ブログ引越し検討中 (仮住まい)

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ポルターガイストを待ちながら


抹茶BOY(中学2年)は、大方の少年のようにお化け話が好きだ。
怖がりの癖に、幽霊やUMAや、都市伝説の話を読み、その手の番組を見る。
ポルターガイストの話をしていたから、ローゼンハイムに行ったことがあるよ」、と伝えたら、
夜中に何か動かなかったか、どんな街だったか、すごく期待して聞いてきた。

Rosenheimはドイツの南の南の端っこの小さな町で、観光客はなかなか行かない場所だ。
ミュンヘンザルツブルクの真ん中辺りだが、文化や習慣はザルツブルクに近いんじゃないかと思う。
スイスの会社に用があって出張していたついでに、会議にも寄っていく気になったが、
白状してしまえば会議日を間違えていて、ホテルのブッキングも会議のレジストレーションもミスった。
もっと厳密に言えば、ミスったのは私ではなく、 (フランクフルトに移動する前に、)
関連会議があるからローゼンハイムに行くべきだ、と力説した、スイス某社の若手研究員さんだ。
会議の参加登録もホテルのブッキングも、ドイツ語サイトを通じてそいつがやってくれた。
 「ほんとは俺も行きたいんだよね、ポルターガイストがでるし」、とかなんとか。

イメージ 1
ポルターガイストとは、手を触れていないのに物体が移動したり、
物をたたく音がでたり、発光、発火などが繰り返し起こる現象で、
Portern(喚く)-Geist(幽霊)とかKlopfen(ノックする)-Geist(幽霊)
だから、つまりうるさい現象を総まとめで呼んでいる。
Parapsychology(超心理?心霊?現象)の一種とされ、
エクソシストの映画のおかげで、広くに市民権を得ている。
     (写真はフランスのミステリーマガジン(1911年)の表紙で、
      アルジェリアの家族のメイドさん14歳のイラストである)

ローゼンハイムの事件では、弁護士事務所のアシスタント、
アンヌマリー・シュナイダー(19歳)のいる時に起きたと
Parapsychology学者のハンス・ベンダーが断罪した。
その後アンヌマリーが解雇されると怪現象は収まり、
アンヌマリーが職場を異動すると、その先に超常現象もついて回った。
      (こちらの写真は、1967年、アンヌマリー本人らしい)

ポルターガイストの話は知っていたし、
Annemarieという名は友達の妹と同じだから覚えていた。
おかげでには、超常現象マニアの仲間と認定され、いろいろと親切にしてもらった。
まあ、それでブッキングミスをされてたんじゃ世話はないんだが。


そういうわけでローゼンハイムに到着してすぐに会場に寄り、会議が実は数週間先であることを知る
嫌な予感がしたので、会場前からホテルに電話し、
ホテルのブッキングも同じ日数だけずれていることを知る。
「どうすんだよぉ」 と思ったのだが、電話口でホテルのお姉さんが、
 「大丈夫、うちのホテルはいっぱいだけど、泊まれるところを探してあげるわ」 との事。
そのまま2、3分待っていたら、会議場から近い Hotel Goldener Hirsch Rosenheim、を Bookしてくれた。 
 「ごめんなさいね、古いホテルなのよ、でも良い人たちだから女の子一人でも大丈夫よ」 とのこと。
 「お姉さん、あなたもとても良い人だわ、ありがとう」 とか何とか。
何でも良いけど何ゆえGoldener Hirsch のHPにオスカー・ワイルド
Ich habe einen ganz einfachen Geschmack  >>I have a very simple taste
ich bin immer mit dem Besten zufrieden >>I am always satisfied with the best thing
                                         Oscar Wilde

お姉さんが言うとおり、Goldener Hirschはえらく古いホテルで、いかにも何か出そうだった。 ワクワク
いろいろ聞いてみたかったのだが、3度目の訪独でドイツ語はまだまだだったし、
レセプションのおじさん一人を除いて、ホテルのおばあちゃんたちは英語は不自由なようだった。
それでも、ホテルスタッフと一緒みたいな夕食をしながら、 「明日一日暇になっちゃった」 と伝えたら、
おばあちゃん集団に 「Chiemsee(キームゼー)に遊びに行くべきだ」と強く推薦された。

   「電車でいくとここからすぐよ」
     「ケーキがおいしいInsel(島)があるの」 (←後に分かったが聞き間違いかと思った)。
     *Chiemsee(湖)のHerrinsel Chiemsee(男島)にはルードリッヒのお城があり、
     *Fraueninsel女島)には修道院とそこで作っているケーキが有名なんだそうだ。

 「髪を洗うから、ドライアーを貸してほしい」 と頼んだら、
    「普段は使わないけど、レセプションのさんの奥さんなら持っているかしら、ねえちょっと!」
      やってきたさんは、「誰かレセプションをみててくれてば、家からとってくるよ」
 「いやいやいや、そこまでしなくて良いからっ。大丈夫、大丈夫ですからっ」

日本人の私はとても若く見えていたらしい、あれこれと気を使ってくれる、優しい人たちだった。
ドイツ好きになりましたよ、思いっきり。
なお、がんばって夜起きていたのだが、ポルターガイストは出なかった。
ホテルの人たちの「人の良さ」とあいまって、座敷わらしのようなイメージになってしまった。

だめもとでホテルを検索してみたら、Bookingcomで、日本語のサイトがあった。
剣士は生まれてたけど、20年近く前だもんなあ。
あのころの素朴さが、今も続いていてくれるといいのだけど。



夜更かししていておなかがすいたのだが、見ていたら、なんとなく気が済みました……

人参を囲んで食べるプレーリードッグ (うみなか) Prairie Dogs Are Eating Carrots