ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

ブラック自慢

どうやらブラック企業に就職してしまったらしいブロ友さんに捧げる、
応援とも慰めともつかない、いやむしろ、
これでも読んで笑ってください、というつもりで書いてみた………的な記事。
新幹線の中で書いていたもの、その1です★




●ブラック上司●

私は大学以降の友好関係および職場関係はとてもラッキーで、
いわれのない差別を受けたり困ったたりしたことはないのだが、
一度だけ、ブラックな上司にあたったことがある。

研究所所属なので、普通の会社とは違うかもしれないが、仕事内容はともかく
所長がいて、研究部があって、研究室があって、という当時の構造は、
社長、部長、課長、係長みたいな階層構造と、ほぼ同じである。


そいつは、やってきた時から、「それで研究所の仕事できんのか?」って感じの奴だった。
いい年齢だったので、私のいた若手ばかりの研究室の室長として採用されてきた。

ところが、装置の調子が悪くてデータが出ない部下に対し、

「仕事には心がけが云々」、という “知識のないやつが言いがちな助言” を施し、
はては
「仕事がうまくいかないなら、この本を読みなさい」 と、宗教本をさしだす始末。

その時点で室員たちはドン引きだったのだが、
よくよく聞けば、その宗教団体系の代議士のゴリ押しで就職してきた、らしい。

ゴリ押ししてまで入りたい職場か? いや、仮にも国立研究所なのに、なんで代議士の口利きに負けるんだよ、
というよりも、国研は国の省庁や議員には弱いから仕方ないのかな、とも、想像した。

.    なお、現在は採用基準がガッチガチに決めてあって、
.    しかもその基準を頻繁に公表するので、コネやゴリ押しの余地はない。
.    というよりも、コネ採用がウザいので、採用基準を明言したのかもね。
.    小保○騒動みたいなのは、わが職場ではありえないのである。

さて、そういう奴だから、公務員法もわかっていなくて、
上司に付け届けを送りまくる、接待しまくる。 (←慣れてなくて引っかかるやつもいたな)
出入りの業者に付け届けを求める。

 「契約機種の決定権は僕にあるんですよ」 まで言いだし、
「でも、謝礼は禁止されてるし、まずいんじゃ」という業者に
 「それなら研究所でなく自宅に送ってくれ」と、指示をする。

また、研究所の仕組みは(大型プロジェクトで命令系統がきちんとしているとき以外)、
同じ研究テーマの部下が欲しければ、部署の職員ではなく(自分の研究費で)非常勤職員を雇うのだが、
その辺も全く分かっていない様子だった。

その後、本来自分でやるべき雑用を部下に押し付ける、
         (>>メールなどで証拠が残らない限り、聞かなかったことにするのが流行ってた
自分の仕事ができないものだから、部下の仕事や企画を自分の名前で発表する、
         (>>ロシア人の部下に「裁判を起こす」と、訴えられてた)
本来、契約部門を経由しなければいけない発注業務を、自分勝手に進めてトラブル
         (>>ぶちきれた契約部門が、業者に向かって「研究所からの発注ではないので、個人に請求してくれ」と、暴言)
実験装置の扱いがヘタで、勝手に他人の装置に手を出してはすぐに壊す。
         (>>ヤツが使えないように、装置のコントローラにパスワードを設定するようになった)

などなど対抗されつつも、ブラック上司ぶりを発揮し、周囲や部下に緊張感を強いることとなった。


●脱出作戦●

さて、ここで部下たちは考えたわけだ、
どうやったらこいつの部署から逃げられるか?
(部署間の異動は可能なので、失敗したら収入がなくなる転職よりは楽だと思う)

部下をもっと増やさなければ仕事が立ち行かないと常々言っていたから、(←お前の仕事が遅いんじゃ
簡単には移動させてくれないだろうし、
代議士にコネがあって、上司にウケが良くて弱みを握ってそうな奴だし、(←上司の飲酒運転のもみ消しをどーのこーの)
かといって、50近すぎまでこの性格だったら、いまさら改善は望めないだろうし。

しゃあない、もっと上の上司を脅すかそれには証拠固めが必要だよな~、と、対処療法。

・データ類はパワポやワードでなく、加工ができないpdf画像にして渡し、
.            (盗用防止のため)そのままでは発表できないようにしておく。
・暴言妄言は、耳で聞かずに、メールで出させるようにする。
・被害者が自分だけにならないように、被害範囲を広める。

おかげで、暴言を吐かれても、とんでもないハラスメントをされても、
「(決定打にするには)もう一声っ」、
「今のはおしいっ」などと、いつの間にやらゲーム感覚
とんでもない中傷メールにも、傷つく間もなく、 「へっへっへ、後で泣くなよ」と、ほくそ笑む。

「○○新聞を買ってください」 というしつこいお誘いには、
「あ、私、忘れちゃうかもしれないので、メールでお願いします。
.    私はイマイチですが、若い人たちだと興味を持つかもしれませんね

.       「若い人」発言は、完全にトラップである。
.       ブラック上司はその後、所内メールで新入職員全員に 「○○新聞を買ってください」 と送信して、
.       大騒ぎになるのである……うけけけけけっ


●次々と部下脱出の後●

その後も異動願いを出し続け、最終的には所長との面談にこぎつけ、
「弁護士の友人に相談してます」、 「現在○○省にいる恩師に相談したら……」
なんて言葉をちりばめつつ、強気で交渉、
「うちの研究室においでよ」と、言ってくれた別の研究室に異動することができた。

私の脱出後、次々と離脱する仲間が増え、それぞれに新部署に異動し、
あるいは別の大学に移っていく人なども出てきて、
件のブラック上司のもとには、非常勤職員のみが残ることとなった。

.    ・なお、当時同じ部署で苦労した職員&非常勤職員は今でもみんな仲良しです。 ←けがの功名、といふ

加えて、そんな状況が長続きするわけもなく、
いつの間にかブラック上司は、一人で細々と実験装置に向かうようになった。
当然のことながら、彼の実力で研究発表ができるはずもないのだが、
それでも定年までクビにならなかったのは、公務員の甘さかもしれない、と、思う。

ブラックな奴はいろんなところにいるわけで、
転職さえできれば本当はここまで嫌う必要はないのだけどね……

ここまで嫌った理由は、忘年会だかの席で、隣でたばこをつけようとした彼に、

「妊娠しているので、此処でのたばこは控えてください」 と言ったら、
「こんな日本で、子供を産もうという神経がわからない」  って、わざと煙を吹きかけられたからだ。

……もう、軽く殺意を覚えましたよ。

まあね~ 奴がヘビースモーカーなのは知られてたし、
この件も「異動できなかったら、この件も含めて○○府○○局に相談する」って
有効に使わせていただきましたけどもね。



●研究者の転職は気楽で、研究者の転職は大変●

研究者の転職は気楽だと思う。
どんな年齢になっても、絶対的な成果があれば職を得られるから。
日本で駄目でも、他国のポジションがオープンになっている、差別も少ない。

その一方で大変だ、ともいえると思う。
ブラックな大学や研究所に所属してしまって、そこから出ようと思ったならば、
そんな環境で研究成果を出さなければならないからだ。
この人、脱出希望なんだろうな、と思う研究者に、実験装置を貸したり、
大型予算へ共同申請したりすることはままあるから、
そういうスキルアップの時点では、コネや付き合いが大事なのかもしれないね。


いい上司の下で働きたいものである & いい上司になりたいものである。