都合のよい過去の一時点に捕らわれる人々
東京には台風の警報は出ていなかったので、家を出てみたが、ダイヤ、乱れてるなあ。
職場のあるつくばには警報が出ているのだから、仕方ないか。
息子の中学は、補修の登校日がお休みになった。
でもって、明日までに夏休みの宿題が終わってないと、部活の新人戦に出られないのだそうだ。
…………終わったな。いや、宿題が終わるわけはない、という意味だが。
息子の学校は、都心、山の手にあって、歴史だけは古いから、
地元の古いお宅のご子息が通っていたりする。
しかし(「だから」でもいい)、成績が良いわけではない。
名家だろうと、由緒正しかろうと、頭が悪いやつは悪い。
たまーに、家の広さや、歴史の古さを鼻にかける連中がいようだが、
会社経営者一族でもなければ、相続税でゴソっとやられるだけだし、
歴史だってもっともっと遡れば、誰もがみんなアフリカの猿だ。
棍棒を持ってウホウホやっていたのが君らの祖先だ。 いや、私もなんだけどさ。
昨日、某東北地方の大学(国立大学)の教授とお会いして、その大学での女性教員の働きにくさを伺った。
教授ポジションであれば自由度も大きくなるのでまだしも、
助教やポスドク(いずれも30代~40代前半)の女性は、
降りかかるセクハラ・パワハラに対抗するため、肩肘張ってる人も少なくない、とのこと。
まあ、20年も前には、東京や関東近辺だってそうだったと思うけどもね。
かつて女性研究者がやっていくには、仕事の能力以外の努力や特性が必要だったんだな、と思う。
聞くところによれば、関西~九州エリアは少しいいのかな。 関西では働いたことがないので知らん。
それに恩師である大教授の七光りと、出身大学の珍しさで、
私に対するハラスメントはほとんどなかった―――とは思う。
(いや、ハラスメントと思わなければそれまでだ、ということも含めて。
パワーを感じなければパワハラじゃない、みたいな) 派輪原って何だよ、もん吉
それでも飲み会への強引な誘いや、酒席で絡まれたこともなくはない。
「女の子は出席必須ね」
「飲み会は辞退するよう、母から言われてるので」 (←本当は一人暮らし)
「社会人なんだから、そのくらい付き合えなきゃ駄目だよ」
「では、上司を経由して業務命令としてお願いします。
それなら心置きなく参加できます」 (←心にもない笑顔で、参加したいアピール)
彼らは会社に珍しく入ってきた女にちょっかい出したいだけの、関係のない部署の連中で、
むしろ私の上司には内緒にしたい様子がアリアリだったから、拒否るつもりならこれで十分だった。
一週間のうち3日4日と誘われていたのだが、繰り返し同じことを言っていたら、
飲み会に連れ出すには上司の承諾をとる、というわけのわからないルールができた。 なんだかなあ。
大学講師を兼任していて、女子大生とも接触のある上司は、笑いながら対応してくれていた。
彼も私の恩師には頭が上がらなかったようだ、というのを差し引いても、感謝する。
いや、むしろ、その上司なら女性職員がいても大丈夫だろう、ということで私が配属されたんだと思う。
私の1,2年前に採用された女性が、30年ぶりの女性研究員だったそうだから、
それだけ国立研究所の女性研究者は少なかったっていうことだ。
なお、断る理由として「用事がある」というのは、別の日に食い下がられるだけだから、
使えないと思ったほうがいい。 いや、「毎日、英会話教室に通ってるんです」みたいなのはアリかな。
とにかく、お誘いの断り方はなんだかんだと面倒くさくて、
だから、しつこくされてぶち切れそうになってる女性がいても、納得できる気がするんだ。
それでも私はその手の飲み会にも時々は顔を出してたし、同期の仲間とはしょっちゅう遊び歩いていたし、
学生時代に歌舞伎町が遊び場だったので、酒席で嫌な思いをしない術は心得ていた―――ように思う。
相手が上司だとか同じ会社の人だとか思わないで、
行きずりの酔っ払いと見なし、三倍返しで反撃 すればいいのだ。
大丈夫、翌日、「酔ってて覚えてません」 と言えばいいんだし。(←おいおい)
アフリカの猿まで遡らなくても、「女が男に逆らうなどけしからん」 という時代錯誤のじいちゃん研究者には、
「時代が時代なら平民とは口をきいておりません」 というトンでも反撃でにこやかに撃破し
(↑友人いわく、学習院出身なので洒落にならんそうだ)、
歌舞伎町の路上の酔っ払いたちに比べれば、ホワイトカラーの研究者は大人しいもんだ、と、と開き直った。
彼らは、過去(のみ)の栄光に捕らわれてグレてしまう運動選手や、
一発屋で消えていく芸人さんたちみたいに、今はないものに引きずられてるだけなんだよ……
そのうちに、職場のおじさんたちも「女」括りでイメージできるほど、女性研究者は一般的でも甘くもないし、
若い女性社員をホステス代わりに使っていい、というお花畑的な誤解も解除していってくれた。
ここ10年ほどは、外国人の同僚が増え、若者もシニアも、よほど仲のよいグループ以外だと、
女性同士、男性同士で飲むようになったので、あまり問題がない気がするな。
酒癖が悪かったり、セクハラ系の事をすると、ネットでラインで、えっらい勢いで悪評が広がってしまうのも
彼らの行動規制になっているみたいだし。
というわけで、早くバス来ないかなあ。
にぎやかしに、写真を一枚。身の回りのちょっとしたブーム。
なお、予想外に出席者の多かった本日のシンポジウムでは、
日本一のバリスタ―――最近、国際大会で世界一のバリスタになったそうだが―――
である粕谷氏の淹れてくれた珈琲が無料提供されていた。
最高の素材を、最高の味にする、というのがプロの醍醐味なのかもしれないが、
学会の珈琲コーナーでポットに入れた珈琲(しかも学会事務局はそんなに良い値段は支払っていない)でも
飲んだ人に、「あ。旨い」 と思われるのは、すごいことだな、と、思う。
時々、「こんな三流大学の学生では、よい研究データなど出ない、俺は不幸だ」 と、嘆く教員がいるが、
それぞれの素材で、最高のパフォーマンスを出してこそ、
真のプロなんだろうなあ……
職場のあるつくばには警報が出ているのだから、仕方ないか。
息子の中学は、補修の登校日がお休みになった。
でもって、明日までに夏休みの宿題が終わってないと、部活の新人戦に出られないのだそうだ。
…………終わったな。いや、宿題が終わるわけはない、という意味だが。
息子の学校は、都心、山の手にあって、歴史だけは古いから、
地元の古いお宅のご子息が通っていたりする。
しかし(「だから」でもいい)、成績が良いわけではない。
名家だろうと、由緒正しかろうと、頭が悪いやつは悪い。
たまーに、家の広さや、歴史の古さを鼻にかける連中がいようだが、
会社経営者一族でもなければ、相続税でゴソっとやられるだけだし、
歴史だってもっともっと遡れば、誰もがみんなアフリカの猿だ。
棍棒を持ってウホウホやっていたのが君らの祖先だ。 いや、私もなんだけどさ。
昨日、某東北地方の大学(国立大学)の教授とお会いして、その大学での女性教員の働きにくさを伺った。
教授ポジションであれば自由度も大きくなるのでまだしも、
助教やポスドク(いずれも30代~40代前半)の女性は、
降りかかるセクハラ・パワハラに対抗するため、肩肘張ってる人も少なくない、とのこと。
まあ、20年も前には、東京や関東近辺だってそうだったと思うけどもね。
かつて女性研究者がやっていくには、仕事の能力以外の努力や特性が必要だったんだな、と思う。
聞くところによれば、関西~九州エリアは少しいいのかな。 関西では働いたことがないので知らん。
それに恩師である大教授の七光りと、出身大学の珍しさで、
私に対するハラスメントはほとんどなかった―――とは思う。
(いや、ハラスメントと思わなければそれまでだ、ということも含めて。
パワーを感じなければパワハラじゃない、みたいな) 派輪原って何だよ、もん吉
それでも飲み会への強引な誘いや、酒席で絡まれたこともなくはない。
「女の子は出席必須ね」
「飲み会は辞退するよう、母から言われてるので」 (←本当は一人暮らし)
「社会人なんだから、そのくらい付き合えなきゃ駄目だよ」
「では、上司を経由して業務命令としてお願いします。
それなら心置きなく参加できます」 (←心にもない笑顔で、参加したいアピール)
彼らは会社に珍しく入ってきた女にちょっかい出したいだけの、関係のない部署の連中で、
むしろ私の上司には内緒にしたい様子がアリアリだったから、拒否るつもりならこれで十分だった。
一週間のうち3日4日と誘われていたのだが、繰り返し同じことを言っていたら、
飲み会に連れ出すには上司の承諾をとる、というわけのわからないルールができた。 なんだかなあ。
大学講師を兼任していて、女子大生とも接触のある上司は、笑いながら対応してくれていた。
彼も私の恩師には頭が上がらなかったようだ、というのを差し引いても、感謝する。
いや、むしろ、その上司なら女性職員がいても大丈夫だろう、ということで私が配属されたんだと思う。
私の1,2年前に採用された女性が、30年ぶりの女性研究員だったそうだから、
それだけ国立研究所の女性研究者は少なかったっていうことだ。
なお、断る理由として「用事がある」というのは、別の日に食い下がられるだけだから、
使えないと思ったほうがいい。 いや、「毎日、英会話教室に通ってるんです」みたいなのはアリかな。
とにかく、お誘いの断り方はなんだかんだと面倒くさくて、
だから、しつこくされてぶち切れそうになってる女性がいても、納得できる気がするんだ。
それでも私はその手の飲み会にも時々は顔を出してたし、同期の仲間とはしょっちゅう遊び歩いていたし、
学生時代に歌舞伎町が遊び場だったので、酒席で嫌な思いをしない術は心得ていた―――ように思う。
相手が上司だとか同じ会社の人だとか思わないで、
行きずりの酔っ払いと見なし、三倍返しで反撃 すればいいのだ。
大丈夫、翌日、「酔ってて覚えてません」 と言えばいいんだし。(←おいおい)
アフリカの猿まで遡らなくても、「女が男に逆らうなどけしからん」 という時代錯誤のじいちゃん研究者には、
「時代が時代なら平民とは口をきいておりません」 というトンでも反撃でにこやかに撃破し
(↑友人いわく、学習院出身なので洒落にならんそうだ)、
歌舞伎町の路上の酔っ払いたちに比べれば、ホワイトカラーの研究者は大人しいもんだ、と、と開き直った。
彼らは、過去(のみ)の栄光に捕らわれてグレてしまう運動選手や、
一発屋で消えていく芸人さんたちみたいに、今はないものに引きずられてるだけなんだよ……
そのうちに、職場のおじさんたちも「女」括りでイメージできるほど、女性研究者は一般的でも甘くもないし、
若い女性社員をホステス代わりに使っていい、というお花畑的な誤解も解除していってくれた。
ここ10年ほどは、外国人の同僚が増え、若者もシニアも、よほど仲のよいグループ以外だと、
女性同士、男性同士で飲むようになったので、あまり問題がない気がするな。
酒癖が悪かったり、セクハラ系の事をすると、ネットでラインで、えっらい勢いで悪評が広がってしまうのも
彼らの行動規制になっているみたいだし。
というわけで、早くバス来ないかなあ。
にぎやかしに、写真を一枚。身の回りのちょっとしたブーム。
なお、予想外に出席者の多かった本日のシンポジウムでは、
日本一のバリスタ―――最近、国際大会で世界一のバリスタになったそうだが―――
である粕谷氏の淹れてくれた珈琲が無料提供されていた。
最高の素材を、最高の味にする、というのがプロの醍醐味なのかもしれないが、
学会の珈琲コーナーでポットに入れた珈琲(しかも学会事務局はそんなに良い値段は支払っていない)でも
飲んだ人に、「あ。旨い」 と思われるのは、すごいことだな、と、思う。
時々、「こんな三流大学の学生では、よい研究データなど出ない、俺は不幸だ」 と、嘆く教員がいるが、
それぞれの素材で、最高のパフォーマンスを出してこそ、
真のプロなんだろうなあ……