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可哀相な天狗の話

先日も、類似話題を書いた記憶があるのだが…… 最近多いのかな。

どう見ても大学院生かポスドク一期目くらいの年齢の兄ちゃんが、
座席いっぱいに荷物を広げ、満員電車を占拠している。 
で、「俺は東大生なんだぞ」 な天狗臭がぷんぷんしている。

この時間のつくばエクスプレスでは、半数以上の乗客がパソコンを叩いている。

   「我々も仕事したいんでね、荷物をどかしな」

とばかりに(←口に出したわけではない)すぐ隣に立ったら、座ったまま睨みあげてきた。

が。目が合ったのをいいことに  「ありがとうございますぅ
と、4席使っていたのを二つ空けさせて(←私の隣で立っていたおじさんも座った)

奴があからさまに隣まで肘を張って打ち込んでいたPCを見るともなく覗き込むと、
横文字(カタカナ)登場人物で、縦書きの小説書いてやんの……

―――― 一目見てド下手

某山田とは言わないけど、昭和初期の純文学系言い回しの使い方は、そーではないだろ。
“○○は、××したのであった。” “まるで△△であるかのような、□□のような……”  
章末以外で連発するもんじゃねーって orz


なんだかんだで書き物系の友人がたくさんいるせいで、
あるいは縦書き教科書の仕事のせいで、

・ちゃんとしたプロの文章も、
・「どうしちゃったんだ」的なプロの文章も、
・ただのアマチュアの文章も、
・物書き的にはアマチュアだけど理系大学教授の文章も、
・普通に物書きとしてのプロ志望の人の文章も、
・いや、そのままプロになっちゃった人の文章も、

―――専門家ではないなりに読者の目で読んでいるのだ、私は。 だから、良し悪し「だけ」はわかる。

彼が降りていったのは、東京大学の理系施設のある駅だったから、
理系に進んだものの、文学賞か何かにでも投稿したいんだろう。

芸人とか、引きこもりとかの受賞が続いているから、
自分もやろう、いや、やれるだろう、と思ったのかもしれない。

大学院生や若手研究員のアカデミックポジションへの就職は、悲しいくらいに厳しいのだ。
まして性格に難ありだったら、よほどの(目に見えた)天才じゃないと、仕事などありゃしない。
だから、サイドワークを夢見る人は多くいる。
だけど、サイドワークだって、甘くねえ、って。

荷物をかき集め、書き込んでいたノートPCをたたみ、
ヒステリーを起こすみたいに周りの人を突き飛ばしながら降りていった若者は
不愉快というよりも……哀れだな、と、思う。



なお、正確に言えば、研究室名と備品番号の付いているノートパソコンで、
どこからどう見ても個人の小説を書くのに使うのは、まずいと思うんだよね。
でも、それを言い始めると、ブログやツイッターにも会社PCを使うな、
逆に個人所蔵の携帯やPCで、仕事をすんな、っていう話になっちゃうから、
どこまで厳格にするのかは、考え物なんだけども。