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猫が来る

この1,2年、近所から猫が減ったかな、と、思っていたのだが。

正月に横浜から帰省していた剣士 が、
初詣に行く途中の道で、走り寄ってきた猫 に手を伸ばそうとし…… 

       「あれ? おまえかぁ

受験の頃、夜中にベランダに来ていた猫で、撫でたり餌をやったりしていたらしい。
その当時は「近くで猫が鳴いているな」、とは思っていたが――― 自分の娘が呼び寄せていたのか

 「すごく太ったから、わからなかったよぉ。 (私が)高校の頃は、子猫だったんだよ」

実に二年ぶりくらいだったそうだ。
そのまま猫と別れて初詣にいったのだが、正月の間には何度か家まで来たようだ。
                              (再会した場所は、家からは1.5kmくらい離れている)

には剣士娘とわが家の関係がわかっていたのか、
「家に憑く」という猫にとって、剣士娘は家の備品か、家のゲートのキーみたいなもんなのか。
彼らの蜜月は新年の数日間だけ続いて、剣士娘が横浜に帰ることで終わった。

たまに屋外で猫の声を聞くこともあるのだが、そいつとは違うようだ。
そいつがベランダに来るときの鳴き方は独特で、「にゃあ~」 ではなく、「にゃっ にゃっ にゃっ」 と短く鳴く。
撫でているときには長く鳴くこともあるそうだから、「にゃっ」 は鳴くというよりも呼んでいるのだろう。

 「猫も人を見分けたり、懐いたりするんだね」
 「あたりまえじゃん。いじめないでよね」

私は犬派で、いじめるほどではないが、猫に触ることはほとんどない。
剣士娘だって、犬好き>>八犬伝>>剣術>>剣道 になったくらいだから、犬派のはずなのだが。
彼女は動物すべて好きだからな。(←弟という名の人間以外)

ハムスターも愛していたし、まあ、人間側が好意を持っていれば、猫も対応するもんなんだろう。


急用があったとかで、昨日、剣士娘が帰ってきた。
で、私が今朝……家を出ようとしたら、玄関の前に、がいた。

 「おまえ、「にゃっ、にゃっ」の、猫だよねぇ?」

どうして娘が来たのを知ってるんだ?
駅から歩いて来たのを見ていたのか、それとも匂いでも追っているのか。ストーカー?

昨日までは、一度も見かけなかったのに。

 「まだ寝てるよ。 そっか、ベランダの部屋にいないから、呼んでも出てこなかったんだね」

私は猫には触らない。
でも、人に会いたいと思って、長い距離を出向いてくる猫は、ちょっとかわいいな、と、思った。

おデブさんでトラ猫で、決して見掛けがかわいいわけじゃないけど。

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お正月に再会したときの写真。