のお菓子(おまんじゅう)を作っていたようだ。
右はインカムをつけてMoon Cakeを売っているお兄さん。
音楽に合わせて、やたら軽快だけど、中国語なので何を言っているのかさっぱり

そういうわけで、表向きは観光地観光地しているのだが、
少し目を上げれば、細い階段が続き、屋根の上に剥がれ落ちそうな瓦が張り付いているのが見える。
古い重慶の街並みが残っているのは、ここだけなのだ、と、チャーリーが言う。

 「他は水害で流れちゃったのかな?」
 「いや……あの。日本人がいる時には、言わないんだけど、
他はゼロ戦空爆されて、何もなくなっちゃったんだ。いや、昔のことだよ」

なるほど。 
実は動物園の時も、女性が多いから言いたくないんだけど、と、
質問に答える形で初めて、パンダが二匹産むと赤ちゃんの片方を殺してしまう話をしていた。

学会ツアーはこのあたりのツアーとしては飛び切り高級で、
だからチャーリーも高給取りのツアーガイドなのだと思う。
ビーフェイスでおやじギャグ乱発でも、客層を見てとてもとても気を使っている。
それに自国を自慢する傾向の強い中国人の中で、
彼は(中国全体ではなく)重慶の歴史が好きで重慶の歴史が誇りのようだ。

重慶は北京とは違う、上海とも違う、たまに偽物の商品もあるけれど、
正直な人が多いし、観光客や旅行者を狙うような割に合わない犯罪はしないよ」

重慶には大学が70もあって、みんな学歴が高い。
犯罪といえばITがらみの犯罪ばかりで、たまに銀行がやられる。 White Crimeというのだそうだ。
だけど、観光客や一般市民は安心。夜でも出歩ける。
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「そうそう、重慶に流れる川のうち、長江は濁ってて茶色、 
嘉陵江はきれいな緑色だから

二本の川が重慶で合流するところでも、色が分かれてる。
重慶火鍋が鍋を区切って二色にしているのはそれを模しているんだ。
工業廃水で汚れちゃってることあったからね。
変な色の火鍋は嫌だろ、きれいに戻ってくれて良かった」

私は辛い物が苦手で&辛い物が苦手なメンバーとばかりツルんでいたので火鍋を食べるチャンスがなかった。
上の写真は検索して出てきたものだ。 赤い方が激辛なんだそうだが………

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これは重慶ではなく、重慶>>北京間の飛行機から見た別の湖。
左上方の川から入ってくる茶色の水が、深い青の湖に広がっているのがわかる。
もともと、土の色や水の色で、こういう現象が多くみられる土地なのだろう……



オーストリア人がツアーバスを降りる時、
 「僕は彼にチップを払おうと思う、中国では不要だって聞いたけどね」
みんな同意して、少しずつ、細かいお金をあわせて渡した。

チャーリーは、  「また重慶に来てください」、と、満面の笑みで手を振っていた。