ブログ引越し検討中 (仮住まい)

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喘息の原因と研究費の話

研究所職員や大学教員は大学生に教えるのと同時に研究も行うから、
研究のための資金をいろんな手法で集める。
一番ポピュラーなのは、科学研究費補助金科研費)という奴で、
面白そうな研究を提案し、それに対して文部科学省から研究費をつけてもらう。
研究費の規模として、数百万円、数千万円、2,3億円、位のグレードがある。

他の研究費としては、経産省厚労省から、あるいは防衛省からも、いろんな金額枠の研究補助金がある。
企業と共同研究をして、企業から資金を提供される場合もある。

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これで多分3億円弱。

お抹茶BOYがお腹にいる30代の終わりに、3年で約1億という研究資金を貰った。
お抹茶に心臓疾患があったのと、研究グループの立ち上げとで、とても忙しくなったから、
それで懲りてしばらく大型研究費はいいや、と、研究費応募をセーブし、
数百万の研究費をチマチマと貰っていた。(←しょっちゅう申請書を書いてなきゃならないのでこれもしんどい)

その間、医学部系の人にそそのかされて、やっぱり数億の研究費獲得に乗り出したときがあったけど、
最終選考の面接で、面接官と対立してしまって、あっけなく敗退。
医学部系の話題と絡むと、純然たる敵味方が存在して、面接官に足を引っ張られたりするから、
何をいわれても、これはもうやらん、と、また、チマチマ系小型研究費に戻った。 
                                         戦いは数だよ、兄貴ドズル・ザビ

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いや、そこまで小銭じゃないだろ。

ね? 大型研究費はやめようよ、と、自分に言い聞かせ、
企業さんだって少しずつお金くれるわけだし、細かいこと決まってないから、公的資金より使い勝手いいし。
良く言えば欲がない、悪く言うとやる気がない研究者として、何年か過ごしてきた。
(と書くと、もっと研究費のない大学に叩かれるが、研究費取得は(所属名ではなく)コツがあるんだ、よ)

―――しばらく前、研究発表をしていたら新聞社の人がやってきて、
「新聞発表していいですか?」と聞かれたので、
「まあ、(勝手に)どうぞ」 と、研究内容やあたりさわりのないデータを送ってあげた。

先月、新聞記事になっていた。 新聞(&web)の広報効果というのはすごいもので、
これまでは無縁だと思っていた大手企業が何件かコンタクトしてきた。
怪しげなアジア諸国企業も来た。

もともとが日米レースをやっていた半導体屋だから、
XX社と競争となったり、商品化となると血が騒ぐ。

小額研究費でも最大のパフォーマンスを、と、中古装置をかき集め、新たな実験室を立ち上げようとした。
昨日は大型装置のお引越し(別部署からの拉致とも言う)だった。

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この前いじっていた電子顕微鏡 (写真(右)は分割した最後の一つの鏡筒部分) を、
三分割してクレーンでつるして、自分の研究室に持ち運んだ。
ちなみに、雨が降っているとこの作業はできないので、
学会の合間で天気のいい日で、と日程調整には苦労した。

これが昨日の写真なわけだが、
一昨日には某大手企業と共同研究計画と研究費提供の会議が割り込んでいた。
特許が絡むので、私だけではなく、研究所の弁理士さんに同席してもらった。
(だって、企業側が研究者だけじゃなくて資金部門の人つれてワジャワジャ来るんだもん、
                             こっちも研究者だけじゃ太刀打ちできません

急な会議だったので、引越し前日にやっておかなければならなかった水冷管や電気配線の切断ができず、
当日朝からの何時間かでの、人海戦術となった。
(クレーン借用は時間当たりにいくら、と決まっているので、待たせるとその分金がかさむ)
ぜえぜえぜえ…… 
前夜研究所に泊まったのに、朝も昼も食べる暇がなかった。

そんなところに、大型研究費の申請が最終選考に残ったから、ヒアリングに来いとの連絡がくる。
  「あれ? そんなの出してたっけ?」
よくよく考えたら、小型の研究補助金の採択条件に、いずれ大きな研究に発展するもの、という条件があり
そのエクスキューズのために、大型研究費に応募してみたんだった。
さあ、大変。

一億以上の大型研究費になると、間接経費として所属機関(大学や研究所)に入る金額も大きくなるから、
たいていの所属機関は、機関を挙げて応援してくれるようになる。
うちの研究所も多分に漏れず、事前に役員向けの説明に来いだの選考委員経験者と面接練習をしろだの
一気にまた日程調整……

企業連携をはじめるなら、先に書いておかなきゃならない特許あるし、どうなるんだ。
というところに、「別の大学に移るから」、と、元学生さんの送別会。
送別会自体は酒を飲んで別れを惜しむ穏やかなものだが、
それに出席する時間を編み出すために、その前にやる仕事が大騒ぎになるのだよ……


熱っぽいなあ、咳が出るなあ。大阪から戻って無理してたもんな。

で、内科に行ったら、久しぶりに喘息だってさ。なるべくして体調を崩したとしか思えん。

無理は禁物。 と、一週間前の自分に言いたい。   もう遅いけど