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E to E エッシャーからエネルギーへ。あるいはぜんぜん建設的でないエネルギー問題の戯言と、前衛絵画と神様について。

長いだけでわかりにくいし興味のない人にはつまらないと思うので、テキトーに読み流してください。
と、思いつつ電車の中でこれを書いている。(←今朝ね)



類友なのか呼び寄せたのか、私の友達にはけっこうな割合でエッシャーファンがいて、
時々『ウォーターフォール』みたいな永久機関のことなど話したり考えたりするのだが、
私が『ウォーターフォール』を見て一番初めに考えたのは 『エネルギー保存の法則』で、

   。o O *1、  だった。

イメージ 1                                                                                                                
安野光雅とかJ=ビーバーとか他のトリックアートの人の作品には感じないのに、
エッシャーの絵画は数学的で科学的で、トリック中にメッセージが含まれている気がする。
ウォーターフォールエネルギー保存の法則だ。


曲面や曲線を数式で表すことは統計処理をしてたり図面を引くのに便利なので、
サインカーブだとかハーモニックカーブだとかカテナリーカーブだとか名前がついていて、
統計学ガウスカーブなんかも耳慣れ・目慣れしている曲線だ。
ところが目慣れしている割にメビウスカーブを数式で示すことは難しく、
だから数学好きなエッシャーが『メビウス』を描いたのは、私としてはとても納得できることなんだ。イメージ 2


でもって、エッシャーはそこに蟻を乗せた

蟻はオモテ面を通っていつの間にかウラ面を歩かされ、気づくとまたオモテ面に運ばれている。
もともとメビウスループはそういうものだけど、エッシャーの描いたそれはとても小さい。
まるで邪悪な回し車だ。
   (いや、ハムスターが回し車を回すのは奴らの趣味だからだ、という研究報告もあるのだが)
蟻の歩く足元は透けていて反対側が見えそうなもんだけど、蟻はただ歩く。
なんだか、悩みの袋小路に陥った人間の脳内ループを見ている気がする。
見えそうで見えないんだよ。この道、怪しいと思ってるんだけど、でも、無限に繋がった袋小路なんだよ……

そうそうそうそう、そうだよね。
      (だからエッシャーって好きさ


自分が表現したり、処理したりできないグズグズもやもやしたものを、具象化して昇華してやるのがアーティストだ。 
と、アメリカ人の誰かが言っていた。ジャズか何か、音楽の人だった気がする。
自分のもやもやを目に見える形にしてもらえたら、たぶんその人のファンになる。
小説や絵だってそうだ。ついでにタッチがクール(かっこいい)でクリア(わかりやすい)だとなおさら好きだ。
だから私は数式が好きなのだし、エッシャーが好きなんだ。


ところが、何かもやもやしたり目新しいものがやってきた時に、
それを、自分の中にある知識のどれかに、ポンと割り振ってしまうと、なんだか自分が愚鈍化する気がする。

エッシャーみたい」
「確率論的な思考だなあ」

もちろん、そういったラべリングは思考する時間の短縮になって、
考えることが仕事で考えることを売っている自分としてはとても要領のいい作業なのだけど、、
結果的に考えることが薄くなって---- 嗚呼、自分は歳食ったなあ、と思うのだ。
蟻は蟻、邪悪な曲面は邪悪な曲面としてとらえたって、「そうそうそう」 なのに、
「めびうす」 とか 「えっしゃぁ」 ってキーワードが出てくることで、解決してもいないのに気が済んじゃうんだよね。

それは病院に行って、自分の病名が分かるだけで安心する心理と似てなくもない、と、思う。
痛みが消えたわけでもないのに、さ。



「今年の冬は寒かったから、夏は暑くなると思う」と、直感的に考えるのは
無意識のうちにエネルギーバランスを考える理系の思考だ、と言われた
(もちろん気象学や数年単位のデータが頭に入っていたら別の答えが出る可能性がある)。

でも、理系の人間だって、午前中暑ければ午後も薄着で出かける。今暑ければ1時間後も暑いと考える。
要は数時間という時間で考えるか半年という時間で考えるか、時間の把握とサンプリングの定数が違うだけだ。
空間微分だとわかりやすいかもしれない。
地球の裏側あたりの海水位が上がったら、自分らの所の海水位下がると考えないか? 
でも、目の前の入り江の水位が上がって、隣町の人がいたら、
「そちらの入り江の水位“も”あがってますか?」って聞くよね? 
距離が数キロか、地球規模か、空間の把握とサンプリングの定数が違うのだ。

.   「いいことがあれば悪い事もある」「人生悪い事ばかりじゃないよ」
.   判断の時定数を長く取れと、坊さんや神父さんは言う。
.   達観した老人達がそれを言うのは経験的に実感しているからかもしれない。
.   人生山あり谷あり、平均化したらまっ平らだ。
.   小さな空間で短い時間での非平衡、不安定な状況に人間は一喜一憂し、
.   不均衡だからこそ、エネルギーの流れを得られる。

.   「恐竜時代はもっと気温が高かったはずだから、COや温暖化なんて言っても問題はないんだよ」
.   と、トンデモ理論を展開した奴がいたが、
.   お前はアルゼンチンが干上がって日本が水没しても、地球レベルでは問題がない、と思うのか。

イメージ 3
さて、エネルギーだ。
永久機関は作れそうで、作れない
エッシャーウォーターフォールのように、自分の目が騙されているか、
あるいは自分が気付かないエネルギーを外からもらっているか、だ。

永久機関に見える例でよく出される「水飲み鳥」は、ずっと振動しているように見えるが、
硝子内の液体を温めたり冷やしたりするのに、外部の熱や蒸気圧(乾燥の度合い)を利用している。
外気温で温めて液体を膨張させて頭を重くし、頭が倒れて水に浸かると、頭を包んだフエルトに水が広がり、
今度はその水の気化熱で頭が冷やされ、液体が収縮してボディー側のみに戻る。 
単なる熱機関だったというわけだ。

忘れがちだが、地球は太陽の光や熱をもらってる。
地球がくるくるしてくれていなければ、裏側半分は氷河期になる。

太陽をはじめ恒星は、その中心部で核融合と核分裂を繰り返して大きいエネルギーを放出している。
はるか遠くの地球の表面にいるに生物たちが、その恩恵にあずかっている。
星の寿命を考えれば、太陽もいつか赤色巨星になって星雲になって、白色矮星になって冷めていっちゃうらしい。

学問としては面白いかもしれないが、日常的にはそんなことは知ったこっちゃない。
――――はずなのだが、

地球表面で分裂(核崩壊)を起こさせてそのエネルギーをコントロールできれば便利かもしれないけども、
それって、宇宙規模とか星の寿命の規模で起きてる現象を使うってことだよね?
元々太陽光の恩恵にあずかっているのだから、核エネルギーは使っているんだよ、なんて詭弁を吐いても、
それを手元で作り出すのは、何やら不安じゃないか?
宇宙規模で問題ないとか宇宙年的に変化なしとか、神様がぽんとサインして、終わりにされちゃったりしないか?

.       (まあ、それでいながら私は(不便さや経済を考えると)原発に反対する十分な理由が見つけられないのだけども)
.       (ついでに、「必ず安全に制御できるはずだ」、っていう科学者としての不遜さも持ち合わせちゃっているんだけども)


理論家たちがいうように、マックスウェルの悪魔をだまくらかして(←そうは言ってない)欲しい分子を運ばせ、
熱力学の隙間でエネルギーを搾取するような、イメージ 4
人類に許された時間と空間の中で扱えるエネルギーを狙った方が
平和で無難なのかもしれないな、と思う。

主張が散乱してきた。
つらつら考えてるだけで、自分で答えが出ていないんだから仕方がないんだが。

なお、「内容が難解なのは読み手の知識範囲のせいかもしれないが、文章が難解なのは私の力不足だ」
.                                              嗚呼、木下先生 ごめんなさい。



最後に。
エッシャーは数学と幾何学で遊んだだけで、絵画に皮肉も警鐘も込める気はなかった、と思う。
エッシャーから数学を取り除けば絵金になるってもんでもない。
バンクシー幾何学を取り入れたって、エッシャーになるわけでもない。

つまり、数学を絵画化すると、その気がなくても皮肉な味がするってことなんだろう。



*1:永久に回る水車とか、パッと見が永久機関に見えるものであっても、

                                          所詮は人間の目がごまかされてるだけなんだよね