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普通の範囲 & 文化の期限

学会開催期間に交流会や晩餐会が開かれることが多い。
大抵は事前に(学会参加時に)申し込んで、交流会や晩餐会の参加証を貰って参加する。
学生であれば割引料金になっていたり、景気のいい学会だと無料になったりする。

2年くらい前、某T大学で行われたセミナーと交流会に出席した。
助教ポスドクなど若手職員や大学院生が多く、発表が英語だったので留学生も多かった。
交流会開始直後。
乾杯をする教授の話が終わっていないのに、大勢の学生がハイエナのようにテーブルに群がり、
個々の取皿に、山盛りに食べ物を積み上げはじめた。
そりゃあビュッフェスタイルだけどさ、交流会から急に人数が増えて、割り込んだり咎めたり、大騒ぎ。
お国柄もあるのかもしれないが、どういうこと??

聞けばその会場は、入場チェック(会費支払の有無のチェック)がしにくい構造なので、
無料で入り込んで飲み食いする学生が多いのだそうだ。
ひえええ、すごいな と、その時は思っただけだった。


                              


さて、先週から今週は、G大学で行う講演会の、会場準備や懇親会の手配をしている。
入場整理やマイクマン、タイムキーパー、照明もやるので、学生アルバイトを雇う。

先日の打ち合わせの時に、 先生 (彼もT大学だな……T2大学とでもしておくか)
「バイトの学生さんたちにも懇親会に来てもらったら?」と、発言した。

すると前記のT大学から来ている先生が、大反対。
.              「学生無料だなんて言ったら、関係ない学生まで大量に来て、グチャグチャになりますよ」

「あまり、そういうのは見たことがないんですが (大丈夫じゃないですか?) 」

.              「いや、先生は最近の学生を知らないんですよ」

そこでG大教授の先生が  (←G大学生がバイトをするので、賛成も反対も言い出しにくかったらしい)、

.             「この懇親会場はよく使っているけど、そんな学生は見たことないんだけどなあ」
.             「まあ、うちは留学生も少ないですしね」

.             「留学生でなくても、潜り込めそうな懇親会に入り込んで無銭飲食が多いんだよ。
.                うちの研究室の子達も普通にそうしようとするので、それとなく注意してるけど、
.                 どうしていけないんだって、反発するよ」

「え゛~」

.            「無料なら無銭飲食にはならないだろうけど、関係のない学生が来ても困るでしょ」

.             「………」 
.             「………。o ○ (普通は来ねぇよ)」

もしやT大学のハイエナたちは、留学生だからじゃなくて大学の校風だったからなのか?
いやいや良貨が悪貨に駆逐されちゃった状態なのか、
元々の考え方の違いなのか、あるいは彼らの考え方の方が時代に即しているというのか。

ともあれ、T大学の普通とG大学の普通は違うようだ。
               所詮はローカルな普通なんだよね。


                              


さて、文化と言えば、衝動買いである (←どこがじゃ)
私は仕事のストレスを、料理をするか衝動買いで解消するパターンが多い。
料理は時間を取るが、衝動買いは一瞬で済む。 一瞬でなければ衝動買いとは言わない。 (←根拠なく偉そう


高価なものでもないが、野点用の小茶筅と、小さな茶碗を購入した
奥にあるのが茶室での茶事サイズ、手前が購入したもの。

イメージ 1


茶の湯の決まりごとは理由があるから好きだ。
「昔からこの手順なの! こういう決まりなの!」ではなく、手順を間違えたら動けなくなる。
所作には次の動きのための計算がされていて、やってみるとそれがわかる。

屋外の野点用に小さな茶碗や茶筅があるのも、持ち運びを便利にするためだ、と、聞いた。
小さな茶碗を大きな茶碗の中に重ね、大きな茶碗は金属製の建水に入れて保護する。
三つ重ねることで、小さくまとまる
茶筅はもともと大きいものではないから、同じサイズでも良さそうだが、
小さな茶碗で茶を点てる時には、小さな茶筅が必要だから、茶筅も小さくなっている。

箱の稽古というのもやった。
茶碗や棗、茶筅茶杓、干菓子などを一つの箱に入れ、一度で茶室に運ぶ。
干菓子の金平糖は甘みが強く小さなもので、零れないよう蓋の付いた容器に入れる。
棗も口部分が細くなって、蓋がしっかりしている。
これにも理由がある。
主人が高齢だったり、足が不自由だったりした時、
何度も水屋と茶室を往復しないですむように、箱にまとめる……のだそうだ。
高齢の茶人はとても姿がいいのだが、彼らが姿よく主人を務められるのは、
茶道の作法が、彼らの適した形にアレンジされてるせいなんだな。


文化や作法はそういうわけで、さまざまな理由があるものなのだ。
では、その理由が消えてしまったらどうだろう?

女は一歩引いて、男を敬うのが日本の文化だという。
高齢者を大切にするのが、東洋の教えだという。
体格が良く腕力がある男は、銃や車がない時代には人間として有利だったろう。
書物や情報伝達がない時代には、人生経験豊富な高齢者は、そのまま知識人だったろう。
それだけが理由とは言わないし、時代が変わったからと言って蹴り飛ばす気はないが、
「俺は男なんだからもっと敬え! それが日本の文化だ」 では、説得力がないよな……
.                               つうか、だから奴は独身なんだと思うが ←身の回りに誰かいるらしい。

隙があれば列に割り込んでいくのがその国の文化だとしたら、
そうしなければならない理由があるのだろうし、それが彼らの普通(ローカルルール)なのだろう。
でも、すぐにG大学に溶け込んで、日本人より奥ゆかしい(?)留学生もいるのだ。
だって、割り込まなければならない理由がないから。
G大学のローカル普通に染まったのかもしれない。


理由がなくなった時にどう転がるかは…… まあ、個人の問題なんだろうな。
というわけで、明日はT3大学です。 多すぎるぞ、T大学★