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読書録 『ナミヤ雑貨店の奇跡』

角川文庫 『ナミヤ雑貨店の奇跡』 東野圭吾 読了

夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。
家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。
あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。
物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。
.                             Bookデータベースより

東野圭吾は嫌いじゃない。
ガリレオ』は面白いと思うし、『名探偵の掟』や『おれは非情勤』も面白かった。
『毒笑小説』や、『怪笑小説』は大好きだ。
ラストが気に入らなかったものの、『白銀ジャック』も良かった。

ただ、(彼の小説は7割がた読んでいると思うのだが)
『秘密』や『変身』など、主人公の心情を掘り下げるような小説を気に入ったことはない。

新本格と言われていた分野の人たちもそうだが、
推理小説家が描く魅力的なキャラクターというのは、方向性が決まっている。
.             実際にはなかなかいそうもない、変人だ。
強烈なキャラクターではないと、魅力をキープできない、ともいえる。
だから、変人名探偵が出てこない小説を書いた時、こんな女居ないよ、とか、リアリティなさすぎ、となる。

別に、推理小説に人間描写を求めているわけではないので、それは構わない。
でも、もしも人間描写も良くて、推理小説的にも面白かったら鉄壁だよなあ、と、思っていた。


ナミヤ雑貨店、いいです。
変人じゃないのに、探偵は出てこないのに、殺人も起きないのに、いいです。

人間が、みんな魅力的です。

内容的には、「生協の白石さん」 の、アレンジだし、
SFっぽい面があるにもかかわらず科学考証は皆無だし、
それでも、細かな布石や縦糸横糸がうまい具合に絡み合って、実に感動的なお話に仕上がってる……


東野圭吾はいつの間にこんな小説を書くようになったのだろう?


直木賞を取った後、しばらく駄作の出版(sorry!)が続いたので、読まずにいたのだが、
これからはまた、新作を見かけたら買おうと思います。