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そういえば映画鑑賞録 『寄生獣 完結編』

韓国へのフライトで、『寄生獣 完結編』 を観た。
あまり評判が良くないのは知っていたし、
前作の寄生獣は、原作に比較した時の微妙な違いはあったけど、
良い所も悪い所も……つまりは可もなく不可もなくだったので、今回もそれほど期待はしていなかった。

以下、ネタバレ含みで。

結論として、
原作の持つ、「人間以外のもの」と、コンタクトしているゾワゾワ感、
意思疎通できていて、共闘できていたはずのミギーのセリフに、冷水を浴びた気分になるシーンは皆無で、
だからSFっぽく見た時の面白さは半減していることが否めない。
だが、あのゾワゾワ感を消してでも、きちんと落としどころを設定した映画で、とてもよかった、と、思う


寄生獣に乗っ取られたはずの新一の母は、中に残っていて一瞬の間を作ることで、新一を救い、
田宮良子になって人間の子供を産んだ寄生獣は、子供に執着し、人間の心を理解しはじめる。
ミギーは新一の中に融合し、何年も眠っていて、いざという時だけ、出てきた。
それは原作にはない、人間の強さだったり、人間の心の温かさだったりして、
この物語のポジティブな落としどころだったように思う。
その上で、異生物がぶつかり合った時に、きれいごとだけでなく、
相手を殺さなければならないシーンも、きちんと残してあった。

一部は、中2病的な原作にはない部分だし (原作は思いっきり皮肉な状態で終わらせてあった)、
だから原作ファンは、納得がいかないとは思う。
でも、原作とは別物として、これはこれで「あり」なんじゃないかな。


原作のディテールを取っ払って、映画として美しかった 『シャイニング』 や、
主要キャラクターの性別まで変えてしまった 『僕らはみんな生きている』 や、
名作中の名作、『ブレードランナー』 など、原作を変えてしまっても、
きちんと映画化していてくれればいいと思っているし。


だったら有名原作の名前使って、観客動員するんじゃねえ、という意見も、もっともなんだけども。