猫まみれ あるいは ハナコのいない夏
つくばの職場で納涼祭があったので、剣士とお抹茶を連れて参加した。
本当は夫も来る予定だったのだが、直前に休暇が取れなくなってキャンセル。
夫には夜になってから、車でつくばまで来てもらうことにして、翌日から遊ぶことになった。
納涼祭は例年のことなので、別記事にしておくことにして、
写真は筑波オークラフロンティアエポカル(国際会議場併設の宿泊ホテル)の下のCASAで食べた氷。
納涼祭から一緒のJK・JDとシェアして、味を三種コンプリートした。(少し前にマンゴーが美味しかったので)
溶けてしまうから、と、一つづつ出してくるのだが、とにかく旨い。マンゴーがお勧め。
先週食べたときに比べて、付け合せ(?)のベリー類の量が、三分の一くらいになってるのが疑問だが。
しかし――― いつも思うのだが、貴重な夏休み旅行を、なぜ、職場近くにしなきゃならんのだ。
と、私と同僚は思う…… いや、同僚は今日は帰宅する、と、家族を連れて筑波駅に走っていった。
翌日は、【東筑波ユートピア】に向かう。
リードを貸してもらって、犬を連れて山を登るとか、サルやイノシシにえさをやるとか、ウサギを愛でるとか、
身近な動物とのふれあいが中心の動物園だ。 いや、ツキノワグマやライオンもいるんだけど。
筑波山の裏手の、このアットホームだけれど寂れた動物園に、うちの子供たちは何度行ったかな。
日本唯一の猿回しの養成学校が、ここで実習をしているというので、
お笑い芸人が合宿したり、動物番組で紹介されたり、マスコミづいていると言えばそのとおりだけど、
廃れ加減を怖いもの見たさ(?)で面白がっているだけで、本当の良さがわかっていない、と剣士は言う。
一昨年からは、猫カフェができていた。
捨て猫を集めて保護し、猫カフェで働かせ遊んでもらって、その猫が気に入って欲しい人には譲ってくれる。
猫カフェといいながら、猫にはえさを与えていいものの、人間は中では飲食禁止(笑)
剣士は猫と、ワシャワシャ遊ぶ。猫も猫ジャラシを持って「遊んで~」とくる。
2年前に赤ちゃん部屋で遊んだえだまめ君が、大猫部屋で活躍していた。
相変わらず、相性がいいようだ。
(2015年、赤ちゃんだった“えだまめ” 上の写真では下から二段目、右から二枚目)
お抹茶BOY が好きだったレアチーズは、誰かに貰われていってしまったようだ。
かわいがられているといいなあ。
(2015年のレアチーズ)
お抹茶BOYは、おとなしい猫を、そうっと撫でながらずっと動かずに抱いている。
居心地がいいのか、他の猫も集まっていき、気がつくと彼は猫まみれになっている。
犬の時もそうだ。遊ぶというよりも、愛でて落ち着かせる。動物たちは彼の周りでよく眠る。
子供たちは二人とも動物好きなのに、その違いは歴然だ。
さて、彼らが初めて東筑波ユートピアに来たのは、お抹茶BOYが2歳、剣士が小学4年のときだ。
は初めてハナコに会って、初めて犬のお散歩をした。 そしてハマった。
子供だったハナコは、山に登るのも穴を掘るのも大好きで、リードをぐいぐい引っ張っていったけれど
剣士が躓いて転ぶと、あわてて戻ってくるやさしい犬だった。
それからしばらくは年に何度も訪れて、ハナコのほうも動物園の下に車を停めると、
剣士の声を聞きつけて、遠くから吼えるようになった。
ハナコが他の人とのお散歩中(動物園的・お散歩犬的にはお仕事中)に、
山の上で剣士に出会って騒いでしまい、頼んでお散歩タイムを譲ってもらったこともある。
「ぜんぜん態度が違うのねえ」 と、お散歩していたおば様たちに はいっしょに笑われた。
剣士が他の犬を撫でると、ツンデレ状態の複雑な行動をした。
この写真は2009年のものかな。左がハナコで、右がころすけ君。ハナコの子供。
2年前、2015年にはハナコはここにいて、元気だった。
剣士が中学受験の頃に一度、赤ちゃんを産んだばかりで会えなかったことがあるが、それ以外は毎回会っていた。
昨年は、何度かチャンスがあったが、急な部活動や、大雨で来そびれてしまった。
ハナコのことは一度、本気で引き取ろうとしたことがある。
あきらめたのは、山で穴を掘ってのびのび暮らしていたのに、
都内の座敷犬にしたり、小さな庭に閉じ込めるのはかわいそうだ、と思ったからだ。
地味な和犬の雑種なのに、「ハナコは隠れた2番人気なのよね。1番はいつも赤ちゃん犬たちだけど」
と、飼育員のお姉さんが言ってたから、いつ貰われてしまうかと、訪問するたびに心配していたようだ。
何の予感だったのだろう、「ハナコ、いるかなあ」 と、今年、剣士が言っていた。
柴犬の平均寿命は10年くらい。屋外犬のそれは屋内犬よりも短いことも、きっと調べているよね。
今年。 ハナコがいない……
新しいアルバイトの飼育員さんは、ハナコのことを知らなかった。
かわりに、ころすけ君を連れて山に登った。
ハナコに比べておばかさんだと思っていたけれど、お座りもするし「待て」もわかるし、賢い犬に成長していた。
子供たちは楽しそうにしているようには見えたのだが、写真は思いのほか正直だ。
写真の彼らはハナコといるときのデレデレ感やリラックス感がなかった。
ほんのちょっとした違いなのだろうが……
動物たちのえさをトラックで運んでいた園長さんが戻ってきた。
まるで親戚のおじちゃんのように、子供たちは顔見知りである。
「ハナコは?」 「あんなにたくさんいた柴犬は?」
園長さんの話だと、一般的な柴犬は、お散歩犬には向かないのだそうだ。
やきもち焼きで、お客さんを噛んでしまうなど問題が多いので、欲しい人たちに譲った、と。
見かけが柴犬っぽいハナコも、その時に行ってしまったのではないかったかな、と。
そうだった。ハナコは人気があったんだ。
ペットとの別れは、いろんな形でやってくる。
死別だったり、引越しで譲らざるを得なくなったり、あるいは逃げてしまったり。
ハナコは誰のところに貰われていったんだろう。
大事にされているだろうか。ちゃんと散歩してもらっているだろうか。
いつかは誰かの犬になってしまうとわかっていたけど―――
剣士はとても心残りで、SNS でハナコの行方を調べてみようか悩んでいる。
でも、やっとハナコが自分のものになったと思っている飼い主が、嫌がるかもしれないし。
もう、ユートピアに来ることはないかな。剣士はそう思っているようだ。
子供たちは猫のにおいがすごいので、【ゆりの郷】に、お風呂に入りに行く。
ここも何度も通ったなあ。
お風呂に入って、仮眠ができて、こういうところだから少し割高だけれど、レストランもそれなりに美味しい。
食事をしていて、帰りの車で、ふと、子供たちが黙り込む。
お抹茶BOYは、一番おとなしかった猫を飼えないかと考えていたようだけど、
ハナコショックと、姉の落ち込み具合を見て、それどころではなくなったようだ。
ハナコはかわいがられているだろうか……
もう一つの可能性は、あえて考えない。
きっと子供たちは、ハナコのことを一生覚えているのだろうな。
最後にクイズ。
2013年に撮影したこの子の子孫が写真に紛れ込んでます。どこでしょう?
本当は夫も来る予定だったのだが、直前に休暇が取れなくなってキャンセル。
夫には夜になってから、車でつくばまで来てもらうことにして、翌日から遊ぶことになった。
納涼祭は例年のことなので、別記事にしておくことにして、
写真は筑波オークラフロンティアエポカル(国際会議場併設の宿泊ホテル)の下のCASAで食べた氷。
納涼祭から一緒のJK・JDとシェアして、味を三種コンプリートした。(少し前にマンゴーが美味しかったので)
溶けてしまうから、と、一つづつ出してくるのだが、とにかく旨い。マンゴーがお勧め。
先週食べたときに比べて、付け合せ(?)のベリー類の量が、三分の一くらいになってるのが疑問だが。
しかし――― いつも思うのだが、貴重な夏休み旅行を、なぜ、職場近くにしなきゃならんのだ。
と、私と同僚は思う…… いや、同僚は今日は帰宅する、と、家族を連れて筑波駅に走っていった。
翌日は、【東筑波ユートピア】に向かう。
リードを貸してもらって、犬を連れて山を登るとか、サルやイノシシにえさをやるとか、ウサギを愛でるとか、
身近な動物とのふれあいが中心の動物園だ。 いや、ツキノワグマやライオンもいるんだけど。
筑波山の裏手の、このアットホームだけれど寂れた動物園に、うちの子供たちは何度行ったかな。
日本唯一の猿回しの養成学校が、ここで実習をしているというので、
お笑い芸人が合宿したり、動物番組で紹介されたり、マスコミづいていると言えばそのとおりだけど、
廃れ加減を怖いもの見たさ(?)で面白がっているだけで、本当の良さがわかっていない、と剣士は言う。
一昨年からは、猫カフェができていた。
捨て猫を集めて保護し、猫カフェで
猫カフェといいながら、猫にはえさを与えていいものの、人間は中では飲食禁止(笑)
剣士は猫と、ワシャワシャ遊ぶ。猫も猫ジャラシを持って「遊んで~」とくる。
2年前に赤ちゃん部屋で遊んだえだまめ君が、大猫部屋で活躍していた。
相変わらず、相性がいいようだ。
(2015年、赤ちゃんだった“えだまめ” 上の写真では下から二段目、右から二枚目)
お抹茶BOY が好きだったレアチーズは、誰かに貰われていってしまったようだ。
かわいがられているといいなあ。
(2015年のレアチーズ)
お抹茶BOYは、おとなしい猫を、そうっと撫でながらずっと動かずに抱いている。
居心地がいいのか、他の猫も集まっていき、気がつくと彼は猫まみれになっている。
犬の時もそうだ。遊ぶというよりも、愛でて落ち着かせる。動物たちは彼の周りでよく眠る。
子供たちは二人とも動物好きなのに、その違いは歴然だ。
さて、彼らが初めて東筑波ユートピアに来たのは、お抹茶BOYが2歳、剣士が小学4年のときだ。
は初めてハナコに会って、初めて犬のお散歩をした。 そしてハマった。
子供だったハナコは、山に登るのも穴を掘るのも大好きで、リードをぐいぐい引っ張っていったけれど
剣士が躓いて転ぶと、あわてて戻ってくるやさしい犬だった。
それからしばらくは年に何度も訪れて、ハナコのほうも動物園の下に車を停めると、
剣士の声を聞きつけて、遠くから吼えるようになった。
ハナコが他の人とのお散歩中(動物園的・お散歩犬的にはお仕事中)に、
山の上で剣士に出会って騒いでしまい、頼んでお散歩タイムを譲ってもらったこともある。
「ぜんぜん態度が違うのねえ」 と、お散歩していたおば様たちに はいっしょに笑われた。
剣士が他の犬を撫でると、ツンデレ状態の複雑な行動をした。
この写真は2009年のものかな。左がハナコで、右がころすけ君。ハナコの子供。
2年前、2015年にはハナコはここにいて、元気だった。
昨年は、何度かチャンスがあったが、急な部活動や、大雨で来そびれてしまった。
ハナコのことは一度、本気で引き取ろうとしたことがある。
あきらめたのは、山で穴を掘ってのびのび暮らしていたのに、
都内の座敷犬にしたり、小さな庭に閉じ込めるのはかわいそうだ、と思ったからだ。
地味な和犬の雑種なのに、「ハナコは隠れた2番人気なのよね。1番はいつも赤ちゃん犬たちだけど」
と、飼育員のお姉さんが言ってたから、いつ貰われてしまうかと、訪問するたびに心配していたようだ。
何の予感だったのだろう、「ハナコ、いるかなあ」 と、今年、剣士が言っていた。
柴犬の平均寿命は10年くらい。屋外犬のそれは屋内犬よりも短いことも、きっと調べているよね。
今年。 ハナコがいない……
新しいアルバイトの飼育員さんは、ハナコのことを知らなかった。
かわりに、ころすけ君を連れて山に登った。
ハナコに比べておばかさんだと思っていたけれど、お座りもするし「待て」もわかるし、賢い犬に成長していた。
何よりも、「こっち向いて」、と呼ぶと振り返ってカメラ目線になるというアイドル犬になっていた。
子供たちは楽しそうにしているようには見えたのだが、写真は思いのほか正直だ。
写真の彼らはハナコといるときのデレデレ感やリラックス感がなかった。
ほんのちょっとした違いなのだろうが……
動物たちのえさをトラックで運んでいた園長さんが戻ってきた。
まるで親戚のおじちゃんのように、子供たちは顔見知りである。
「ハナコは?」 「あんなにたくさんいた柴犬は?」
園長さんの話だと、一般的な柴犬は、お散歩犬には向かないのだそうだ。
やきもち焼きで、お客さんを噛んでしまうなど問題が多いので、欲しい人たちに譲った、と。
見かけが柴犬っぽいハナコも、その時に行ってしまったのではないかったかな、と。
そうだった。ハナコは人気があったんだ。
剣士 がいろんな犬にちょっかいを出している。 「モモちゃんにも挨拶してくる」
「モモちゃんは、昔はライオンの檻の近くにいた犬で、もっとモフモフしてた」
「そっちの子は、ダチョウの近くにいた犬だよ」
ハナコ以外も、よく覚えてるんだなあ。
でも、私には一匹ずつにお別れを言っているように見えるよ。
「モモちゃんは、昔はライオンの檻の近くにいた犬で、もっとモフモフしてた」
「そっちの子は、ダチョウの近くにいた犬だよ」
ハナコ以外も、よく覚えてるんだなあ。
でも、私には一匹ずつにお別れを言っているように見えるよ。
ペットとの別れは、いろんな形でやってくる。
死別だったり、引越しで譲らざるを得なくなったり、あるいは逃げてしまったり。
ハナコは誰のところに貰われていったんだろう。
大事にされているだろうか。ちゃんと散歩してもらっているだろうか。
いつかは誰かの犬になってしまうとわかっていたけど―――
剣士はとても心残りで、SNS でハナコの行方を調べてみようか悩んでいる。
でも、やっとハナコが自分のものになったと思っている飼い主が、嫌がるかもしれないし。
もう、ユートピアに来ることはないかな。剣士はそう思っているようだ。
子供たちは猫のにおいがすごいので、【ゆりの郷】に、お風呂に入りに行く。
ここも何度も通ったなあ。
お風呂に入って、仮眠ができて、こういうところだから少し割高だけれど、レストランもそれなりに美味しい。
食事をしていて、帰りの車で、ふと、子供たちが黙り込む。
お抹茶BOYは、一番おとなしかった猫を飼えないかと考えていたようだけど、
ハナコショックと、姉の落ち込み具合を見て、それどころではなくなったようだ。
ハナコはかわいがられているだろうか……
もう一つの可能性は、あえて考えない。
きっと子供たちは、ハナコのことを一生覚えているのだろうな。
最後にクイズ。
2013年に撮影したこの子の子孫が写真に紛れ込んでます。どこでしょう?