月食のヒーロー?
自宅近くの学校に通う小学生の個人面談は、間昼間の2時3時ごろのことが多く、
そうなると長距離通勤の私は、休暇にせざるを得なくなってしまう……
自分の都合で休めるのだから、まあ、都合の良い職種&職場ではあるんだけども。
その分、持ち帰りの仕事が大量にあったとしても。
忙しい友人の昼休みを借り、研究資金申請書を査読してもらった。
募集要項からキーワードを拾い出すことや、
申請書書きに長けていて、もちろん山ほど実績もある彼女は、
その特技と実績を惜しげもなく発揮し、私の書類を鍛冶ってくれる。
(鍛冶る:刀鍛冶が刀を鍛えるように、小説ほかの文章を
. 叩いて推敲してもらうこと。刺激的な友人(←パクリ表現)である
. 赤井都さんの造語(……・だったと記憶する))
今日は月食だ。
月が上るまでは、覚えていた。
まあ、それはともかく、鍛冶ってもらった申請書類の書きなおしだ。
当然、残業することになる。
月は上ってしばらくすると、あたりが暗くなって、キラッとしてきた。
この間も、ず――――――ッと書類書き。
今日は保険屋さんや業者さんとの打ち合わせが多すぎたのが、
仕事が進まなかった原因だよな。
はっと気づけば、すでに8時。
「月食は?」 と、高層階の窓から外を見たら、
かろうじて赤くなった月を発見することができた。
書類に戻って、10分少々、
気になってしょうがないので、再び外を見るとすっかり消えていた。
そのまた15分後。
書類は家に持ち帰ることにして帰路に着くと、
月の片側が出てきていて、輝石のリングみたいになっていた。
家について、書類の続きを書きなおす。
なんというか、文章を全とっかえしている感じで、でも、楽しい。
査読者の元気さが移ったかな。
査読してくれた彼女の修正とコメント付けは、とてもとてもありがたいのだが、
彼女はいつも無償で、何も求めないので、
「なんで助けてくれるの? 私の立場と実力じゃ恩返しできないよ?」 と、昔から問うているのだが、
彼女からは自分が他人を助けるのは、「正義の味方だから」 との答えが返ってくる。
「だって、公僕じゃん?」 みたいな。 (←あんたは竜崎か)
最高学府OGで大学院は米国で……という才女が、
何を考えて冗談(時にはおやじギャグ)ばかりいうのか、
本当にそれは冗談だと思っていていいのかどうか、私には知るすべもない。
含みの有無を考えるのは、知り合ってすぐにあきらめた。
エネルギッシュで、パワフルで、いつもまわりを笑わせてばかりいるけれど、
神経質なくらいフェアで、曲がったことが許せなくて、だから弾き返されちゃう人もいるんだろうな。
私だって、後ろ暗いことがあったら、会うのさえつらくなるだろうなあ、と、思う。
ああ、だから正義のヒーローっぽいんだな。
彼女が言う「月光仮面」を私は知らなくて、
仮面ライダーみたいな触角のついた人を考えたことは、以前書いた。
月夜に出る、夜行性のライダーも悪くない。
………と、月食を見ながら思い出したのだが。
. 違う。 月タイプじゃない。どう考えたって、灼熱の太陽タイプだな~
. 娘が小さいころ好きだったセーラームーン→
書類には、口頭で言ってくれたコメントも取りこぼしなく反映させたいけれど、
まだ何か忘れているような気がする。
最後につけてくれたコメントは、「もっと熱く、情熱をこめて書け」 だった。
でも、「どうしても研究費が欲しい」 という情熱を、私はうまく持つことができないから、
代わりに、「どうしてもこの原因を知りたい」 という情熱で置き換えることにする。
この研究が完成したら、世の中はどんなふうに変わるだろう?
そんなことを考えながら書き進む申請書類は、どうしたってやっぱり、楽しくなるものだよね。
そうなると長距離通勤の私は、休暇にせざるを得なくなってしまう……
自分の都合で休めるのだから、まあ、都合の良い職種&職場ではあるんだけども。
その分、持ち帰りの仕事が大量にあったとしても。
忙しい友人の昼休みを借り、研究資金申請書を査読してもらった。
募集要項からキーワードを拾い出すことや、
申請書書きに長けていて、もちろん山ほど実績もある彼女は、
その特技と実績を惜しげもなく発揮し、私の書類を鍛冶ってくれる。
(鍛冶る:刀鍛冶が刀を鍛えるように、小説ほかの文章を
. 叩いて推敲してもらうこと。刺激的な友人(←パクリ表現)である
. 赤井都さんの造語(……・だったと記憶する))
今日は月食だ。
月が上るまでは、覚えていた。
まあ、それはともかく、鍛冶ってもらった申請書類の書きなおしだ。
当然、残業することになる。
月は上ってしばらくすると、あたりが暗くなって、キラッとしてきた。
この間も、ず――――――ッと書類書き。
今日は保険屋さんや業者さんとの打ち合わせが多すぎたのが、
仕事が進まなかった原因だよな。
はっと気づけば、すでに8時。
「月食は?」 と、高層階の窓から外を見たら、
かろうじて赤くなった月を発見することができた。
書類に戻って、10分少々、
気になってしょうがないので、再び外を見るとすっかり消えていた。
そのまた15分後。
書類は家に持ち帰ることにして帰路に着くと、
月の片側が出てきていて、輝石のリングみたいになっていた。
家について、書類の続きを書きなおす。
なんというか、文章を全とっかえしている感じで、でも、楽しい。
査読者の元気さが移ったかな。
査読してくれた彼女の修正とコメント付けは、とてもとてもありがたいのだが、
彼女はいつも無償で、何も求めないので、
「なんで助けてくれるの? 私の立場と実力じゃ恩返しできないよ?」 と、昔から問うているのだが、
彼女からは自分が他人を助けるのは、「正義の味方だから」 との答えが返ってくる。
「だって、公僕じゃん?」 みたいな。 (←あんたは竜崎か)
最高学府OGで大学院は米国で……という才女が、
何を考えて冗談(時にはおやじギャグ)ばかりいうのか、
本当にそれは冗談だと思っていていいのかどうか、私には知るすべもない。
含みの有無を考えるのは、知り合ってすぐにあきらめた。
エネルギッシュで、パワフルで、いつもまわりを笑わせてばかりいるけれど、
神経質なくらいフェアで、曲がったことが許せなくて、だから弾き返されちゃう人もいるんだろうな。
私だって、後ろ暗いことがあったら、会うのさえつらくなるだろうなあ、と、思う。
ああ、だから正義のヒーローっぽいんだな。
彼女が言う「月光仮面」を私は知らなくて、
仮面ライダーみたいな触角のついた人を考えたことは、以前書いた。
月夜に出る、夜行性のライダーも悪くない。
………と、月食を見ながら思い出したのだが。
. 違う。 月タイプじゃない。どう考えたって、灼熱の太陽タイプだな~
. 娘が小さいころ好きだったセーラームーン→
書類には、口頭で言ってくれたコメントも取りこぼしなく反映させたいけれど、
まだ何か忘れているような気がする。
最後につけてくれたコメントは、「もっと熱く、情熱をこめて書け」 だった。
でも、「どうしても研究費が欲しい」 という情熱を、私はうまく持つことができないから、
代わりに、「どうしてもこの原因を知りたい」 という情熱で置き換えることにする。
この研究が完成したら、世の中はどんなふうに変わるだろう?
そんなことを考えながら書き進む申請書類は、どうしたってやっぱり、楽しくなるものだよね。