エネルギー問題
① 無題:ノンフィクション
家の近くの更地で工事を始めるらしく、
土の上に、骨組みだけの三角テントみたいな形に、丸太が組み合わされていた。
真ん中に何か吊るされている。
何になるのかなあ、と思いながら見ていたら、向こうから登校途中の小学生が歩いてきた。
「何になるのかなあ~」 。o ○ ((子供も同じ事考えるんだな))
「俺、知ってるよ、このあいだテレビで見たもん」
「え、なに?」
「油田だよ、石油はああやって地下から汲み上げるんだ」
. 。o ○ ((かっ 亀有油田 ))
. 確かに、サッカーロッドポンプに似てなくもないが、よくそんなの連想するねえ……
② 社史:フィクション
石油資源も限りがあり、かといってあんな事故の後では原子力にも頼れない。
そんなタイミングに、バカバカしく採掘が簡単な場所で良質のシェールガスが見つかるなんて、
なんてラッキーな会社なんだ。僕はこの会社に入れたことを誇りに思う。
入社式の壇上に出てきた社長が、大きく息を吸った。
. 「~♪裏のハタケで、ポチが鳴く~♪ 正直爺さん掘ったらば~
というのがわが社の油田開発の始まりです。
マスコットが白い犬なのは決して某電話会社がスポンサーになっているからではなく…………」
③ エネズゥ:フィクション
社会科見学で発電所に行った。
発電の部屋はとても暖かくて、臭いけど香ばしいにおいがした。
暗くしてある奥の方から、音が聞こえた。
カラカラカカラカラ カラカラカラ カラカラカラカラカラカラ カラカラカラカラカラ カラカラ
. カラカラカラ カラカラカラカラカラ カラカラカラ カラカラカラカラカラ
. カラカラカラカラカラカラカラカラ カラカ カラカラカラカラカラ
. あ。 『ENEZOO』 って、そういう意味か。
④ エネルギー問題 : ノンフィクション
長さ40㎝の糸の先に、重さ一キログラムの鉄球がついている。
鉄球を糸がたるまないように水平に持ち上げ、静かに落とした時、
最下点を通過する時の運動エネルギーを求めなさい。
「……え?」
なお、糸の重さ、および空気抵抗はないものとする。
「だから……」